帰ってきたモーホー

金曜日は会社の後輩と呑んだのである。オレもたまにはまともな社会人の振りをするのである。後輩と杯を重ねつつ会社の愚痴やこれからの仕事のあり方などを語り合うのである(…しねーよ)。ただちょっと違うのは、その日のお相手はモーホーU君だったのです(「奥さまは魔女」風に)。
もう呑みの約束した段階で、「じゃあ今日は、デートですね、ムフ」である。ああああ何言ってんだよこの腐れホモがよおお!とムカついたのでUのアキレス腱を狙って鋭角的な蹴りを一発キメておく。「いたあい、いたああい!」とくねくねと苦悶するUである。
さらに仕事の時間が引けて、「んじゃ行くぞ」と声を掛けたら「どんな所?暗い所?ムードのある所?いやあん、こわーい」などと自己完結した爛れた妄想の世界に入っていたのでムカつき倍速、背中の腎臓部分を狙って素早い膝蹴りをかましておく。「いたあい、いたああい!」とくねくねと苦悶するUである。
しかしこんな事で懲りるUではない。だってあいつMなんだもん。ホモでMでフケ専。つくづく因業な男である。
店は海鮮の旨い所であった。イカワタの沖漬け、ブリのカブト焼き、ホヤの塩辛(莫久来=ばくらい、という名前であった。珍しい。)、フキノトウの天麩羅などを食しました。で、会話の内容はというと、七福神の世界から抜け出して来たようなある上司や、動きとテカリ具合がイグアナにソックリのある上司の物真似を延々とやっていただけであった。
で、最後になんか締めに一杯、ってことにして、オレは芋焼酎「大魔王」(素晴らしいネーミング。旨かった)をグラスで頼んだのだが、お前はどうする、とUに訊いたら「じゃーあ、グラスワイン赤で(クネ)」とかヌかしやがるじゃねええかよおお!荒くれ者の漁師さんたちの獲った旨い肴に深みのある味わいの芋焼酎飲んで男臭く盛り上がってんのに、頼む酒が赤ワインかよぉおこのドグサレがよおお!ってか、赤ワインとモロキュウ頼んでんじゃねーっつっの!
これだからモーホーは困るんだよ、と思った金曜の夜でした、マル。