さらばもうほう

実は会社の「もうほうU」ことU君が今日付けで異動になり別事業所に行ってしまったんである。もうあの「くねっ」「にへらっ」が見られなくなると思うと嬉しい、もといとても寂しいのである。


だから最後の日はこのオレも愉快に、もとい沈痛な面持ちで彼と接していたのであった。書類を書いていれば「辞世の句か?」と訊き、お茶を飲んでいれば「末期の水か?」と訊き、昼飯を食っていれば「最後の晩餐か?」と訊き、トイレに行くならば「涅槃への旅立ちか?」と訊き、ぼうっとしているなら「走馬灯が見えるのか?」と訊き、彼との惜別の念を表わし続けるオレであった。


そしてその度に「フ、フモさんはボクが早くいなくなっちゃえばいいと思ってるんだああああ!」などと涙目で訴えるU。そんなUを「馬鹿言うな!寂しいに決まってるじゃないか!お前が…お前がいなくなったら、いったい誰をこれからからかって生きればいいんだ!」と思わず熱血口調で諭すオレ。美しきは友情、麗しきは師弟愛。かくもオレともうほうUが深く魂の絆を持っていたことに半笑い、もとい感動を新たにするのであった。


しかしそんなオレの気持ちを知ってか知らずか、「いいんだあ!皆ボクがいなくなってせいせいしてるんだああ!」と壮大にいじけまくるU。Uよ、異動したら取りあえずその被害妄想をどうにかしたほうがいいと思うぞ…。


そういう訳で昨日は彼の送別会であった。オレが主催してあげたのである。口は悪いが優しい上司なのである。誰も言わないから自分で言うんである。Uよ、よそに移っても元気にくねくねしてくれっ。