2019-01-01から1年間の記事一覧

冷え冷えとした無機的なディストピア感/映画『アップグレード』

■アップグレード (監督:リー・ワネル 2018年アメリカ映画) そう、その映画は最初ノーチェックであった。しかしツイッターで評判を知り、そして予告編動画を観て、なんだか映画に行きたくなったのである。ただしタイトルを忘れてしまい、なかなか思い出せ…

ラテンアメリカ文学アンソロジーを4冊(+1冊)読んだ

思うところあって「ラテンアメリカ文学短編アンソロジー」ばかり集中して読んでいた。思うところ、というか実はただ単に積読が溜まりまくってしまいここは一気呵成に読まにゃ消化できんな、という事情があっただけなのである。 読んだアンソロジーのタイトル…

嵐の日に外なんか出ちゃダメ!/映画『クロール 凶暴領域』

■クロール 凶暴領域 (監督:アレクサンドル・アジャ 2019年アメリカ映画) 進化の過程でどれだけ知能を発達させ文明を築き上げ地球全土の覇者として我が世の春を謳歌する人類であろうとも、いざ自然界に放り出されたら食物連鎖の結構な下、狂暴な肉食獣の前…

それは巨大台風だった

いやーこないだ来た台風は物凄かったですね。皆さんご無事だったでしょうか。なんでも百年に一度とか千年に一度とか人類始まって以来とか宇宙開闢以来とかいろんなことが言われてましたが、なんにしろ「あれこれとんでもなかった」ことだけは確かだったでし…

餃子60個大作戦

「今夜は餃子にしようぜ」とオレの相方は言ったのである。おお餃子。挽肉やらキャベツやらの餡がみっしり詰まったもちもちの皮をパリッとカラッと香ばしく焼き上げ、それを酢と醤油とラー油が絶妙のバランスで配合されたタレでこれでもか!これでもか!と食…

プリンスのBlu-rayセット 『Sign "O" The Times: Limited Deluxe Edition』

■Prince - Sign "O" The Times: Limited Deluxe Edition プリンスの最高傑作は何か?というとこれはもう間違いなく『パープル・レイン』と『サイン・オブ・タイムズ』のどちらかだろう。プリンスというキャラクターを究極まで推し進めたのが『パープル・レイ…

社会病理としてのジョーカー/映画『ジョーカー』

■ジョーカー (監督:トッド・フィリップス 2019年アメリカ映画) 「ジョーカー」といえばDCコミック「バットマン」における最狂最悪のヴィランにして知られ、アメコミ世界それ自体においても悪のカリスマとしての魅力を燦然と輝き渡らせている存在だろう。そ…

アマゾン謹製タブレット買った

■Fire HD 8 タブレット (8インチHDディスプレイ) 16GB - Alexa搭載 そもそも「タブレット」というものにまるで興味がなかったのだが、今回アマゾン社製の「Fire HD 8 タブレット (8インチHDディスプレイ) 16GB - Alexa搭載」とかいうのを購入したのである。…

舌の根も乾かぬうちにジェネシスミニ買ったッ!?

「メガドライブミニ買ったッ!」という舌の根の乾かないうちに「ジェネシスミニ」を買ってしまったオレなんだ!ジェネシスミニ。それはセガのゲーム機メガドライブを海外展開する際に「ジェネシス」と名称を変え販売(1989年~)されたもののミニサイズ版な…

リブート版『ヘルボーイ』はオレにはあれこれ不満だった

■ヘルボーイ (監督:ニール・マーシャル 2019年アメリカ映画) 地獄の王子が人間世界で育ち、人類の味方となって悪鬼どもを成敗する、というオカルト・アクション作品『ヘルボーイ』。原作はマイク・ミニョーラによって描かれたアメリカン・コミックだが、…

それはアナログだった

キッチンタイマーを買おうかと思ったのである。麺を茹でたりグリル時間を設定するのにタイマーは必須なのだ。きょうびのコンロはタイマー付きのものもあるが残念ながらそういうコンロを持っていない。じゃあ今までどうしていたかというとスマホのタイマーを…

メガドライブミニ買った

「メガドライブミニ」買ったぜ!「メガドライブミニ」てのは1988年に発売されたメガドライブっちゅうゲーム機のミニサイズ版なんだぜ!しかしただ小さくなっただけじゃないんだぜ!昔メガドライブで発売されていたゲームが42本も入ってるんだぜ!まあいわゆ…

最近読んだコミックなどなど

■ゴールデンカムイ(19)/野田サトル ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックス) 作者: 野田サトル 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/09/19 メディア: コミック この商品を含むブログを見る ついこの間1巻から18巻まで購入し一気読みした『ゴール…

『王宮の夜鬼』は韓国時代アクションゾンビ映画だったッ!?

■王宮の夜鬼 (監督:キム・ソンフン 2018年韓国映画) 朝鮮王朝時代を舞台に、国家転覆を狙う宮廷内の陰謀と突如発生したゾンビを巡る大パニックを描いた韓国映画『王宮の夜鬼』です。主演はヒョンビンとチャン・ドンゴン、監督は『マイ・リトル・ヒーロー…

人類滅亡5000万年後、2億年後、そして恐竜が進化し続けた世界。

この間Twitterで『アフターマン』のことを呟いていた方がいて、「うおお~~懐かしい!」と盛り上がってしまい、関連書籍と併せて古本を逆上気味に購入してしまった。 アフターマン――人類滅亡後の地球を支配する動物世界 作者: ドゥーガル・ディクソン 出版…

ボウイのユニークなライヴ・アルバム『Vh1 Storytellers』

デヴィッド・ボウイの『Vh1 Storytellers』は1CD+1DVDのライヴ・アルバムだ。2009年リリースというから知っている方はとっくに知っていると思うのだが、オレはつい最近知って慌てて購入してみた。そして聴いて&観てみると、これが結構ユニークなライヴ・ア…

コミック『ゴールデン・カムイ』を(今頃)1巻目から読み狂っていた!!

■ゴールデン・カムイ(1)~(18)/野田サトル 「コミックス第18巻までの累計発行部数は1000万部を突破!」という超大ヒットコミック『ゴールデン・カムイ』、つい最近1巻から最新18巻までを大人買いし、一気に読み終えました! いや~、おんもしろかったあああ…

オヤジの休日

この3連休は特にどこに出掛けるということも無くのんびりまったり過ごしていた。 休みの日は先ず何しろ家事を片付ける。家事とか言ってるが要するに洗濯やら簡単な掃除やらだ。台所に使用済みの食器があれば当然全て洗う。冷蔵庫の中身を見て買い出しをした…

……の続き。

unsplash-logo Maksym Kaharlytskyi ……というわけで続きである。なんの続きかと言うと一昨日更新した「タイフーンバースデー!」の続きだ。あれほど益体もない垂れ流し文章の後にまだ続きがあるのか、とあなたは呆れているかもしれないが、実は書いているこ…

タイフーンバースデー!

unsplash-logo Joyce Adams 9月9日月曜日はオレの誕生日であった。しかしそれ以上に関東に台風直撃の日であった。前日の夜半から雨が降り始めそれは次第に激しくなりやがて暴風を伴ってあれやこれやに甚大な被害を出したのである。「持っていかれた……」とオ…

『犬の力』3部作堂々の完結編、『ザ・ボーダー』

■ザ・ボーダー(上)(下)/ドン・ウィンズロウ グアテマラの殺戮から1年。メキシコの麻薬王アダン・バレーラの死は、麻薬戦争の終結をもたらすどころか、新たな混沌と破壊を解き放っただけだった。後継者を指名する遺言が火種となり、カルテルの玉座をかけた血…

インドのお受験狂想曲/映画『ヒンディー・ミディアム』

■ヒンディー・ミディアム(監督:サーケート・チョウドゥリー 2017年インド映画) (※この記事は2017年11月17日に更新された「インドのお受験狂想曲~『Hindi Medium』」を作品の日本公開に合わせ一部内容を変更してお送りするものです) 娘を有名校に入学さ…

ミッシェル・オスロ監督のアニメーション作品『ディリリとパリの時間旅行』を観た

■ディリリとパリの時間旅行 (監督:ミッシェル・オスロ 2018年フランス・ドイツ・ベルギー映画) アニメ作品『ディリリとパリの時間旅行』は19世紀末のパリを舞台にした少年少女の冒険譚である。ちなみに日本版タイトルには「時間旅行」とあるが、これは「1…

炸裂するタラのハリウッド愛/映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

■ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (監督:クエンティン・タランティーノ 2019年アメリカ映画) オレはクエンティン・タランティーノ監督作品が相当に好きで、家のTV収納棚の一番目立つ所にタランティーノ作品のDVD・ブルーレイ全作品を並べた…

パゾリーニの『アポロンの地獄』を観た

■アポロンの地獄 (監督:ピエロ・パオロ・パゾリーニ 1967年イタリア・モロッコ映画) 「パゾリーニってなんだか怖い映画監督だから、映画に興味持ったり近づいたりしない方がいいな」と思ったのは随分昔、中学生頃の事である。当時から映画好きだったオレ…

椎名誠『おなかがすいたハラペコだ。』と『おなかがすいたハラペコだ。②―おかわりもういっぱい』を読んだ

■おなかがすいたハラペコだ。/椎名誠 ■おなかがすいたハラペコだ。②―おかわりもういっぱい/椎名誠 例によって取っ付きにくいハードカバー小説を読み疲労してしまったので、口直しという事で軽めの読み物を読むことにした。オレにとって軽めの読み物と言っ…

心の鎧/映画『ロケットマン』

■ロケットマン (監督:デクスター・フレッチャー 2019年イギリス・アメリカ映画) イギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンについては格別な思い入れがる。それはオレが一番最初に体験し熱狂したロックンロール・ミュージックが彼の曲だった…

フェリーニの『サテリコン』を観た

■サテリコン (監督:フェデリコ・フェリーニ 1969年イタリア・フランス映画) イタリア生まれの世界的な映画監督、フェデリコ・フェリーニには特に思い入れがあったりするわけではない。まず代表作である『道』を観ていない。同じく代表作である『甘い生活…

ウラジーミル・ソローキンの『テルリア』を読んだ

■テルリア/ウラジーミル・ソローキン 21世紀中葉、世界は分裂し、“新しい中世”が到来する。怪物ソローキンによる予言的書物。“タリバン”襲来後、世界の大国は消滅し、数十もの小国に分裂する。そこに現れたのは、巨人や小人、獣の頭を持つ人間が生活する新…

21人vs1万人の戦い/映画『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』

KESARI/ケサリ 21人の勇者たち (監督:アヌラーク・シン 2019年インド映画) 19世紀末、当時の英領インドとアフガニスタンの国境にあったサラガリ砦は通信中継地点として21人のインド人シク教徒が駐留しているのみの小さな砦だった。しかし、列強支配を快…