ミドルレンジのワイヤレスイヤホンを購入してみたのだが

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一昨年にワイヤレスイヤホンを購入したのだが、ちょっと調子が悪い。充電ができたりできなくなったりするのだ。これまで使っていたワイヤレスイヤホンはゼンハイザーのいわゆるハイエンド機で、お値段は高かったが音質も良く操作性も良く、満足して使用していた。故障かなーまだ保証期間内だから修理交換かなーとは思いつつ、どちらにせよ今現在不便なので、予備として別の製品を一個購入しようと考えたのである。

ただ、確かに充電式であればバッテリーの劣化というのは有り得ることなので、今回修理交換できたとしても数年しか使えないであろう消耗品のようなものに高額の出費もどうかと思い、今度はノイズキャンセリングがあり、同時にお値段そこそこのミドルレンジクラスの製品を探してみたのだ。

で、例によってあまり考えることなく決めたのが「JBL Club Pro+ TWS」という機種だった。お値段はゼンハイザーのハイエンド機の3分の2ぐらいだ。

実際使ってみると、ハイエンドからミドルレンジへグレードを落としたことによる諸所の不満と、この製品らしい良さを見つけたことで、大満足とまではいかないがまずまずといった使用感である。ミドルレンジにハイエンドと同じものは求められないのは当然のことでもあるし。

まず不満点は音質だ。これは音質が悪いという事ではなく、相対的に比べるならどうしてもそう感じるという事だ。ゼンハイザーが10の音を出していたとしたらJBLのこの製品は7から8だろう。

後で調べるとBluetoothコーデックの種類もあるのらしい。「JBL Club Pro+ TWS」のコーデックは中程度の音質であるAACどまりだが、ゼンハイザー製品は音質が良く低遅延でもあるaptX-LL, aptXを採用している。とはいえ、オレが再生機器として使用しているのはiPhoneなのだが、iPhoneが採用しているのはAACまでなので(AndroidはaptX対応。音質重視ならiPhoneは再生機器としてイマイチだということである)、オレに限って言えばコーデックが音質に影響しているということはないようだ(ゼンハイザー製品でもiPhoneではAACに切り替えられてしまう)。

また、最初は「左側だけが聴こえない」という現象が起こり、レビューでもそういった指摘があったので、初期不良か?と思ったらどうもそういうことではなかった。通常ワイヤレスイヤホンの接続は右側を介して左側へ成されるということだが、ペアリングが上手くいっていないと左側への接続が無くなってしまうのだ。「JBL Club Pro+ TWS」はペアリングが切れたとき充電ケース底面ボタンを2度押すことで復帰できるし、接続が切れやすいのも最初だけだった。

さて「JBL Club Pro+ TWS」の音質だが、最初はフラットでつまらない音質で、これはハズレかと一瞬焦ったが、これも間違いだった。「JBL Club Pro+ TWS」はアプリを介して非常に細やかな設定のできるイコライザーが存在しており、これを操作することで音質が桁外れに変わるのだ。

この音質の変化は本当に驚いた。ゼンハイザー製品が過不足ない均整の取れた優等生的な音だとすれば、適切なイコライザー処理をした「JBL Club Pro+ TWS」の音はダイナミックであり、ビビッドな音だということができる。なにしろ聴いていて「面白い」のだ。それにより、ゼンハイザー製品の時とは全く違う音楽体験をすることができた。どこかのレビューにあった「ゼンハイザーを超える」というのは言い過ぎだと思うが、実は今のJBL製品のほうが音的に好みかもしれないと思い始めているほどだ。

ただしこれも、オレの好きな音楽がEDMなので、こういったダイナミックな音に合うという事であり、アコースティック楽器やクラシック、ヴォーカルメインの音楽など繊細な原音を求める方にはまた違う評価になるだろう。EDMに合わせたイコライザーだと、今度は逆にアコギやロックヴォーカルが薄っぺらい音に聴こえてしまう事があるのだ。そういった部分でやはり100%満足できる製品と言い難いものがある。

また、形状のせいもあり摘まみやすく耳へのフィットも問題ない。ただし音量等を変えるためのイヤホンへのタッチ操作は感度が低く、なかなか反応しないので焦れてしまうことが多い。この辺りはゼンハイザー製品の操作性の良さが懐かしく感じるほどだが、慣れも必要なのかもしれない。

総合的に、「ミドルレンジクラスとして及第点」の製品であり、「イコライザーの素晴らしさはこのクラスではダントツ」であろうと感じるが、aptXコーデックが採用されていないという点で(iPhoneを再生機器としている以外のユーザーには)「他の製品を探してみる余地もある」という言い方ができるだろう。まあ、ミドルレンジクラスでガタガタ言うんならハイエンド買え!ということでもある。いやー今ハイエンド機買うとしたらSONYの「WF-1000XM4」だよなーでもたっけえんだよなあコレ!(だから見送った)

(付記)その後ゼンハイザーのワイヤレスイヤホンの不調がなぜか治ってしまい、普通に使用できるものだから修理にも出しておらず、結局今JBL製品と2台使いしている。しかしこれ、その日の気分で音の響きの違うイヤホンを使い分けられて、それはそれで面白い。とはいえ、やっぱり新しいJBLのを多く使っちゃうけどね。