もうほうさんいらっしゃい

今日も朝から会社のモーホーUがルンルンしている。ああ…うぜえ…できるなら目を合わせたくない…と思っていたのだが、目ざとくオレを見つけたUは棒切れを見つけたワンコロのように駆け寄ってきてオレに話しかけた。
「フモさんフモさん(にへらっ)」
「なんだよ。けっ。」(吐き捨てる様に)
「今日から6月ですね!(くねっ)」
「…ああそうだよ。だからなんなんだよ」(苦虫を噛み潰したような声で)
「6月は衣替えの季節ですよね…(意味深に、にへらっ)」
「知らねーよ。だったらどうだってんだよ」(眉間に皺を寄せて)
オレが適当に返事をしてるにも係らず、モーホーUは既に自分だけの世界に入ってうっとりしている。とてもかまっていられない。
朝は職場で作業着に着替えるのだが、オレはそんなUを置いてさっさと着替え、事務所に出向いた。
そしてその後…。着替えが終わったUはまるでメンズノンノから飛び出してきたような爽やかなカットソーを身にまとい、ポージングも鮮やかに颯爽と事務所に入ってきたのだった。くねくねしながら。そうか、これか、このことだったのか…。
甘い香りを出して虫を誘い捕らえて食べてしまう妖しい食虫花の様に、モーホーUは人の目を欺く爽やかな出で立ちで、何も知らない男たちをたらし込もうとしているのであろうか。危ねえ危ねえ…。でもいくら爽やか気取っても顔はホリエモンだしな。その辺が好みの分かれるところだな、Uよ。