幻想の原始世界で繰り広げられる格闘FPSゲーム〜『Zeno Clash 2』

バーチャファイターを生み出した鈴木裕がルネサンス画家ヒエロニムス・ボスをアート・ディレクションに使い、ルネ・ラルーのSFアニメ「ファンタスティック・プラネット」とハリーハウゼン特撮の「恐竜100万年」を下敷きにしたFPSゲームを作ったら。それがこの『Zeno Clash』である。…というのはかなり褒めすぎだが、それだけ画期的であり特異で独創的な世界観を持ったゲームであることは間違いない。
幻想の惑星で展開される肉弾ファイト!〜ゲーム『Zeno Clash』/ メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

奇妙な生物と住人たちが原始的な生活を営む謎の惑星Zenozoikを舞台に、不思議な鳥の神Father-Motherと主人公姉弟との物語を描く、2009年に発売された格闘アクションゲーム『Zeno Clash』の続編です。

このゲームがユニークなのは何よりも「FPS視点の格闘ゲーム」ということなんですね。銃で撃ち合うのではなく素手で相手と殴り合う!というFPSゲームなんですよ。さらにこのゲームをユニークにしているのはシュールでへんてこりんな独特の世界観です。古代文明と神話世界が合体したような街並みには様々な形をしたクリーチャーたちが住み着き、異様な文化を形作っています。この不思議な世界を闊歩し、美しいビジュアルを堪能するだけでも楽しいんですね。

戦闘は殴る蹴るが基本ですが、溜め技や投げ、カウンター攻撃も存在し、単調だったのが否めない1作目よりも技のバリエーションが増えています。ただし当たり判定は大雑把だし、純粋な格闘ゲームのような技の駆け引きがあるといったものではありません。ただやっぱり、殴り合いってなんだか熱くなってくるもので、しかも相手が訳の分からない格好をした化け物だったりするもんですから、余計興奮してきますね。しかも戦闘は1対1ではなく多数の敵を相手にしなければならないので気を抜くと囲まれてフルボッコ状態にされるのでフィールドでの位置取りも重要です。

それと戦闘が始まっても前作のようにフィールドが閉じられることが無く、逃走が可能なのもヘタレゲーマーの自分には嬉しい事です。実は一応飛び道具も存在するんですが、なにしろ舞台が古代文明なもんですから、輪ゴム鉄砲みたいなのとか骸骨爆弾とか、主力武器にはなり難いものばかりです。ただしこれも前作よりは威力が増しているような気がします。さらに前作との違いはレベルアップの概念と仲間をスカウトできる、といったところでしょうか。

もともとはチリの独立系デベロッパーACE Teamが開発したいわゆる「インディペンデント・ゲーム」で、今のところパッケージ版は無くPCではSteamなどでのD/L販売となっています。コンソール機での発売はXBLAPS3でのD/L販売もあるようですが、日本で対応しているかどうかは未確認。Steamだと現在$19.99と結構お安い値段なので気軽に購入してプレイできると思いますよ。
http://www.youtube.com/watch?v=GM8ylE-Ms6g:movie:W620