図書館の話、その他の話

図書館に入り浸っていたのは本が好きだからという訳でもなかった。地方在住の高校生にとって、学校をさぼっても行くところなど他に無かったからだ。それにしてもよく学校はさぼっていた。今でもよく卒業できたと思っている。授業は受けないし試験勉強もしないからテストは全部赤点だったもの。教師も留年させるのが面倒臭かっただけなんだろうと思う。
学校に行かなかったのは単に授業がつまらなかったからで、教師も同級生もいい連中だったと思う。学校が嫌いだったとか何か問題があったからという訳でもない。覚えてもしょうがない念仏みたいな授業を聞いているぐらいなら、自分の興味のある本を読んでいたほうがましだと思っていたのだ。なんか宝島の別冊をよく読んでたな。サブカル系ということになるんだろうか。お陰で常識的なことは何も知らないが訳の判らないことならよく知っているイビツな頭になってしまった。だから高校の授業で出る程度の知識は、30を過ぎてからもう一度本で読んで勉強したぐらいだ。
高校では3年間ずっと図書委員だった。3年の時は委員長までやらされた。学校に行かない生徒会委員だったよ。あと映画研究会みたいのもやっていて、やはり学校にも行かず家で会誌作ってたりとかしてたな。あの頃からだらだらと長い文章を書くのが好きだったんだよ。文芸部で詩もかいてたなーうわああああ。
図書館に行かない時は町からかなり外れたところにある灯台まで出掛けて海を見てたよ。丘の上の誰もいない公園とかな。そこで好きだった本を何度も繰り返して読んでいた。やっぱり変わった高校生だったんだろうな。