今度も邪魔者は皆殺しだぜ!〜映画『デス・レース3 インフェルノ』

デス・レース3 インフェルノ (監督:ロエル・レイネ 2012年アメリカ映画)


ムショ暮らしの悪党どもによる地獄のカー・レースが帰ってきた!?という映画『デス・レース3 インフェルノ』であります。この映画、もともとはB級映画の帝王ロジャー・コーマンが1975年に製作した『デス・レース2000年』を、2008年にポール・W・S・アンダーソンが『デス・レース(以下『1』)』としてリメイクしたのが始まりであります(拙レビューはこちら)。ジェイソン・ステイサムが主演していてバイオレンス&ペシミスティックな未来SFテイストがなかなかに素晴らしい映画でありましたな。
で、このリメイク版『1』の続編『デス・レース2』がロエル・レイネ監督によって2010年に作られたんですな(拙レヴューはこちら)。主演はルーク・ゴス、オレの大好きなダニー・トレホ兄ィも出演、物語自体は前作のプリクエルとなっており、「地獄のカー・レースはどのように誕生したか?」が描かれていて、日本未公開のDVDスルー作品ながらデス・レースの世界観を決して損なうことなく描いた良作だったんですよ。人によっちゃあポール・W・S・アンダーソンの『1』よりも楽しめた、というファンの方もいらっしゃったようですね。
というわけで『デス・レース3 インフェルノ』であります。物語は『2』の続きとなっており、主要登場人物とそれを演じる俳優たちもそのまま引き継がれているんですな。主演のルーク・ゴスはもとよりダニー・トレホ兄ィも続投で、その苦み走った雄姿を再び拝むことができるのがまず嬉しい!もちろんエロエロなヒロイン、タニット・フェニックスや、オタクなピット・クルー役のフレデリック・コーラーも登場、さらに前刑務所経営者役のヴィング・レイムスやら中国人レーサー役のロビン・ショウやら前作からのお馴染みのキャラも総出演、もう確固たる「デス・レース・ワールド」を形作ってるんですよ。
そして今回の『3』はレースの舞台がターミナル・アイランド刑務所から南アフリカの砂漠地帯へと移ります。刑務所の経営者が変わって「もっとド派手なレースを!」とぶち上げたのがそもそもの始まりなんですな。そしてこの、1,2作からロケーションを変更して灼熱の砂漠で地獄の耐久レース、というのが大正解!
まず刑務所の新経営者や女刑務所長が実にいい具合に憎たらしくて、この辺も『デス・レース』の定番通り。まあ最後はギタギタにされるのも予想はつくけどね!南アフリカに着いてからいきなり始まる生死を賭けたキャットファイトで掴みはOK、そしてここからは「マッドマックス2」もかくやと思わせるヒャッハーマシンが登場し、銃弾ミサイル爆発爆炎乱れ飛ぶバイオレンス・レースが開始され、ルール無用の潰しあい殺し合いの果てに次々と死体と化すレーサーたち、まあお決まりといっちゃあお決まりなんですが、DVDスルー作品だなんてむぁったく思えない愉快痛快大量虐殺レース映画に仕上がってるじゃないですか!楽しいよ脳汁出まくりだよぉ!ラストも皮肉が効いていて、こりゃまた4作目が出来るのか?と思わせてくれますな。一部でしか話題になってないかもしれませんが、ピリッと辛いいいシリーズだなこりゃ!

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