2022年秋・栃木カピバラ&鮎ツアー(2日目)

2日目です。この日も朝からいい天気。窓の外から見える那珂川には早朝からちらほらと川釣りの人たちが繰り出していて、腰まで川に浸かりながら魚釣りをしていました。きっと昨日なかがわ水遊園で観たような那珂川の魚を獲っているのでしょう。

それにしてもオレと相方さんは旅行に行くと前日までどんなに荒天でもカラッと晴れている、いわゆる「お天気カップル」なんですよね。お互いそれを意識していて、今回の旅行もちょっと前まで台風が来ていたんですが「きっと晴れるよね」なんて言っていて、そしてやっぱり晴れてくれました。とはいえ、実はこれ選択的認知の問題で、よく考えてみたら旅行に行って雨だったこともありはするんですが、二人とも「旅行に行ったらいつも晴れ」のことしか記憶していないんですよ。つまり「お天気カップル」というよりも「能天気カップル」ということなんですね!

さて、まずは旅館の朝食で腹ごしらえ。「いさみ館」は朝食も少々凝っていて、まず写真真ん中の小さな魚、これ、ホンモロコという高級魚の煮つけなんですね。本来琵琶湖で獲れる魚ですが、これを栃木で養殖しているのです。また、卵は有精卵なんですが、これがまた新鮮極まりなくてびっくりしました。この日はあまりにおかずが美味しくてご飯4杯お代わりしてしまいました!

旅館の朝食

この日の朝も陶板焼きメニューがありましたが、那須高原ベーコンと一緒に並んでいるのは猪肉のソーセージです。

那須高原ベーコンと猪肉ソーセージの陶板焼き

旅館をチェックアウトした後、「ちょっとガッツリとしたコーヒーが飲みたいなあ!」ということになり、朝から美味しいコーヒーが飲めそうなところを探しました。検索してみるとテラスでコーヒーを出している所がある事を知り、車を走らせてコーヒーを飲みに行きます!テラスに併設された売店ではマンゴープリンが販売していたのでこれも購入、コーヒーとプリンを楽しみました。

珈琲工房 みつばちの里 - 那須烏山市のコーヒー・茶・水・テイクアウト|栃ナビ!

コーヒー&プリン

テラスコーヒーの近所にはお寺さんがあるようなのでちょっと寄ってみました。お寺の名称は「白久山 長泉寺」。お寺とは別にある朱塗りの三重の塔がとてもきれいでした。

白久山 長泉寺 - 那珂川町の神社・仏閣・教会|栃ナビ!

白久山 長泉寺、朱塗りの三重の塔

お寺さんに寄った後はこの日の目的地の一つ、「あゆの里やな」を目指します。「やな/ヤナ」とは漢字で「梁」と書き、「川の両岸もしくは片岸から杭や石、竹などを用いて水流をすのこ状の台で堰き止め、魚の流路をふさいで捕獲する仕掛けのこと*1」を指します。

今回出向いた「あゆの里やな」は那珂川の鮎を捕獲するヤナ場の一つで、鮎捕獲の体験ができるだけでなく、鮎料理が食べられる食堂も併設された場所なんですね。

あゆの里 矢沢のヤナ那珂川最大規模の大ヤナ【公式】

いやーそれにしても初めて見る「ヤナ」は雄大な自然の景観も相まって実に胸躍るものでしたね。日差しにきらめく水面の眩しさ、さらさらと流れてゆく川のせせらぎの音、その上を吹き過ぎてゆく風の爽やかさ、程よい暖かさの陽光、どれもとても得難い体験でした。

大自然に囲まれたヤナ場

木材で組んだ杭で川の水を誘導し、簀の子状に設えた竹で水を漉いて流れ着いた鮎を獲るわけです。この日は大勢の家族連れが鮎を手掴みで獲るのを楽しんでいました。

手掴みで鮎を獲る子供たち

動画も撮りましたのでご覧になってください。

梁漁を見学した後は鮎料理を出すお食事処「あゆの里」で食事です。

お食事処「あゆの里

ちょっと古びた建物でしたが中に入るととても大きな施設で、客席数は400あるのだとか。写真はお座敷ですが、建物の半分はテーブル席になっており、この日も既に大勢のお客さんで賑わっていました(お座敷の奥に狸がいますがあまり気にしないでください)。

お座敷で鮎料理を待つタヌキ

鮎の塩焼きは昨日旅館の夕食でいただいたので、この日は「鮎飯」を注文。シンプルながら鮎の身と鮎の旨味がたっぷり沁みたご飯が美味しかったです。

滋味豊かな鮎飯

鮎と鮎料理を堪能した後はこの日のもう一つの目的地、「八溝温泉」へ。「八溝温泉」はぽつぽつと建つ住宅地と森の境界にあり、緑に囲まれるようにして建っていました。

八溝温泉(やみぞおんせん) - 馬頭|ニフティ温泉

八溝温泉

この日も温泉は貸し切り状態。ぬるめのお湯に浸かりながら窓の外の自然を眺めるのもまた心地よい。ところで写真を撮るために浴場にスマホを持ち込みましたが(もちろん自分しかいないのを確認し)、足を滑らせてスマホを湯船に落としてしまう、という大アクシデントもありました(防水だったので大丈夫でしたが)。

八溝温泉の浴場

温泉でさっぱりした後は時間も余ったので「那珂川町馬頭広重美術館」に行ってみることにしました。

この美術館は「阪神淡路大震災に被災された青木藤作氏のご遺族から、歌川広重の肉筆画を中心とするコレクション寄贈」をされたことにより建てられたもので、「ゆったりとした平屋建てに切妻の大屋根を採用」した外観が非常に特徴的です。

那珂川町馬頭広重美術館

那珂川町馬頭広重美術館

当日は広重の描く富士山の浮世絵を中心に展示されていました。関東の各地から観られる富士山の威容は、その場所場所によりどれも変化があり、そしてどれも美しいもので、日本人と富士山の関わりの深さに思いを馳せてしまいました。それにしても遠く伊勢からも富士山が見えるんですね。これには驚かされました。

歌川広重駿河薩タ之海上

というわけで予定していたスケジュールも大方消化したので帰路につくことになりました。帰りの新幹線が待つ那須塩原駅までは広重美術館から車で1時間余り、栃木の田園風景を横目で眺めながら車を走らせます。駅前でレンタカーを返し、近くにあったコーヒーとビールの店で相方さんと二人、地ビールを酌み交わしながら旅の疲れを癒しました。

Cafe&Beer Planalto (カフェアンドビア プラナウト) - 那須塩原/カフェ | 食べログ

今回の旅で思ったのは、栃木って観光にしても産業にしても非常に力を入れていて様々な工夫を凝らしているという事でしたね。もともと那須にある動物園「那須どうぶつ王国」がお気に入りでよく行っていたのですが、それ以外の場所に出向いたことがあまりなかったものですから、今回の旅でいろいろな魅力を発見することができたんですよ。那須塩原、次もまた行きたいですね。

(おしまい)