2015-01-01から1年間の記事一覧

禁酒法時代のマンハッタンを駆け抜ける白人女と黒人男の殺し屋コンビ!〜『MISS』

■MISS / フィリップ・ティロー(作) マルク・リウー&マーク・ヴィグルー(画) ヤヴァイ。これは今年読んだバンドデシネの中で最も面白い作品かもしれない。タイトルは『MISS』、禁酒法時代のニューヨークを舞台に、男女ペアの殺し屋コンビが拳銃片手に暗黒街…

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』はとても面白かったぞ

■ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション (監督:クリストファー・マッカリー 2015年アメリカ映画) 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』を観てきた。非常によく出来たエンターティメント作品で、実に楽しんで観ることができた。この映…

ワールドカップ女子フィールドホッケーに賭ける夢〜映画『Chak De! India』

■Chak De! India (監督:シーミト・アミーン 2007年インド映画) 負け犬の烙印を押されたフィールドホッケー選手が、寄せ集めで結成され誰も成功を信じていない女子ホッケーチームのコーチに抜擢され、選手と共に血の滲む思いでワールドカップを目指す!と…

母なるインドへ還れ〜シャールク・カーン主演映画『Swades』

■Swades (監督:アシュトーシュ・ゴーワーリカル 2004年インド映画) アメリカ在住のインド人主人公が久方ぶりに故郷のインドの村に戻るが、そこで村の窮状を目の当たりにし、なんとかそれを変えてゆこうと尽力する姿を描いたドラマがこの『Swades』だ。主演…

容疑者護送の警官隊を襲うテロリスト集団!〜映画『Khakee』

■Khakee (監督:ラジクマール・サントーシ 2004年インド映画) 容疑者護送の任に就いた警官たちを次々と襲うテロリストの群れ!というとってもド派手なアクション大作です。そして配役も豪華。護送任務のチーフにアミターブ・バッチャン、その部下としてアク…

渡辺克仁さんのカピバラ写真集『カピバラ2』が発売中だよ。

■カピバラ2 カピバラ・マニアには知らない人のいないカピバラ写真家・渡辺克仁さんによるカピバラ写真集『カピバラ2』が発売されました。これは2008年発売の写真集『カピバラ』に続く第2弾となっています。 渡辺克仁さんはカピバラが好きすぎてカピバラのい…

それは「シャーッ!シャーッ!」「パクッ!パクッ!」だったッ!?〜映画『ジュラシック・ワールド』

■ジュラシック・ワールド (監督:コリン・トレボロウ 2015年アメリカ映画) 『ジュラシック・パーク』シリーズ最新作『ジュラシック・ワールド』観てきました。基本的に「シャーッ!シャーッ!」「パクッ!パクッ!」な映画でしたね。 あれやこれやの登場人…

虐殺の中結ばれた男女が辿る怒涛の逃避行!〜映画『Gadar: Ek Prem Katha』

■Gadar: Ek Prem Katha (監督:アニル・シャルマー 2001年インド映画) ■殺戮の嵐の中で出会った一組の男女! 怒涛!怒涛!怒涛!映画『Gadar: Ek Prem Katha』は始まりから終わりまでなにもかもが怒涛の連続で描かれるインド映画なんだッ!物語はインド・…

最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他

■Morning/Evening / Four Tet Morning / Eveningアーティスト: Four Tet出版社/メーカー: Temporary Residence発売日: 2015/07/10メディア: CDこの商品を含むブログ (4件) を見るFour Tetのニュー・アルバムは20分ほどの曲が2曲はいった構成で、それぞれ「Mo…

最近読んだコミックあれこれ

■ダンジョン飯(2) / 九井諒子 ダンジョン飯 2巻 (ビームコミックス)作者: 九井諒子出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン発売日: 2015/08/12メディア: コミックこの商品を含むブログ (52件) を見るファンタジーRPG風のダンジョンで冒険者たちがモンス…

凍てついた世界を襲う吸血鬼の群れ〜『ヴァンパイアの大地』

■ヴァンパイアの大地 / ダヴィド・ムニョス(作)、マヌエル・ガルシア(画) ある日を境に太陽が失われ、猛烈な寒波が世界を襲った。多くの人間が命を落とし、生き残った人々もモンスターの影に怯えながら、息をのんで暮らしている。人間に代わり、この太陽…

突然フットワーク/ジュークにハマり山のように音源を入手して聴きまくっている。

■Practice What U Preach / DJ Roc Practice What U Preachアーティスト: Dj Roc出版社/メーカー: Duck N' Cover発売日: 2015/07/17メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見る最近瞬発的にフットワーク/ジュークにハマっている。存在こそ知ってはいたが…

災厄に見舞われた世代宇宙船を描く傑作SF〜『寄港地のない船』

■寄港地のない船 / ブライアン・オールディス その船はどこから来て、どこへ向かうのか。もはや知る者は誰もいない。巨大な宇宙船の内部で、いまや人間たちは原始的な生活を営んでいた。かつて船を支配していたという巨人族、猛烈な勢いで繁茂する植物、奇怪…

不機嫌な娘と偏屈な父、それに巻き込まれた男とのロードムービー〜映画『Piku』

■Piku (監督:ショージート・サルカール 2015年インド映画) I. 映画『Piku』はピクーという名の主人公女性と偏屈なその父バシュコル、そして二人の車旅行の運転手をやる羽目になったラーナーという男を中心に描かれるハートウォーミングなロードムービーだ…

ムンバイ闇社会を彷徨う孤独の魂〜映画『Satya』

■Satya (監督:ラム・ゴパル・ヴァルマ 1998年インド映画) 1998年公開のインド映画『Satya』は、裏社会に足を踏み入れた一人の若者が辿る暗く遣る瀬無い運命を描いた犯罪ドラマである。タイトル『Satya』は「真実」という意味となる。そのタイトルは何を意…

大都市ムンバイで交差する4人の男女の孤独〜映画『Dhobi Ghat (Mumbai Diaries)』

■Dhobi Ghat (Mumbai Diaries) (監督:キラン・ラーオ 2011年インド映画) ムンバイに住む4人の男女の交差する人生。映画『Dhobi Ghat (Mumbai Diaries)』はアーミル・カーン・プロダクション製作により2011年に公開された人間ドラマだ。タイトルのDhobi Gha…

社会の不正は俺が正す!〜映画『Gabbar Is Back』

■Gabbar Is Back (監督:クリーシュ 2015年インド映画) 「社会の不正は俺が正す!」とばかりに制裁を繰り返す謎の男を描いた2015年公開の社会派アクション・スリラー『Gabbar Is Back』であります。主演にこのテの映画ならお手のもののアクシャイ・クマール…

スタニスワフ・レムの『泰平ヨンの未来学会議』を読んだ

地球の人口問題解決の討議のため開催される世界未来学会議に出席せんと、コスタリカを訪れた泰平ヨン。ところが、会議の最中にテロ事件が勃発。ヨンたちは、鎮圧のために軍が投下した爆弾の幻覚薬物を吸ってしまう。かくしてヨンは奇妙な未来世界へと紛れ込…

『ロボット』の監督シャンカールが描く美と醜の饗宴〜映画『I』

■I (監督:シャンカール 2015年インド映画) インド映画に興味の無い日本の観客を巻き込んでヒットしたエポックメイキングなインド映画、というと様々ありますが、まずは『ムトゥ 踊るマハラジャ』、そしてもう一つは『ロボット』だったんではないでしょうか…

ギャングの親分が医学生になってさあ大変!?〜映画『Munna Bhai M.B.B.S.』

■Munna Bhai M.B.B.S. (監督:ラージクマール・ヒラーニ 2003年インド映画) 『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラーニ監督の処女作となる作品が2003年に公開されたこの『Munna Bhai M.B.B.S.』です。お話はギャングの親分が医学部に入学しちゃって…

ギャングの親分がガンジーの幻と出会って大騒ぎ!?〜映画『Lage Raho Munna Bhai』

■Lage Raho Munna Bhai (監督:ラージクマール・ヒラーニ 2006年インド映画) ギャングの親分がカンジーの幻に取り憑かれて大騒ぎさ!という2006年インド公開の作品です。監督は『きっと、うまくいく』『pk』のラージクマール・ヒラーニで、これは大いに期待…

そこは怪獣酒場だったッ!?

先日は知り合いの皆さんと川崎にある「帰ってきた怪獣酒場」に行ってまいりました。 早速キングジョーがお出迎え! ビールジョッキからお皿から怪獣尽くし! あのグドンも好きなツインテールフライ!もちろんエビ味!ってかエビフライだけど! 宇宙竜ナース…

イーガン新作『ゼンデギ』は「なんだかなあ」と思っちゃうような出来栄えだったな

■ゼンデギ / グレッグ・イーガン 記者のマーティンは、イランで歴史的な政権交代の場に居合わせ、技術が人々を解放する力を実感する。15年後、余命を宣告された彼は、残される幼い息子を案じ、ヴァーチャルリアリティ・システム“ゼンデギ”の開発者ナシムに接…

ケン・リュウの『紙の動物園』は現在最高のSF小説集だと思う。

■紙の動物園 / ケン・リュウ ぼくの母さんは中国人だった。母さんがクリスマス・ギフトの包装紙をつかって作ってくれる折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動いていた…。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた…

最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他

■DJ-Kicks - DJ Koze / DJ Koze DJ-Kicks [Explicit]アーティスト: DJ Koze出版社/メーカー: !K7 Records発売日: 2015/06/15メディア: MP3 ダウンロードこの商品を含むブログ (1件) を見るベルリンのレーベル「Studio !K7」のミックスCDシリーズ「DJ-Kicks」…

ゲーム『バットマン:アーカム・ナイト』をやってる。

『バットマン:アーカム』3部作、ここに完結 シリーズ最終章にして、集大成にふさわしい壮大なストーリー。舞台は『バットマン:アーカム・シティ』の後のゴッサム・シティ。バットマンの宿敵の一人であるスケアクロウが密かにゴッサム・シティに舞い戻り、共…

第2次大戦中のカルカッタを舞台にした探偵ミステリー〜映画『Detective Byomkesh Bakshy ! 』

■Detective Byomkesh Bakshy ! (監督:ディバーカル・バナルジー 2015年インド映画) 映画『Detective Byomkesh Bakshy !』は第2次世界大戦中のインド・カルカッタ(現コルカタ)を舞台に、一人の探偵が失踪した男を捜索するうちに出遭った巨大な陰謀を描く…

というわけでバンサーリー監督最新作『Bajirao Mastani』を紹介

さてそんなバンサーリー監督ですが、新作の公開が既に決定しています。タイトルは『Bajirao Mastani』、タイトルから察するに、かつてムガル帝国としのぎを削り、一時はインドの覇権を握ったマラーター王国の第2代宰相バージー・ラーオを主人公とした歴史ド…

聾唖夫婦とその娘との愛の軌跡〜映画『Khamoshi: The Musical』【バンサーリー監督特集その5】

■Khamoshi: The Musical (監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー 1996年インド映画) 勝手に続けている「サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督週間」、最後となる今回は1996年に公開されたサンジャイ監督のデビュー作『Khamoshi: The Musical』。タイ…

ドフトエフスキー『白夜』を原案とした美しい耽美ドラマ〜映画『Saawariya』【バンサーリー監督特集その4】

■Saawariya (監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー 2007年インド映画) まだまだ続く「サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督週間」、今回は2005年の『Black』に続き2007年に製作された映画『Saawariya』。ドフトエフスキーの短編小説『白夜』を原作…