ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ (監督:エマ・タミ 2023年アメリカ映画)
機械仕掛けのマスコットがウリだったが現在は廃業したレストランの夜間警備の職に就いた青年が、夜毎勝手に動き回るマスコットの恐怖に曝されるというホラー作品。インディーゲームが原作の映画なのだとか。お話はお化けマスコットの残虐殺戮劇というよりも、かつて目の前で弟を誘拐された主人公のトラウマをそそぐ物語として展開し、それにお化けマスコットのお化けたる所以が絡むというもの。そのため微妙にウジウジした展開を見せ、ホラーというよりもスピ入ったダークファンタジー系といったほうが近い。なにしろシナリオが支離滅裂でインチキ極まりなく、思い付きだけで作っただろコレ?ってな退屈なお話だった。ただし婦警役のエリザベス・レイルが可愛かったからちょっとだけ許す。それにしても粗筋を読んでニコケイ主演のホラー映画『ウィリーズ・ワンダーランド』そっくりじゃないか!?と思ったが、どうやら『ウィリーズ~』のほうはゲームのオマージュであってこの『FNAF』のほうがゲームの正式映画化作品らしい(ややこしい)。
カウントダウン (監督:ジャスティン・デク 2019年アメリカ映画)
自分の余命が分かるという謎のスマホアプリをダウンロードしたばかりに、死の恐怖に怯えまくってしまう若者たちを描いたホラー映画。『FNAF』のエリザベス・レイルが可愛かったので観てみた。いやこれは面白かったな。そのスマホアプリには死ぬまでの時間のカウントダウンが表示されるが、「90歳まで生きる」と表示される者がいるかと思えば、「あと1日」「あと3時間」と表示される者もいて、そしてその時間通りに死んでしまうんだよ。これは怖いよね。言うなれば「ファイナル・ディスティネーション」シリーズを簡易化したような物語で、「ファイナル・ディスティネーション」のようなピタゴラ的な面白さがあるわけではないが、スマホとそのアプリという身近過ぎるアイテムによって簡単に・単純に死の宣告が為されてしまうという部分にこの物語の面白さと恐ろしさがある。中盤からはアプリによって近々の死を宣告された主人公たちが、その死からどう回避するのか?そもそも回避できるのか?というサスペンスと、このアプリはいったい何なのか?というミステリが描かれるが、「そんな解法があったのか!?」という展開がスリリングだったな。全体的に軽めに作られた、それほどショッカー要素の無いホラーだがオレは好きだな。それにしてもエリザベス・レイル可愛い。
TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー (監督:ダニー・フィリッポウ、マイケル・フィリッポウ 2022年オーストラリア映画)
女主人公がパーティーで「90秒憑依チャレンジ」なるものに誘われ、「手の形の呪物」を握って霊に憑依されて、その後も次々と怪異に遭遇するというホラー作品。ウィジャボードやこっくりさんを現代的に解釈した部分は新鮮だったが、基本は「変な霊に関わって危ない目に遭いました!」というだけのお話で、それ以外特に何かひねってるわけでもない。おまけに主人公がなにしろ頭が悪く意思薄弱かつメンタル劣悪で、こいつが馬鹿なばかりに周囲に迷惑をかけて悲惨な結果になっているというだけの話なのである。だから「霊の祟り!」というよりも「馬鹿による人災!」といった方が正しいホラーだなこりゃ。それよりも物語の途中カンガルーが出てきて、「この映画オーストラリア製だったのか!?」とそっちのほうでびっくりさせられた。