コール・オブ・デューティ モダン・ウォーフェア2


2016年という近未来を舞台にしたミリタリーFPS、『Call of Duty :Modern Warfare 2CoD:MW2)』であります。中東・東欧など世界各地を股に掛けロシア超国家主義者のテロリストとアメリカ海軍・イギリスSASとの熾烈な戦いを描いたこのゲームは、現実の世界で行われうる現代戦を生々しく再現し、その緻密に作られた映像とリアルなストーリー、緊迫感溢れるゲーム内容で多くのファンの支持を得、前作『CoD:MW』の全プラットフォーム販売本数が1300万本、この『CoD:MW2』では販売初日に700万本を売り上げたというモンスター・FPSゲームなんですな。

第2時世界大戦を舞台にした『Call of Duty』シリーズは1作目からちょくちょくプレイしていたんですが、これまでの路線を変更し近未来戦を描いた『CoD:MW』はやはり相当エキサイティングなゲームに仕上がっていましたな。戦略核投下で米兵死者3万人、プレイヤーはその兵士の一人となって立ち上るキノコ雲を見つめる、なんていう凄まじいシナリオだったのであります。現実の武器を微妙に近未来仕様にした装備もサイバーチックでワクワクさせられました。

さてこの『CoD:MW2』、PC日本語版を12月末の発売日に手にいれたんですが、あれこれ終わらせるゲームが他にあり、ついこの間やっとPCにインストール、プレイすることができました。初っ端からアフガニスタンで撃ち合いするわカザフスタンの雪山でアイス・ピッケル振ったりスノーモービル乗ったりするわロシアの空港でフロアの市民皆殺しにするわリオデジャネイロでテロ犯追っかけるわと大忙しであります。このゲームはシーンごとに主観となる人物が変わって行くのでこんなふうに慌ただしいんですな。

世界中のあちこちの場所へ次々と切り替わる視点がスピーディーな展開を生むのでしょうが、こんなふうに慌ただしくて落ち着かない気持ちにさせるのも確かなんですな。またそれぞれのマップもあんまり広くないので、すぐ終わってしまうのも難点です。ステージごとの緊張感は保たれているので呆気無く終るということはないのですが、ゲーム中は銃撃戦で忙しくて、息を飲むほどリアルに作られた風景をゆっり眺め回すことができないのが本当に勿体無いんです。どこかに気が抜けるポイントを作ってもらって、『CoD:MW2』の世界にずっぽりはまっていたい、とプレイ中によく思いますね。

この間やったPS3のアクション・ゲーム『アンチャーテッド』でも思いましたが、今やゲームは”映画的な演出”を目指すことから、”映画的な演出を超えたゲーム演出”へと進化しています。もはや映画と肩を並べるかそれ以上のジャンルだと思うのです。この『CoD:MW2』もその優れた演出力はひしひしと感じることのできる良作だと思います。しかし非常に完成度は高いのに、いかんせん前作『CoD:MW』の衝撃があまりにも強かったので、進化している部分はあるのに「前作と変わらない」と感じてしまうのがちと残念でありますな。それとこういったリアル系のミリタリーFPSはどうしても殺伐とした雰囲気を孕んでしまい、ずっとやってるともう少し非現実的なSFやホラーやファンタジー風味のゲームをやりたくなってくるのが玉に瑕かもしれませぬ。


コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2

コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2

コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2

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コールオブデューティー モダン・ウォーフェア2

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