マブリーがまたもや強力パンチをブチかます『犯罪都市 PUNISHMENT』！

犯罪都市 PUNISHMENT (監督：ホ・ミョンヘン 2024年韓国映画)

マブリーの愛称で知られる韓国人気スター、マ・ドンソク主演によるクライムアクションシリーズ「犯罪都市」の第4弾『犯罪都市 PUNISHMENT』です。この「犯罪都市」シリーズ、主演となるマブリーがとんでもない剛腕で次々と敵をぶちのめしながら事件を解決してゆくという愉快痛快暴力映画なんですね。マブリーも「犯罪都市」シリーズも韓国アクションも全部好きなオレはウキウキしながら劇場に足を運びました。

ちなみにマ・ドンソクを知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、韓国人気スターとはいっても細面の美男子という訳では決してなく、熊みたいな体格をしたコワモテのオッサンなんですね！そしてこれがいい！いやーオレの現場にも一人欲しいわ！(違う

《STORY》ヤクザも恐れる怪物刑事マ・ソクト（マ・ドンソク）とソウル広域捜査隊は、デリバリーアプリを悪用した麻薬密売事件を捜査していた。マ刑事は捜査を進めるうち、手配中のアプリ開発者が謎の死を遂げた事件の背後にフィリピンに拠点を置く国際IT犯罪組織の存在を突き止める。組織のリーダーは拉致監禁、暴行殺人をいとわず、韓国の違法オンラインカジノ市場を掌握した特殊部隊出身の“元傭兵”ペク・チャンギ（キム・ムヨル）。マ刑事は史上最大規模のIT犯罪計画を殲滅するため、広域捜査隊、サイバー捜査隊と新たなチームを結成し捜査を始める。

映画『犯罪都市 PUNISHMENT』公式｜9.27（金）公開

今作のテーマとなるのはオンラインカジノを巡るIT犯罪。シリーズの中でも新機軸となるテーマとなりますが、これは韓国で実際にあった事件を元にしているのだとか。舞台は韓国のみならずフィリピンも舞台となっており、ワールドワイドな犯罪捜査が描かれます。敵役となるのは韓国特殊部隊の元隊員ペク・チャンギ（キム・ムヨル）、元特殊部隊員のスキルを活かした電光石火のナイフ使いで、酷薄な表情を浮かべ相手を残虐に屠ってゆく姿は敵役として申し分ない悪辣さです。また、捜査チームには新たにIT犯罪課の女性が加わり、いつもの汗臭そうな男所帯に爽やかな風を吹かしていました。

さて今作でもマブリーこと怪物刑事マ・ソクトの剛腕は相変わらずです。なにしろパンチの一発一発が重い！あの体格から繰り出されるパンチですから重力級なんです。それは既に格闘とか殴り合いの域を超え、音速で射出された鉄球がズガッ！ドスッ！と相手の体にめり込んでゆくかの如き強力パンチが轟くのです。たいていの敵は最初の1発か2発で地面にのされ、あるいは遠くまで吹っ飛ばされちゃうんですよ。その一撃必殺のヒグマ級パンチでもって次々と敵を倒してゆく様がこの映画の最高の見せ場となり、スクリーンを眺めながら「やれ！やったれ！」と思わず拳を握って応援しちゃうんですよね。

とはいえ映画はアクションのみが見所ではありません。主人公マ・ソクトは決して暴力オンリーの人間ではなく、演じるマブリーと一緒でとても愛嬌のある性格で、とぼけた笑いを見せてくれるところが楽しい作品でもあります。今作ではIT犯罪がテーマとなりますが、ITがなんなのかよく分からないソクト刑事がチンプンカンプンのことばかり言い放つシーンは大いに笑わされます。刑事仲間との強い絆や、時として見せる篤い人情にも心が動かされます。体格と一緒で懐が広いんですね。

今作で注目すべきなのはもう一人、元ヤクザの組長で現在は足を洗ってゲームセンター店長をしているチャン・イスです。演じるのはパク・ジファン。このチャン・イス、「犯罪都市」の1作目から脇役として登場しているんですが、見栄っ張りでセコくてしみったれで大嘘つきでダサいという実にしょーもない小悪党。見て下さいこの ↓ 濃すぎるファッション！

このチャン・イス、なにしろ小者なんですが、1作目からマ・ソクトにイジメにイジメられ続けており、毎回ピーピー言いながら情けない姿を晒しているところが実に笑いを誘うんです。とはいえ裏社会に精通している部分から犯罪捜査に無理矢理協力させられ、これがたまさか有能だったりするもんですから人間分からない。今作でもこのチャン・イス登場シーンから映画はうなぎ登りに盛り上がりを見せ、「犯罪都市」のもう一人の主人公と言ってもいいかもしれません。