レーティングでいろいろ物議を醸している『Gears Of War Ultimate Edition』と『Until Dawn -惨劇の山荘-』をやった

■ガチムチ!脳筋!再び!〜『Gears Of War Ultimate Edition』 (Xbox One)


かつてXbox360タイトルとして発売されていたサード・パーソン・シューティング『Gears of War』、結構好きなゲームでしたね。これまで3作シリーズ化されましたが、異星を舞台にゴリラとしか思えない体格をした脳筋野郎どもがチェーンソー付きアサルトライフルを抱えて敵の地底人を次々に血塗れの肉塊に変えてゆく、という非常に清々しいゲームでしたね。

で、この『Gears of War』がHDリマスターされ『Gears Of War Ultimate Edition』というタイトルでXbox Oneに移植されたんですが、残虐シーンがレーティグに通らなくて日本での販売が見送られてしまった、というニュースが飛び込んできましてね。(「国内倫理適合を受ける修正が困難であるため国内発売を見送る」(Xbox Japan Blog))

実を言うとリマスター版にはそんなに興味が無くて(同じゲームを何度もやる趣味が無い)、購入は全然考えていなかったんですよ。しかし「残虐すぎて日本販売中止」と聞いて俄然ヤル気が起き、輸入盤で北米バージョンを買ってしまいました!ゲーム内容やシステムはXbox360版と変わってないようなんですが、やっぱり1080p・60fpsで動くグラフィックは綺麗だし不気味な部分はさらに黒々と不気味でいいんですね。一回プレイしたことのあるゲームではありますが、知っているからこそサクサクプレイできて楽しい、というのもありますね。

で、問題の”残虐シーン”なんですが、ゲーム中ローカストと呼ばれる敵が銃で撃たれて体バラバラになり血塗れの肉塊となってその辺に転がる、なんて描写がそれに当たるんでしょうけど、昔っからこのテのTPSやらFPSやらやってきたモンとしてみてはまあ全然普通で、「これで?」って感じなんですよね。それにこの敵役って人間じゃねーだろ?とも思うんですよ。実際の所オレが「昔っからやってたこのテ」のゲームは、殆ど海外版のPCゲーで、日本語版としてレーティング受けたものと比較にはならないんですけどね。

そういえばXbox360の日本語版『Gears of War』はどうだったかというと、レーティングCERO:Z、要するに18歳以上のみ対象にはなってて、実際の適応箇所はすっかり忘れちゃってるんで調べたところによると、「欠損箇所のある遺体の削除」「バラバラになった断面が見えないように黒く塗りつぶされている」という具合の事はしていたみたいなんですね。まあそれでも別に気にしてなかったしゲームも面白かったですけどね。今回のリマスター版日本販売中止は、オリジナルと同じような修正をしても通らなかったのかという疑問もあるのですが、それよりも、「日本じゃXbox Oneって全然売れてないし、わざわざコスト掛けて修正してもペイしない」ってのが本当の所なんじゃないですかね。こうして輸入盤で買っちゃえばプレイはできちゃうわけだし、それに一度プレイしたゲームだからローカライズしてなくても内容は知ってるし、全く問題ないんですけどね。

それと、以前もこういった「レーティング通らなくて日本未発売になったゲーム」を輸入盤で幾つかやったことがありますが、確かに残虐シーンこそあるにせよ「別に成人指定なら問題なくね?」と思いましたけどね。ホラー映画だと割とよくある残虐シーンなんですよ。これなんかは、なにかというと短絡的な思考回路しか持たない連中にゲームが引き合いに出されるから必要以上に神経過敏になっている、ということなんでしょうかね。

Gears of War Ultimate Edition (輸入版: 北米) - XboxOne

Gears of War Ultimate Edition (輸入版: 北米) - XboxOne

■山荘といえば惨劇!〜『Until Dawn -惨劇の山荘-』 (PS4)


惨劇といえば山荘、山荘といえば惨劇。雪山の山荘にやってきた数名のワカモノな男女が、得体の知れない存在に一人また一人と惨たらしく屠られてゆく!というのはホラーとしてはお馴染みのシチュエーションなんですが、これを多人数の視点で描き、プレイヤーの選択した行動により物語が変わってゆく(らしい)というゲーム、それが『Until Dawn -惨劇の山荘-』なんですな。この「行動によって変化してゆく物語」というのを「バタフライ・エフェクト」に例えているんですが、まあ要するに「風が吹けば桶屋が儲かる」というアレですな。映画のタイトルにもありましたが、割と人気作のようですけど、オレはあんまり好きじゃなかったなあ。

このゲーム、登場する複数のワカモノのキャラを代わる代わる切り替えてプレイすることになるんですが、このワカモノたちというのが大学の横文字サークルにでもいそうなとてーも軽い連中で、ホラー映画によく出て来る「とりあえず片っ端からなぶり殺されてゆくワカモノ」そのまんまなんですな。だからまるで感情移入する部分が無くって、さっさとみんなぶっ殺されてくれ、としか思えず、中盤まではかなり適当にプレイしてましたね。感情移入できる登場人物なら結構人間らしい真っ当な行動を選択してしまうオレですが、このゲームの場合はできるだけ諍いが起こり易く人間関係がギスギスし易い殺伐とした方向へ殺伐とした方向へと選択してましたよ。こういった黒い感情が湧いてくる部分が楽しかったな。

さてこのゲームで問題になっているのが規制された残虐シーンのその規制のされ方なんですが、ちょっとこちらを参考にされてください。


いわゆる残虐シーンのあるゲームでは上記『Gears Of War Ultimate Edition』で書いたみたいに「遺体の削除」や「切り株断面の塗りつぶし」、他にも血の色を黒とか緑にしてみたりとか、そもそも血飛沫・血糊自体無かったりするような修正が入るのですが、そういった修正の良し悪しは別としても、ただ「画面まっ黒」ってぇのは随分雑ですよねえ。もう少し工夫の仕方もあったんじゃないかな。あとこのシーン以外にも突然画面が真っ暗になるシーンもあったけどあれもそうなのか?

とはいえ、このシーンのある中盤からどんどんホラーらしく面白くなってくるのも確かで、「規制があるならやらない!」なんて短絡するのはちょっと勿体ない気がしますな。オレも最初こそ「ウェイウェイなワカモノなんぞ早くシネ」とか鼻糞ほじりながら思ってたのに、段々とワカモノたちの恐怖にシンクロさせられ、「怖いよう怖いよう死にたくないよう」と思い始めてくるのですよ。これは中盤からワカモノたちが分断され、二人ないし一人で行動しなければならなくなる、といった状況の変化があったからでしょう。

全体的にも、「短い時間でサクッとプレイできる」「面倒臭い操作が必要ない」「あんまり頭も反射神経も必要ない」という部分で、実はオレ向きのゲームであることも確かで、総じていうなら楽しんでプレイできたゲームですね。グラフィックもPS4ならではの作り込みで大変綺麗だし、きちんとホラーの雰囲気は押さえてありましたし、なにより金と手間かけて丁寧に作ってあるのは十分伝わってくるんですよ。規制あるってことを念頭に置いて買うんなら別にいいんじゃないですかね。ただQTEがオレ嫌いでねー、あれしくじったぐらいで分岐できちゃったりするもんですから、そこはさすがにイラッとさせられました。

Until Dawn -惨劇の山荘- 【CEROレーティング「Z」】

Until Dawn -惨劇の山荘- 【CEROレーティング「Z」】