「廃墟で肝試ししねえ?」「どこ?」「チェルノブイリ!」〜映画『チェルノブイリ・ダイアリーズ』

チェルノブイリ・ダイアリーズ (監督:ブラッド・パーカー 2012年アメリカ映画)


クールでワイルドなロシア観光しようぜ!とあたかも鴨葱の如く死亡フラグを背中に背負ったチャラ臭いアメリカ人旅行客御一行様がチェルノブイリ見学ツアーに一口乗っちゃったばかりに見るもおぞましい目に遭っちゃってさあタイヘン!というホラー映画です。チェルノブイリ見学ツアーといってもウオッカ臭そうなロシア人のおっさんの運転する小汚いバンでチェルノブイリの近所で現在廃墟になっているプリピャチという所を訪れるわけです。そしたら人里離れたその廃墟で車がエンスト起こしてしまい、帰るに帰れなくなって夜になり、その闇にまぎれてあんなものやこんなものが!きゃあぁあぁあ〜〜っ!!というわけなんですな。
というか別にホラーじゃなくても廃墟のど真ん中で立ち往生し、しかもどことも連絡がつかない、さらに場所はあのチェルノブイリのご近所、なーんてなったらそれだけでも十分キャンタマ縮み上がりレベルの怖さでありますよな。でまあ撮影も実際プリピャチの廃墟で行われていて、そのロケーションを眺められるのもこの映画を観る醍醐味の一つであります。自分的にはチェルノブイリ原子力発電所跡地でエイリアンテクノロジーが発見されその遺物探しに殺し合いが巻き起こるというFPSゲームS.T.A.L.K.E.R.』を思い出しちゃいましたな。いやあ面白かったなあ『S.T.A.L.K.E.R.』。クライマックスなんて異常現象が次々と起こるチェルノブイリ原発に侵入し敵の弾幕を掻い潜りながら放射能だだ漏れの石棺まで到達しなけりゃならない、なんていう壮絶なストーリー展開なんですよ。
話は逸れましたがこの『チェルノブイリ・ダイアリーズ』、”チェルノブイリ”というネームバリューはあるにせよ、基本は「面白半分で廃墟に肝試しに行ったら呪われた!」というよくあるオカルト話のパターンを踏襲したものなんですな。いわゆる地味にリアルな都市伝説的オカルトの発展系というわけで、そういった部分ではプロデューサーが『パラノーマル・アクティビティー』の監督の人だっていうのもなんとなくうなずけますな。はったり効かせたグジャドロ展開があまり無いのもこの「地味にリアル」を追求すればこそだったのでありましょう。個人的には銃弾で穴だらけのバスが無意味に怖かったです。
ちなみにこの映画、ブログ【ナマニクさんの暇潰し】の「チェルノブイリ・ダイアリーズ (Chernobyl Diaries) | 真っ黒映画。」で知り、観たいと思うておりましたがこういう映画なので日本未公開・日本語翻訳無し輸入版で観ました。ナマニクさんのブログも是非ご覧になってください。

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