それはとてもしょーもなかった!

会社の後輩のワカモノであるA君とB君から聞いたしょーもない話。
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A君とB君は小学校の時からの仲良しで、いつも一緒につるんでは悪さをして遊んでいた。
中学生の頃、A君はB君の家に遊びに行っては、二人でB君の親父の部屋に忍び込み、秘密の引き出しから大量のエロ本を引っ張り出し、部屋中に広げてその上を転げ周り、ウハウハ言いながら遊んでいたのだという。しかしある日、二人がいつものようにエロ本の上で転げまわってウホホーイウホホーイなどとわめいていたところを、B君のコワ〜イ母親に見つかってしまう。あまりにアホアホなその暴走振りに逆上したB君の母親は二人を散々しばき倒し、その挙句A君はB君の家への出入り禁止をくらってしまう。
しかし二人のエロ本への熱き想いはそんなことで消え去りはしない。数日後、A君とB君はエロ本のある部屋にもう一度忍び込む計画を立てた。B君の父の部屋は実は2階にあり、専業主婦の母親はいつも家にいてB君の友達の出入りに目を光らせている。だから二人はわざわざ梯子を用意し、2階の窓からB父の部屋に侵入、またもや部屋の床一杯にエロ本を敷き詰め、めくるめくエロの桃源郷を味わっていたのだ。
ところが二人はやっぱりB母に発見されてしまう。出入り禁止にしたはずのむくつけき息子の友人が、またもや猥褻な本を広げて鼻の下を伸ばしている光景に、B母は遂にブチ切れてしまい、なんと包丁を持ち出してA君を追い掛け回し、家から追い出したのだという。「その時母親が振り回した包丁の刃痕がまだ家のあちこちに残ってますよ…」B君は遠い目をしてそうオレに語った。
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もうひとつ包丁話。
A君とB君がガキンチョの頃よく遊んでいた公園の横には2階建てのアパートが建っていて、そのアパートの2階に一人で住む若い女がやたら騒音に神経質だったらしい。その日A君とB君は公園で野球のバットの素振りをやっていたというのだが、たかだかバットが風切る音に反応し、2階の窓を開け音が五月蝿い、と怒鳴ってきたらしいのだ。なんだか面白くないA君とB君、公園からその女性をやいのやいのと囃し立て、速攻で逃げてきたという。
そして公園の近所の道をゲラゲラ笑いながら歩いていたら、後ろの方から「包丁を持ってる人がいるぞ!」という誰かの叫び声が。何が起こってるんだ?と振り向くと、それまで道を歩いていた人たちが、こちらのほうへ走って逃げてくるのが見えた。立ち止まってしまったA君の左右を沢山の人々が駆け去ってゆく。そしてそれを追うように走ってくるのは、なんとあのアパートの2階の女ではないか。A君とB君の行動にブチ切れたあの女が、二人に思い知らせようと包丁を片手に追いかけてきたのである。
脱兎の如く逃げ出すB君と、あまりのことに動けないA君。女の包丁はA君の目の前まで迫ってきた!
「で、どうなったの?」A君の話を聞いていたオレは後を続けさせた。
A君が言うには、既に逃げる機会を失ってしまったので、包丁の刃が自分に届くよりも先に思いっきりその女を地面にド突き倒したのだという。当然その後はさっさと逃げたのらしい。
「警察には言わなかったの?」とA君に訊くと、自分の親に公園で騒いで人をキレさせたことがバレると、包丁よりも恐ろしい折檻が待っているから言えなかったのらしい。「うちの親、竹刀でボコボコにするんですよ!」とA君。
「なんだか大変な女だなあ。その人はその後どうしたの?」オレが訊くとB君が引き継いだ。
B君が言うには、アパートの女の部屋の下の部屋に、ある日子供のいる家族が移り住んだのらしい。子供がいるくらいだからまあ、そこそこにはやかましかったらしい。「それで、その女、自分のウンコをビニール袋に詰めて、1階の住人に見えるように2階の自分の部屋の窓から吊るしたんですよ!下に住んでいた子供連れはそれですぐ引っ越しちゃいました」
ウンコとはヒデエ…。「その女、完璧アタマ逝っちゃってるじゃん!なんか犯罪とか犯しちゃったりしてないの?」とオレが訊くとB君が言うには、その女はオトコが出来ていつしか引っ越していったということだ。ううん…相手の男が心配だが…。