■BLUE CITY CHRONICLE I,II / 星野之宣

BLUE CITY CHRONICLE ? (光文社コミック叢書signal)
- 作者: 星野之宣
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/08/30
- メディア: コミック
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (6件) を見る

BLUE CITY CHRONICLE(2)(光文社コミック叢書SIGNAL)
- 作者: 星野之宣
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/09/16
- メディア: コミック
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
『ブルー・シティ』は宇宙から運ばれた未知のウィルスにより人類が滅亡するところから始まる。この惨禍を逃れることができたのは海底実験都市ブルー・シティで生活していた2万人あまりの人々。彼らは人類の文明を再建しようと試みるが、人類滅亡を陰で操ってきたマッド・サイエンティスト、ドクター・ジェノサイドによるさらなる災厄が彼らを待ち受けていた…というもの。最悪の状況からさらに最悪の状況へと至ってゆく悲壮感溢れる物語が当時のオレの胸を熱くさせた。
しかしこの『ブルー・シティ』、人気不評の為物語途中で打ち切られる。出来が悪かったのではなく当時のジャンプのカラーと合っていなかったのが原因だと思われるが、オレを含む熱狂的なファンも存在し、復活を切に願っていたものだ。1984年にやっと『バトル・ブルー』で物語は再開したと思ったらこれもあっという間に終了、その後星野は短編長編で各雑誌で活躍し、人気を確たるものにしたが『ブルー・シティ』の物語は現在に至るまで描かれることはなく未完のまま不遇な作品としてファンの間で語られることになる。
そんな『ブルー・シティ』の愛蔵版となるこの『BLUE CITY CHRONICLE』1・2巻、これまでなかなか単行本に採録されなかった『バトル・ブルー』も収録され(正確には以前『星野之宣SF作品集成I』に収録されたが、この単行本は未読)この"幻の続編"がやっと読める!と楽しみにして購入した。で、今読み返してみるとこの『ブルー・シティ』、SF設定がちょいとお粗末、というかジュブナイルレベル、科学考証も間違いが多く、物語展開はかなり強引、ということを発見してしまった…。
いや、しかしだからと言ってこの『ブルー・シティ』に幻滅したかというとそういうことは無い。逆に、初の長編デビューで肩に力が入りまくりガチガチになりながらも奮闘していた星野之宣の姿が思い浮かべることが出来て微笑ましく感じたぐらいだ。そして、当時この作品の連載に歓喜し、単行本をむさぼるように何度も読んでいた自分の姿まで思い起こすことができた。音楽でもそうだけれども新人アーチストというものは荒削りな部分もありつつその生々しさがいつまでも新鮮に記憶に残り、ベテラン・アーチストの熟練さとは違った形で愛着があったりするものなのだ。この『BLUE CITY CHRONICLE』は、そんな新人作家だった頃の星野之宣の熱気と、SF漫画好きだった少年の頃の自分の姿を真空パックしたような作品集として今のオレには読めた。
■激マン!(1) / 永井豪

- 作者: 永井豪,ダイナミック・プロ
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2010/09/09
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 72回
- この商品を含むブログ (23件) を見る
ああ『デビルマン』。オレ的には永井さんの漫画というのは『あばしり一家』あたりから読み始めた記憶があって、1972年から雑誌連載された『デビルマン』は存在こそ知っていたものの、実際に読んだのは完結後、友達の家にあった単行本を手にしたときになるのだ。いやあ、あえて書くまでもないですが、ショックだった。そして友達の家で全巻読破したのにもかかわらず、改めて自分で買い直してまた何回も読みましたよ。
で、『激マン!』だけど、この1巻をまるまる費やして『デビルマン』第1巻にあたる部分をどのように着想しどのように話を膨らませていったか、その『デビルマン』の漫画こみで描かれているのだ。いやあ、面白いけど、この調子でやってたら『デビルマン』全巻語り終えるのに『激マン』5巻分ぐらいかかっちゃうのではないか?で、この後『ブラックジャック』や『凄ノ王』とか始まっちゃったらいったい『激マン』は全何巻に…さすがに気が遠くなりそうだが、とりあえず追いかけてゆく予定である。