M:i:III(ミッション:インポッシブル3) (J・J・エイブラムス監督 2006年 アメリカ)

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ミッション:インポッシブル3である。説明不要のドンパチ映画である。えー、大変面白く観させて頂きました。…しかしこれ以上感想が出ない。とかくブロックバスター・ムービーというのは遊園地のアトラクションみたいなもんで、席に座ったらあとは料金分ハラハラドキドキさせてくれれば機能は果たしているのだから、ジェットコースターに心理描写や政治背景など必要ないように、この映画にもそんなものを持ち出すのは野暮なんであろう。
デ・パルマの「1」、ジョン・ウーの「2」はそれぞれ監督の癖なり独特の手法があって、その”臭み”が所謂アクション映画になにがしかのプラスアルファを持ち込んだのであろうが、J・J・エイブラムスの「3」ではそれがあるわけでもなく、だから見終わった後に映画談義するほどの”何か”が無い、ともいえる。ちなみに「1」はデ・パルマらしいこってりした造りがヨーロッパの翳った町並みと上手く合っていたような気がするし、「2」はジョン・ウーが相変わらずの”オレ節”全開でこれでもかという大味ぶりに、ああやっぱりオレこいつ嫌いだ、という認識を新たにして劇場で1回観たきりDVDでさえも観直していない。でもなんか「3」観たらこの「2」が観たくなってしまった。何故だ。
世界を股に掛け風光明媚なロケハンの中を、SFチックなハイテク機器と殺傷兵器を自在に操り、不死身ともいえる主人公が不可能とも思えるアクションを次から次へと繰り出し、虚構の超国家的組織と世界を蹂躙せんとする絶対悪との戦い、ああこういうのって昔は007が得意だったよなあ、シュワルツェネッガーもよくこういう映画出てたよなあ、などと思い出してみたが最近あんまり見かけないよなあ、両方とも。
話によるとMTVに出演したジョージ・ルーカスM:i:IIIについて「僕が思うに、トム・クルーズは観客たちがああいうタイプの映画に飽きているということを証明したんじゃないかな。みんなが見たいのは、なにかこれまでとは違うものだ。」などと評したらしいがそのあと「でも(僕の)『インディ』はいつも他の作品とは違っているよ」とか言ってたからインディー・ジョーンズ新作の単なる自己宣伝かよ!とも思ったが、案外そういうところもあるのかもしれない。
あるのかもしれない、などと煮え切らない書き方をしたのは、料金分きっちり楽しんだ映画にケチを付けるのは男としてどうよ、それって姑息なんじゃない?と思ったからであり、トムよがんばったな、スタント全部自分でやったのかよ、あのビルのダイビングシーンも合成とかじゃなかったのかよ、DVD出たら買っとくよ、「4」作ったって観に行くからな、と言いたい気持ちもあったりするからである。
ええとグダグダの文章になってしまったが、面白かったよ!面白かったからね!サイコーだったよ!みんなも観に行くといいよ!などと唐突に持ち上げてお茶を濁しておこう!