冥府魔道の血煙世界の旅イタリア篇!/映画『イコライザー THE FINAL』

イコライザー THE FINAL (監督:アントワン・フークア 2023年アメリカ映画)

「ナメてた奴は最凶特殊エージェント」ジャンルの人気シリーズ『イコライザー』の3作目です。邦題には「THE FINAL」なんて付けられていますが本当にこれが最後なんでしょうか?主演はデンゼル・ワシントン、監督はこれまで同様アントワン・フークア。そして今作ではダコタ・ファニングが共演します。

《ストーリー》特殊工作員で最強の殺し屋ロバート・マッコールさんは今回なぜだかイタリアに飛び、とりあえず悪い奴らを殺しまくっていた。あろうことか負傷したマッコールさんは近所の町医者に拾われ治療の日々を送り、その中で町の人々が好きになってしまう。「好きだぜイタリア。スパゲッティ美味いし。もう住んじゃおっかなー。」しかしそんな町に陰湿なマフィアのゴロツキどもが迷惑かけまくっている事を知り、マッコールさんは指をポキポキならしながら立ち上がったのだ!(一部脚色あり)

という訳で今回なぜだかイタリアが舞台となっている『イコライザー THE FINAL』です。なぜイタリアなのか?は最後まで観ていれば分かることなのであなたは観るといいんです。今回敵となるのはイタリアンマフィア。そう、イタリアと言えばピザとマフィアなのは世界の常識です。マッコールさんの敵として申し分ないですね!まあどうせ全員血の海に沈んでしまうのは火を見るよりも明らかなんですが、マッコールさんがどのように・どんな段取りで・一人当たり何秒でマフィアどもを捻り潰していくのか、ワクワクしながら見守りましょう!

お話の方は特に説明する必要はないでしょう。町の人々から「アメリカから来た変わったおっさん」程度に思われていたマッコールさんがマフィアの狼藉に立ち上がり、例によって電光石火の瞬殺ぶりを見せてくれるわけですね!そこにCIA職員のエマ(ダコタ・ファニング)が絡んで、マフィアたちが裏で企む恐ろしい陰謀を暴き出します。

しかし1作目では30秒ぐらい掛けて敵を倒していたマッコールさん、今作では9秒ですよ。タイム縮めてますよね。今作で最後とか言ってますが、もし続いていたら次作では3秒とか1秒とか、そのうち睨んだだけで敵が死んじゃうとかなってたかもしれませんね!もうそうなったら超能力者だわ!だいたい今だって十分異能者だけどね!

「もし続いていたら」という事でもう一つ思ったんですが、今作ではイタリアを舞台に仕置き人稼業を披露してくれたマッコールさん、今後は世界を放浪しながら様々な国で悪い奴らを仕置きしまくるという「マッコールさん冥府魔道の血煙世界の旅」とかやってくれれば楽しかったのにな!世界のいろんな町で敵を殲滅したマッコールさんは町の住民たちに引き留められながらもまた放浪の旅に出かけるわけですよ。なんだか西部劇みたいですね。そのうち日本にもやってきて大阪のコンチネンタルホテルでジョン・ウィックと共演したりしてな!

とまあ基本殺しまくりのアクション映画シリーズ「イコライザー」ですが、単に殺しまくってるだけじゃなくて、3作どの作品にもそこに住む人々とのエモーショナルな触れ合いが描かれるといった部分で単なる「ナメてた奴は最凶特殊エージェント」なだけの映画じゃないんですよね。1作目では歌手を夢見る薄幸の少女、2作目ではギャングに引き込まれそうな少年を助け、それぞれにしっとりしたいいドラマ作りをしていました。今作でそれはイタリアの小さな町の人々全てへの救いの手として描かれるんですね。こういった部分でのドラマ作りの巧さにアントワン・フークア監督の非凡さ、独特の視点を感じるのですよ。

それにしてもイタリア、いいっすねえ。今回の作品ではローマやナポリも登場しますが、基本的な舞台となるのはアマルフィという人口4700人程度の小さな町。これがまた綺麗なんだわー。風景よし町並みよし、住民たちは情に篤く気立てのいいイタリア市民で、料理まで美味そう、これはマッコールさんじゃなくとも住み着きたくなりますよ。オレはまだ一回も海外旅行したことがなくて、もし行くならどこがいいかなーといつも考えてるんですが、この映画観てイタリア行きたくなっちゃいました!