今日も俺サマは山刀振り回しまくりだぜッ!!〜映画『マチェーテ・キルズ』

マチェーテ・キルズ (監督:ロバート・ロドリゲス 2013年アメリカ映画)

■トレホ兄ィLOVE!!

腰にマチェーテ携えて、鬼瓦顔のアイツが帰ってきたッ!?元極悪人俳優ダニー・トレホ主演、グラインドハウス・ムービー『マチェーテ』第2弾、『マチェーテ・キルズ』の登場だッ!?
いやあ大好きッス、ダニー・トレホ兄ィ!トレホ兄ィの存在は『ヒドゥン』や『コン・エアー』あたりから「なんか一人、人として間違った顔つきのオッサンがいる、この人俳優だなんてありえない、絶対堅気じゃない」と思ってドキドキして見ていた脇役がいたんですが、決定打は『デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2』でしょうかね、「あああ!この警官役、あの鬼顔のオッサンじゃん!?鬼顔のくせして警官役って一体何!?」とまじまじと画面を見つめた覚えがありますね。真っ当な人生なんか絶対生きてないと思わせる異様な風体で、その異様さに思いっきり魅了されたんですよ。「いやーこの顔は人10人ぐらい殺して女20人ぐらい手籠めにして子供100人ぐらいにドラッグ売りまくって300人ぐらいの幼児を海外に売買した顔だよね?」なーんて失礼ながら勝手に想像してましたよ。その後バイオグラフィーを調べたら確かに犯罪者の過去を持ちつつ、今は立派に更生して俳優業に勤しんでいることも知りました。そういう所がまたカッコいいんだよなトレホ兄ィ…。
そして『グラインドハウス』本編に挟まれた有り得ないテンションで爆走するフェイク予告編『マチェーテ』を観てオレの恋心は最高潮、『プレデターズ』の脇役を経て今や遅しと待っていたトレホ兄ィ堂々の初主演作『マチェーテ』はトレホ兄ィの鬼顔を100分間ひたすら愛でることができるという、夢のような作品でした。好きだ…好きだトレホ兄ィ…トレホ兄ィにだったら…抱かれてもいいッ!?(ヲイ…)そのトレホ兄ィの『マチェーテ』続編『マチェーテ・キルズ』が公開されるってぇんですからこりゃあ黙っちゃいられません。公開初日の第1回目に劇場に駆けつけましたよ。ナニ、『ホビット』?んなもん後回しじゃあああ!!

肉食系女子総登場!!

「アメリカの脅威となる男がメキシコにいる。お前の使命はこいつを殺すことだ」。お話は孤高の鬼瓦男マチェーテにアメリカ大統領から直々の指令が下される所から始まります。このアメリカ大統領役がチャーリー・シーン(映画のクレジットはカルロス・エステべス)。いやー大統領とはとても思えない汚れた雰囲気がチャーリー・シーンらしくていいですな。しかし目指すアメリカの脅威・マッドマンの元に辿り着いたマチェーテは、彼を殺すと心臓に連動したスイッチが入りアメリカにミサイルが飛ぶのだ!と教えられます。かくしてマチェーテはマッドマンを拉致し、スイッチを唯一止めることができるというアメリカの武器商人ヴォズ(メル・ギブソン)の元を目指しますが、変幻自在の変装をする殺し屋カメレオン(レディ・ガガ)、殺し屋女軍団を引き連れるおっぱいマシンガン女、マダム・デズデモーナ(ソフィア・ベルガラ)がマチェーテを亡き者にせんと執拗に追跡を続ける!というものであります。
とまあ、映画はグラインドハウスの名に恥じない煽情と殺戮でもって盛り上がってゆきます。まず出て来る女子の皆さんが誰も彼も毎日血塗れのレアステーキばかりバカスカ食ってそうな肉食系エロエロムチムチ女子!もちろん露出度は限りなく高く悩ましさも限りなく高し!チチ!ケツ!フトモモ!柔肌に硝煙!今作では今回訳あってちょびっとだけ出演のジェシカ・アルバたん(ハァハァ)にかわり、ミスコン女王サンアントニオ役のアンバー・ハードたん(ハァハァ)のしゃなりしゃなりした高慢ちきな金髪美女振りに「踏んで!そのヒールで痛く踏んで!」とばかりに逆上させられたオレであります。そして今回のイロモノ枠で登場したレディー・ガガさん、今まで変なカッコしてること以外知らなかったんですが、これが化粧のせいもあるんでしょうが意外に美人ちゃんでびっくらしました。

■その場その場の飛び道具でしのぐのが映画ってもんだッ!!

そして、「整合感なんざいらねえんだよッ!その場その場の飛び道具でしのぐのが映画ってもんなんだよッ!」といわんばかりの荒唐無稽な演出。『デスペラード』のギターケースマシンガンや『プラネット・テラーinグラインドハウス』のキンタマポロリでもそうでしたが、ロドリゲス監督って「わかっててわざとやってるでしょ?」という、メチャクチャだけど見た目のインパクトだけはとてつもなく馬鹿馬鹿しくもまた可笑しいアイテムや演出を施す人で、今回もまたあちこちで変なことやってくれちゃってます。おっぱいマシンガンは言うに及ばず、十得ナイフならぬ三得マチェーテとか、はらわたポロリン光線とかって、いったい…。しかも出てきたときは「ギャハハおもしれえ!」となるんですがストーリーに一切貢献していない、というのが潔くていい!ってかそれって潔いッて言うんか!?
お話も、前回がフェイク予告編をなぞる形で若干窮屈な印象だったのに比べ、もっと縦横無尽にハッチャケてくれてますな。いやひたすら「バカだ…」と思わせるメチャクチャ具合は一緒だけどね!なーんてんでしょう、前作がスプロイテーション系アクション映画のカリカチュアだとすると、今作はやることなくなってSFに走った007映画のカリカチュアってところでしょうか。『ムーンレイカー』とかあのあたりなんですよ。そう!なんと今作、ちょっぴりSF入ってる!まあ007と一緒でやることないからSFに走っただけかもしれませんが!
オースティン・パワーズ』なんかもその流れの作品ですが、この『マチェーテ・キルズ』はお下劣は一緒だけど、血と殺戮が加味されているので別物になってますね。だから冒頭でガチガチにSFしたフェイク予告編『マチェーテ・キルズ・アゲイン・イン・スペース』が流れるけど、あれって実はジョークじゃなかったらしい!いやーこの続編実現しないかなーメッチャ楽しみなんだけどなー。本国では今作コケたらしく難しいらしいんだけど。それと、前作ではご高齢のせいかちょっと体の動きが残念だったトレホ兄ィですが、今作ではスタントを上手く使ったのか、映画の見た目的には改善されておりましたよ。そういった部分では意外と前作よりも出来がいいともいえる『マチェーテ・キルズ』でありましたな。

そしてこれが問題のフェイク予告編『Machete kills again in space』。