■モンスターVSエイリアン (監督:ボブ・レターマン、コンラッド・ヴァーノン 2009年アメリカ映画)
■VSなんだッ!
『フレディVSジェイソン』、『エイリアンVSプレデター』、『ストリッパーVSゾンビ』、『サンダ対ガイラ』、『片腕ドラゴン対空飛ぶギロチン』、『マジンガーZ対暗黒大将軍』など、映画の世界には歴史に残る名試合が数々残されているが、新たにそこに名前を連ねようと登場したのがこの映画、『モンスターVSエイリアン』である。巨大女、ゴキブリ男、半魚人、スライム生物、芋虫大怪獣ら恐怖…というよりおちゃらけモンスターと相対するは、宇宙の彼方からUFOに乗って地球を侵略しにやってきたイカ型(?)エイリアンとそのしもべ、巨大ロボット兵器。さて、おちゃらけモンスター軍団は地球を守ることが出来るのか!?というかそもそもこいつら大丈夫なのか!?人類の命運を賭けた戦いが今始まるッ!?…というCGアニメ映画である。
■立体が好きなんだッ!
さてこの『モンスターVSエイリアン』、オレは3D上映版を見てきた。3D。ステレオである。立体である。飛び出すんである。"呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン"の「ハクション大魔王」の昔から飛び出すものの大好きなオレは、幼少時は「飛び出す絵本」で情操教育を受け、ステレオシールや赤青メガネの立体画像で心ときめかせ、レーザーホログラフィを初めて見た時はオシッコちびらせそうになり、立体視絵本は一度眺め始めると1時間も2時間も心が夢の世界に漂ってしまい(すいませんちょっと誇張あります)、「やっぱ3次元だろ!」という確信はその後フィギュア集めにまで及んだ大の立体好きなのである。
そんなオレなのだが映画の3D、というのはこれまでちらほらと上映されてきていたのに、観る機会が全然無かったのである。というか3D映画を観るのは大昔子供の頃、赤青メガネで観た『飛び出す冒険映画 赤影』(1969年)以来だったかもしれない。この『飛び出す冒険映画 赤影』、TV特撮ドラマ『仮面の忍者赤影』(1967〜1968年)の映画版なのだが、映画の殆どのシーンは普通の2Dで、立体パートになると赤影が出てきて「立体メガネをかけよう!」とか呼びかけ、そこで映画を観ている客席のちびっ子たちはそそくさと赤青メガネをかけて、立体パートを観ることになるというせわしない造りになっていたのだ。立体パートは楽しかったけれど、全篇立体だと思って観に行ったオレはちょっと欲求不満気味であった。
■お値段は高いんだッ!
さて世は変わり、『モンスターVSエイリアン』を観ることでこのオレもやっと赤青メガネではない今風なデジタル3D映画を楽しむ事が出来るようになったというわけである。しかし…映画のチケット・カウンターで『モンスターVSエイリアン』の前売り券を出し「3Dだ3Dだオレに3Dを見せやがれ」と勇んでカウンターの兄ちゃんに申し上げたところ、「3D上映は料金2000円ですので1300円の前売り券との差額で700円を頂くことになりますが」とおっしゃるではないか。にゅあにぃいぃ?3Dは特別料金なのぉ?まあ調べていけば分かったことだろうし、3Dが観られるんなら仕方あんめえ、ということで差額払って入場券をもぎ取ってきたオレであるが、なんでそんな高くなるの?と少々疑問だったことも確かだ。
で、後から調べたらテクノロジーの粋を集めたデジタル3Dは上映に結構手間隙が掛かっているのらしい。
デジタル3Dでは、フィルム映写機では無くデジタルプロジェクターを用いて左目・右目のデータを1フレームにつき各3回(合計6回)を投影します。通常、映画は1秒間24フレームですが、デジタル3Dでは1秒間になんと合計144フレームでスクリーンに投影されます。(中略)デジタル3Dを上映する劇場は、劇場内のスクリーンを従来のホワイトスクリーンからデジタル3D専用のシルバースクリーンに張り替え、プロジェクターには専用レンズ(Z-Screenレンズ)を設置します。
http://www.warnermycal.com/3d/pc/
…ということらしいのだが、こうなると映画を鑑賞しに行く、では無く、遊園地のアトラクションを楽しむ、ぐらいの気持ちでいたほうが値段的に納得できるかもしれない。
■それは飛び出していたッ!
そういうわけで『モンスターVSエイリアン』、飛び出してました。飛び出しまくってました!最初なんか「おおお!」「うええ!」「ぐははは!」と座席で呻きまくりのオレでした!そーゆー所はホントに楽しかった!まあ立体メガネは重いしデカイし頭にうまくはまんなくて肩凝っちゃうし若干スモーク気味なのでスクリーンはなんだか暗いしで、いいことばかりでもないんだけれども、それもこれも立体の為なら我慢できましたよ!結局映画の間中ずぅーーーっとメガネのつるを両手で押さえて観てましたけど!
ただし内容はえーっと、かなーり大味です!主役モンスターキャラの60年代70年代B級SF映画へのオマージュから始まって、『博士の異常な愛情』、『未知との遭遇』、『スター・ウォーズ』、『インデペンデンス・デイ』、『Xファイル』など有名作品も堂々とかっぱらい、その他にも細かいくすぐりはいろいろあるんだけど、3Dの3D振りを確認するのに忙しくてあんまり頭に入んなかった!でもそれはそれでいいのかも!だって3Dありきだったからね!…って3Dじゃない劇場で観た方はどうなのかは分かりませんが…。