自動改札

酔っ払っていたのであろうか、駅の自動改札の切符入れ口に一生懸命千円札を入れようとして当然入らず、途方に暮れているおぢさんを発見。心優しいオレは「それはお札ですよ、切符じゃないですよ」などと余計なおせっかいを焼いておぢさんの心象を悪くしないように努め、何も気付いていないフリをしながら改札を出てきたのであった。
多分おぢさんの頭の中では乗り越しの精算機と改札が混同されていたのであろう。だから”千円札”だったのではないか。一応想像が出来るから、これはまだましなほうであると思う。これがもしもお昼に食べ残した愛妻弁当のウィンナーソーセージや玉子焼きなどだったらヤヴァイ。切符入れ口に懸命に玉子焼きを押し込む五十代中間管理職。シュールである。
またはいつも通勤鞄にこっそり美少女着せ替え人形を潜ませた四十代男性サラリーマン(誰のことだ)。人形を切符入れ口に捻じ込もうとじたばたした挙句「momoたんが改札を通らないんだよう」と嗚咽し改札前で座り込む。猟奇である。
それとも自分自身を切符入れ口に入れようとしてもがく六十代会社役員。駅員の制止を物ともせず改札に懸命に頭を突っ込み、「オレを!オレを改札してみせろ!」と喚き散らし頭をガツンガツン改札に打ち付けているのである。狂気である。
このように、自動改札を切符や定期券以外のもので通ろうとしてはイケナイ、というのが今回のエントリーの教訓なのであった。皆さんもご注意ください。