■バーニング・オーシャン (監督:ピーター・バーグ 2016年アメリカ映画)
どひゃああ!地獄じゃ!地獄じゃ!映画『バーニング・オーシャン』は海に浮かぶ地獄を描いたパニック映画なんじゃあ!地獄と言ってもホラーじゃない!2010年メキシコ湾沖で実際に起こった海底油田爆破事故を映画化したものなんじゃあ!
そこはメキシコ湾沖約80キロの洋上に位置する石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」。この施設、海に浮かびながら自動で位置を調節し、海底から石油を掘削することができる施設なんだね。ここでは126人もの作業員が従事している。この日、技師のマイク(マーク・ウォールバーグ)と施設主任ジミー(カート・ラッセル)は交代要員として施設へとやってきたが、雇用主であるBP社管理職員ヴィドリン(ジョン・マルコビッチ)は、工期の遅れを取り戻す為テストを省いて強硬に掘削作業を進めようとしていた。そんなヴィドリンの要請をジミーは断固として拒否していたが、しかしジミーのいない間に掘削作業が開始されてしまう。そして悲劇が起こってしまう。海底油田から逆流した天然ガスが引火し、それは次々と施設内を爆破してゆき、ありとあらゆるものを焼き払い、遂に「ディープウォーター・ホライズン」は「海にそびえたつ地獄」と化したのだ。施設内に取り残された126人の運命は!?
それにしても「ディープウォーター・ホライズン」っていう施設名だけでホラー映画ファンはグジャドロ宇宙ホラー映画『イベント・ホライズン』を思い出しちまうよな。石油掘削施設を舞台にした韓国産モンスターパニック映画『第7鉱区』ってのもあったね。それとかレニー・ハーリンのサメパニック映画『ディープ・ブルー』やら、こちらは深海が舞台の『ザ・デプス』やら、なにしろ海は怖いことだらけだよ!そしてこの『バーニング・オーシャン』は、海を舞台にした『タワーリング・インフェルノ』ということが出来るかな。あれも阿漕な経営者のせいで高層ビルが丸ごと「そびえたつ地獄」になっちゃう映画だったからね。カート・ラッセルと大火災ということなら『バックドラフト』という映画もあったね。
最初映画を観る前は、「石油掘削施設の火災事故の映画かー、実話っていうのがなんだか辛気臭そうだし、そもそも舞台としちゃあなんかちっちゃくない?」ぐらいにしか思ってなかったんだよ。だけど映画を観始めてみると、「ディープウォーター・ホライズン」のロケーションがなにからなにまでリアルで、あっという間に引き込まれてしまうんだよ。似たような施設をロケハンしたりもしたんだろうけど、その不愛想な剥き出しの鉄の塊みたいな建造物がドーンと海の上に浮かんでいるだけで、既に禍々しい雰囲気を醸し出しているんだね。ここでグルグル回ったりグオングオン動いたりしている巨大な機械装置を見ているだけで既に背筋がぞわぞわしてくるんだよ。
そしていよいよ大惨事が起こってしまう。もうここからスクリーンに目が釘付けですよ!大爆発!大炎上!大崩壊!なにもかもが破壊され燃え上がり崩れ落ちてゆき、あっちもこっちも地獄地獄地獄!!そんな阿鼻叫喚の地獄絵図の中で逃げ場を求め右往左往する人間たち!いやもうオレこのこの大破壊の光景があまりにも凄まじすぎて、大変、大変不謹慎なこととは思われますけれども、「ウヒャヒャ!ウヒャヒャ!みんなぶっ壊れてゆく!みんな燃え上がってゆく!楽しいのう!楽しいのう!」と半笑いしつつうっとりとスクリーンを眺めておりましたよ(←バカ)!この辺、2015年公開の大地震映画『カリフォルニア・ダウン』を観た時と同じぐらい興奮しまくったなあ!
いや実際には、多数の死傷者が出て、原油流出により環境にも多大の被害を出した大事故ではあるんだけれども、「映画」という「見世物」にした途端に、これがもう圧倒的なまでに壮絶なディザスタームービーとして楽しむことができちゃうんだから罪なもんかもしれない。とか言いつつ楽しかったから全然罪とは思わないけど。映画それ自体も、実話としての重さや経営陣の社会責任ということよりも、「大災害の中に取り残された人間の行動」をクローズアップしていて、登場人物たちに共感しながら、一緒に恐怖を味わいながら、「死にたくない!どうしたら生き延びられるんだ!」と手に汗握ればいいんだと思うんだよ。そしてこのとんでもなくリアルな視覚効果により、この映画は第89回アカデミー賞の「視覚効果賞」と「音響編集賞」にノミネートされたぐらいなんだね。
というわけで、最初全然期待していなかったんだけど、この『バーニング・オーシャン』最高に面白かったなあ!↓に予告編貼っておいたけど、実際はこの100倍ぐらい凄まじいことになってるから!主演のマーク・ウォールバーグもカート・ラッセルも実に男臭くて、これがまた次第に油臭く煙臭く血生臭くなってゆく汚れ具合がまたよくて、対するジョン・マルコビッチの冷淡で卑劣な演技がまたもや憎々しくて、そんな俳優陣を眺めるのもまた楽しかったよ!気になった方は是非観に行くといいよ!
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