最近ダラダラ読んだコミックとか〜『マンガ古典文学 方丈記』『激マン!(6)』

■マンガ古典文学 方丈記 / 水木しげる

方丈記: 創業90周年企画 (マンガ古典文学シリーズ)

方丈記: 創業90周年企画 (マンガ古典文学シリーズ)

コミック界の最長老・水木しげるが、日本三随筆のひとつで若い頃から愛読してきた中世の天変地異ドキュメント『方丈記』を活写! 平家興亡・源平争乱の平安時代末期を生きた無常の歌人鴨長明の生涯を交えながら完全にコミック化しました! 名門・下鴨神社禰宜の子として生まれながら、跡目争いに敗れ、長年住んできた邸を追われるなか、10年足らずの間に若き長明は多くの災厄を体験。「安元の大火」「治承の辻風」「福原遷都」「養和の大飢饉」「元暦の大地震」という天災と人災を、戦争という一番の人災を生き抜いてきた水木サンが描ききる、現代にも通じる無常観! そして、その天変地異を経た無常の先にある方丈の草庵生活とは? けっして忘れてはならない戦争の記憶や災害の悲惨さを描いた、迫力の水木しげる版『方丈記~鴨長明伝~』です。

平安時代末期〜鎌倉時代に生きた歌人・随筆家である鴨長明の「方丈記」を水木しげるが漫画化したもの。そういう自分は「方丈記」って読んだことがないので、この作品でもって読んだことにしようと決定。作品的には「方丈記」そのものと併せて鴨長明の半生と彼の生きた時代を描いたものとなっている。平安時代末期〜鎌倉時代って天変地異やら大飢饉やら遷都やらさらには平家の滅亡やらがあって本当に動乱の時代だったらしい。その中で無情を唱え厭世と達観へと到達した鴨長明。ええとこのボンだからアンニュイになっちゃったんだね。歴史に暗い自分には大いに勉強になりました。

■激マン!(6) / 永井豪

激マン! 6 (ニチブンコミックス)

激マン! 6 (ニチブンコミックス)

永井豪による『デビルマン』完成秘話『激マン!』最終巻。去年出ていたらしいのだがすっかり忘れてしまっていてつい最近読んだ。『デビルマン』後半の展開は作品打ち切り決定による相当なストーリーの端折りがあった、というびっくりするような話が描かれているのだが、しかし物語を端折り強烈なイメージのみをこれでもかとばかりに畳み掛けたからこそ、『デビルマン』はあれほどまでに神ががり的なクライマックスを迎えたのだということも出来るかもしれない。永井豪氏はそれが悔しかったのかもしれないが、後にリライトされ世に出された「改訂版デビルマン」が全くオリジナルを越えていないことを思うと(まあ時期も相当経ってるし作者の画力もパッションも激烈に落ちていることを考えても)、結果的にあのクライマックスこそが唯一最上のものだったということができる。それに、やっぱり「勢い」ってものがあるからね、あの時の勢いで描かれたものがやっぱり一番なんだろうな。