東京国立近代美術館で開催中の「MOMATコレクション」を見てきた

日曜日には竹橋の東京国立近代美術館で行われている「所蔵作品展 MOMATコレクション(2024.9.3–12.22)」を見に行ってました。とはいえこの「MOMATコレクション」、特別展とかそういうのではなく、東京国立近代美術館所蔵の作品をテーマ性を打ち出して展示した小企画で、いわば作品替えした常設展みたいなものなんですね。

そのため観覧料は常設展と同じ500円、こんな大変お安い料金で素晴らしいアートの数々を見ることができるのですよ。きょうび500円で2時間余りもたっぷり楽しめるレジャーなんてそうそうないですよ?しかも端から端まで全てハイクオリティなんですよ?だからこの記事を読んだあなたもこの「MOMATコレクション」に行くといいんです。

《展示会概要》「MOMATコレクション」展は、19世紀末から今日に至る日本の近現代美術のながれを海外作品も交えてご紹介する、国内最大規模のコレクション展示です。さまざまなテーマのもと、年5回程度入れ替えながら常時200点ほどを展示しています。金沢に移転した国立工芸館の工芸作品も一部ご紹介しています。

コレクションについて - 東京国立近代美術館

展示は4階から2階まで12の部屋からなるスペースを使い、時代の流れに沿って部屋ごとのテーマによる展示を行っています。見所はなんといっても「シュルレアリスム100年」の展示です。実は今回これが見たくて美術館に来たんですよ。ここではシュルレアリスムアートの大家マックス・エルンストイヴ・タンギージョアン・ミロの作品を見ることができます。

それと併せ1950年代に脚光を浴びた芥川(間所)紗織の生誕100周年企画、「フェミニズムと映像表現」と題された数々のヴィデオ作品、他にも写真や日本画など盛りだくさんで、東京国立近代美術館所蔵作品の奥深さをとことん堪能できるんですね。また来年2月からも「所蔵作品展 MOMATコレクション(2025.2.11–6.15)」が予定されており、これも楽しみです。

美術館もあちこち行きましたが、この東京国立近代美術館はインテリジェンスの高い学究的な匂いがしていいですね。国立西洋美術館が重量級の物量で攻め込みながら同時に懐の深い大衆性を兼ね備え、東京都美術館がツボを巧みに突いたピリッと辛くて小憎らしい展示を展開し、国立新美術館が尖がったスノッブさでイケイケドンドンして見せるのとはまた別の性格を感じます。いずれ劣らぬ最高のアート作品が安価に楽しめる企画展、皆さんも是非足を運ばれてください。

 

ジョアン・ミロ 「絵画誌(おお!あの人やっちゃったのね)」

イヴ・タンギー 「聾者の耳」

マックス・エルンスト 「砂漠の花(砂漠のバラ)」

マックス・エルンスト 「つかの間の静寂」

ハンス・リヒター「色のオーケストレーション」、植木茂「作品」、ジョセフ・アルバ―ス「正方形賛歌:持たれた」

芥川(間所)紗織 「女(B)」

平山郁夫 「高燿る藤原京の大殿」