スティーブン・キング短編シリーズ 8つの悪夢 (PART.3)

スティーブン・キング短編シリーズ 8つの悪夢(ナイトメアズ)コレクターズ・ボックス(3枚組) [DVD]

スティーブン・キング短編シリーズ 8つの悪夢(ナイトメアズ)コレクターズ・ボックス(3枚組) [DVD]

スティーブン・キング短編シリーズ 8つの悪夢 》DVD紹介、この3回目が最後となります。Disc3に収められているのは次の2作品。

《第7話》解剖室4 (原作:第四解剖室)

ゴルフ場で倒れた男は心臓麻痺による死亡と診断され、解剖室に回された。しかし、男はまだ生きており意識があったのだ。刻々と迫る解剖時間に声無き恐怖の叫びを上げる男。彼はこのまま解剖されてしまうのか?…身動き一つ出来ないまま衣服を剥ぎ取られ、執刀官の会話や動作一つ一つにビクビクと慄き心の中で悪態をつく男の様が実にコミカル。メスが入りそうで入らない、ぎりぎりのところの焦らし方の可笑しい物語です。挙句の果てに執刀官同士が解剖そっちのけで愛を語り始めるというドタバタぶり。観ていて最初は「男は本当に死んでいて、男の霊魂がそれを納得できずわあわあ騒いでいるという物語なのかな?」と思っていたのですが、話が進んでみると蛇に噛まれてその毒で仮死状態という説明が。呼吸していなかったら酸素不足で脳細胞死ぬから蘇生しても痴呆状態になっちゃうよなあ、なんて突っ込みたいところをぐっと押さえさえすれば、最後まで割りと面白く観る事のできる作品なんではないでしょうか。
【原作収録作】

第四解剖室 (新潮文庫)

第四解剖室 (新潮文庫)



《第8話》ロックンロール・ヘブン (原作:いかしたバンドのいる街で)

車で旅行中の夫婦は道に迷って見知らぬ町に迷い込む。その町の名は“ロックンロール・ヘブン”。そして町の中には既に死んでしまっているはずの数々のロック・スター達が闊歩していた。…もうこの世にいないはずのロック・スター達に会えるというのならそれはそれでファンタジックな物語になりそうなんですが、キングはここでも無理矢理ホラー風味に物語を捻じ伏せます。甦ったロックスター達はどことなく邪悪な雰囲気をまとい、そして一度入ったこの町からは二度と出られない!そして夜には強制的にかつてのロック・スター達のコンサートを聴かなくちゃならないんだ!ということで恐怖を盛り上げようとしてますが、いいじゃん、そんな町ならずっといてみたいじゃない?いったいこれのどこが怖いのか?なんて思えちゃいますね。甦ったロック・スター達の面子はというとジャニス・ジョプリンロイ・オービソンジミ・ヘンドリクス、そしてエルビス・プレスリー、その他その他!登場はしないけど「コンサートにはジム・モリソンとジョン・ボーナムの出演もあります」なんてアナウンスもあったぞ!オレそれ是非観たいんだけど!でも現れた面子は”甦ったロック・スター”というより単なるそっくりさんにしか見えない!つまり実はこのお話は「アメリカのどことも知れぬ田舎にロック・スターのそっくりさんたちが夜毎モノマネショーを開く変な町があった!」というお話なのか!?いいのかそれで!?まあホラーというよりもキング流のおふざけ作品と見たほうがいいでしょう。なんか変な話、と思っておけばなかなか楽しめる作品です!
【原作収録作】