2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「マーダーボット・ダイアリー」シリーズ最新作『逃亡テレメトリー』を読んだ

逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー/マーサ・ウェルズ (著)、中原 尚哉 (訳) かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されていた人型警備ユニットの“弊機”。紆余曲折のすえプリザベーション連合に落ち着いた弊機は、ステーション内で何者…

最近読んだコミックあれこれ

雨と君と(4) /二階堂 幸 雨と君と(4) (ヤングマガジンコミックス) 作者:二階堂幸 講談社 Amazon 雨の日に拾ったタヌキとどことなく気だるげな女子との心安らぐ日々。二階堂幸の『雨と君と』は凡百の動物漫画と一線を画す、静謐と孤独とが世界を覆う物語…

山野一の出産・育児コミック『大難産』がとても面白かった

大難産/山野 一 鬼畜漫画家・山野一が双子を授かって子育てに奮闘する様子を描いたコミック『そせじ』(そせじ=双生児の意味だろう)は山野一の漫画家人生を刷新する名著だったと思う。『そせじ』は電子出版のみで現在4巻まで描かれている。 この『大難産…

SOMPO美術館『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』を観に行った

ART

印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展 この間の3連休初日は新宿にある「SOMPO美術館」に『印象派からエコール・ド・パリへ スイス プチ・パレ美術館展』を観に行っていました。SOMPO美術館はあのゴッホの名作『ひまわり』を所蔵してい…

劉慈欣のSF短編集『老神介護』を読んだ

老神介護/劉慈欣(著)、大森望(訳)、古市雅子(訳) SF超大作『三体』シリーズでSF界を席巻した劉慈欣の最新短編集。昨日紹介した『流浪地球』に続き今日は『老神介護』を紹介。 『老神介護』に収録の作品は全5作、同時発売の『流浪地球』が宇宙進出や異星人と…

劉慈欣のSF短編集『流浪地球』を読んだ

流浪地球/劉慈欣(著)、大森 望 (訳)、古市 雅子 (訳) 『三体』シリーズでSF史を塗り替えてしまった劉慈欣の短編集が2冊刊行された。タイトルは『流浪地球』と『老神介護』。両方とも速攻で購入、速攻で読み終わり、そして「ぐっはあああ、めっちゃ面白かっ…

山種美術館『【特別展】水のかたち ―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで―』を観に行った

ART

この間の3連休初日は広尾にある山種美術館に『【特別展】水のかたち ―《源平合戦図》から千住博の「滝」まで―』を観に行きました。山種美術館には初めて行ったのですが、なんでも「日本初の日本画専門美術館」として50年の歴史を持つのだとか。 山種美術館は…

2022年秋・栃木カピバラ&鮎ツアー(2日目)

2日目です。この日も朝からいい天気。窓の外から見える那珂川には早朝からちらほらと川釣りの人たちが繰り出していて、腰まで川に浸かりながら魚釣りをしていました。きっと昨日なかがわ水遊園で観たような那珂川の魚を獲っているのでしょう。 それにしても…

2022年秋・栃木カピバラ&鮎ツアー(1日目)

この間の10日と11日は相方さんと二人、那須塩原の馬頭温泉へ一泊旅行に出かけていました。オレが還暦を迎えた!というのと、相方さんの仕事がようやく一息ついた!というのがあり、じゃあお互いお祝いを兼ねて小旅行でもしようか、という事になったんですね…

英米古典怪奇談集Ⅱ『彼方の呼ぶ声』を読んだ

彼方の呼ぶ声:英米古典怪奇談集Ⅱ/ BOOKS桜鈴堂 (編集, 翻訳) 『夜のささやき、闇のざわめき』に続く、傑作怪奇談集第2弾!! 英米の古典怪奇談の中から知られざる良作を厳選し、紹介する本シリーズ。 今回の収録作品9篇は、すべて本邦初訳。荒涼たるブルター…

英米古典怪奇談集Ⅰ『夜のささやき、闇のざわめき』を読んだ

夜のささやき、闇のざわめき:英米古典怪奇談集Ⅰ/ BOOKS桜鈴堂 (編集, 翻訳) あなたを闇の世界へ誘う、珠玉のゴーストストーリー14編!!ビアス、ジェイムズ、レ・ファニュ、ブラックウッド他、怪奇小説の名手たちに、本邦初訳となる知られざる作家たちをくわ…

太田記念美術館『浮世絵動物園』展を観に行った

ART

この間の誕生日の日には会社にお休みを貰って原宿にある「太田記念美術館」に『浮世絵動物園』展を観にいきました。 それにしても原宿なんてまるで縁の無い場所なもんですから、JR原宿駅で降りるなんて本当に久しぶりです。とはいえ久々の原宿は区画整理され…

遂に60歳になってしまった。

Photo by NIPYATA! on Unsplash 本日9月9日をもって齢60となってしまったオレである。いやー60っすよ60。還暦っすよ赤いチャンチャンコっすよ。 いやーそれにしても60歳。なんというかもう、途方に暮れている。思えば遠くへ来たもんだ。昔は60歳で定年だった…

創元SFアンソロジー『巨大宇宙SF傑作選 黄金の人工太陽』を読んだ

巨大宇宙SF傑作選 黄金の人工太陽/J・J・アダムズ (編集), 中原 尚哉他 (翻訳) SFとファンタジーの基本はセンス・オブ・ワンダーだ。そして並はずれたセンス・オブ・ワンダーを味わえるのは、超人的なヒーローが宇宙の命運をかけて銀河のかなたで恐ろしい…

サラ・ピンスカーのSF短編集『いずれすべては海の中に』が優れモノ揃いだった

いずれすべては海の中に/サラ・ピンスカー (著)、市田泉 (訳) 最新の義手が道路と繫がった男の話(「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」)、世代間宇宙船の中で受け継がれる記憶と歴史と音楽(「風はさまよう」)、クジラを運転して旅をするという奇妙な仕事の終…

東京藝術大学大学美術館に特別展『日本美術を紐解く―皇室、美の玉手箱』を観に行った

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東京藝術大学大学美術館に行ってきた 先週の金曜日は会社に夏休みを貰ってまたもや美術展に行ってまいりました。休暇貰って美術展って、オレってシブくないっすか(自己満足)。行ったのは東京藝術大学大学美術館で開催されている特別展『日本美術を紐解く―…

ブラッド・ピット主演のハチャメチャ・バイオレンスアクション『ブレット・トレイン』がとっても楽しかった!

ブレット・トレイン (監督:デビッド・リーチ 2022年アメリカ・スペイン・日本映画) 最初は楽なミッションだった筈なのに!?日本が誇る高速旅客列車・新幹線を舞台に、ブラッド・ピット扮するくたびれ気味の殺し屋が、次から次へと現れる殺し屋と戦う羽目…

フランス文学探訪:まとめとして

4月から続けてきたブログ企画「フランス文学探訪」は前回ブログで更新したA・デュマ『モンテ=クリスト伯』で一応の最終回とした。「一応」と書いたのは別にこれでフランス文学を読まないという事ではないからだ。そして「一応の最終回」にしたのはフランス…