■アフロ忍者 (監督:マーク・ヒックス 2009年アメリカ映画)
ドジでヘタレな黒人郵便局員レジー(マーク・ヒックス)は今日も局長にお小言を貰いながらしがない毎日を過ごしていた。そんなある日、郵便局に暴漢が乱入、慌てたレジーは何故かとある小包を開けてしまう。日本から届けられたまま配達不能になっていたその古い小包の中には、なんとヌンチャクが!そのヌンチャクを手にしたレジーは不思議な力を注入され、鬼神の如く暴漢を撃破!しかしその日以来レジーの身に異変が…。なんと彼の頭はゴージャスなアフロヘアに!ボディはムキムキに!さらに何故か日本語が読める!そういえば金曜の夜、めっちゃスシが食いたくなり貪り食った…。えええええ!?オレひょっとして日本人になっちゃったのか!?武術開眼したアフロな忍者に生まれ変わったのか!?天は…俺に何をさせようと言うんだぁ〜〜〜ッ!?
『アフロ忍者』である。アフロ!黒人!忍者!カンフー!というもうやりたい放題の濃いい組み合わせである。そもそも忍術使ってないから忍者じゃないと思うんだけどそこはご愛嬌だ!それにしても暴漢が襲ってきたからってなんでいきなり小包開けるんだよ!?その中になんでたまたま不思議のヌンチャクが入ってるんだよ!?でまあ神秘の力を得たのはいいとして、それとアフロな髪になるのにどういう関連性があるんだよ!?「俺日本人になってる…」って、日本人アフロヘアじゃないし!しかしメチャクチャスシ食いたくなった自分を日本人と疑うのは無理も無いかもな。オレはカレーばっかり食ってるときは自分をインド人かと疑うし、ピザばかり食ってるときは自分をイタリア人かと疑ってるもんな。ってか、だいたいヌンチャクは日本じゃないと思うけどな!…とまあ突っ込み所満載ではあるがこの『アフロ忍者』、実にラブリーな映画であることもまた間違いない。
この映画は元々スタント俳優である主演・監督のマーク・ヒックスが彼のスタント仲間を集めて製作したものらしい。見るからに低予算作品であり、映画的に不器用な部分も多いのだが、そんなチープさを補って余りある映画愛と情熱が伝わってくる微笑ましい作品に仕上がっている。物語的にユルイ部分はギャグってことで受け流せるし、アクション・シーンは手堅く撮ってピリッと映画を引き締めている。勘違いされされた日本像もこそばゆくて可笑しい。映画というのは物語そのものよりも、きちんとしたアクションがあればそれなりに見栄えがするといういい見本だろう。それにしてもこういう低予算映画観ていると「これなら出来そうか!?」と勘違いして映画作りたくなってくるよな。しかしアクション映画は無理だからやっぱバカ映画になるのか…それもギャグの無い単なるバカなバカ映画…う〜ん…。
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