コミック『ゴールデン・カムイ』を(今頃)1巻目から読み狂っていた!!

■ゴールデン・カムイ(1)~(18)/野田サトル

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

「コミックス第18巻までの累計発行部数は1000万部を突破!」という超大ヒットコミック『ゴールデン・カムイ』、つい最近1巻から最新18巻までを大人買いし、一気に読み終えました!

いや~、おんもしろかったああああ~~~~ッ!!!!

物語は「明治時代末期の北海道・樺太を舞台にした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画」ってことなんですがね。主人公は日露戦争を生き抜いた不死身の元陸軍兵の杉元佐一、そしてアイヌ少女アシㇼパ。2人は網走刑務所を脱走した極悪犯たちに刺青された「大量の金塊の在り処」を示す暗号を追っています。しかし「陸軍第七師団歩兵第27聯隊」と、戊辰戦争で死んだはずの土方歳三の一派もまたその金塊の行方を追っており、こうして血で血を洗う三つ巴の追撃戦の幕が切って落とされるのです!

コミックの帯にもありましたが、北海道の荒野を巨額の金塊を巡り、無法者たちが仁義なき戦いを繰り広げる様はまさに「和風闇鍋ウエスタン」!西部開拓時代の無法に塗れたアメリカの荒野と、血に染まる開拓時代の北海道の原野がイコールで結ばれることの面白さ!

最初はこういった金塊を巡るアクションである、という粗筋こそ知っていましたが、読み進めてみると明治末期の歴史描写や、少女アシㇼパを通して描かれるアイヌ民族の文化習俗の豊かさがさらに物語世界の幅を広げてゆくんですね。出て来る悪役はみんな狂ったような人間ばかりだし、北海道に生息する動物たちの描写も丹念で、とりわけ熊の恐ろしさは「野生の王国だあああ!」と思わず叫んでしまいました!さらに描写はどんどん脱線してゆき、アイヌジビエ料理がこれでもかこれでもかと描かれるグルメ漫画になっちゃったり、さらには単行本の半分ぐらいがギャグで展開してみたり、挙句の果てにBLな描写をてんこもりに描いてくれたり、サービス精神が旺盛過ぎて「この作者天才すぎだろ!?」と舌を巻くこと請け合いです!

しかしこれだけ脱線やらギャグやらを描きながらも、18巻現在でもきちんと「金塊の行方」はその終局に向かいつつあり、驚くほどきちんとした構想と構成を持って描かれている作品なんだということがわかります。最初は北海道中心だったのが、今度は樺太までに舞台は移り、さらにロシアのキナ臭い史実が絡み、そのスケールの大きさは留まるところをしりません!

そしてなにより、アシㇼパちゃんカワイイ!さらにこの漫画を読んでるとアイヌ語で「チタタチタタ」「オソマ美味しい」って言ってみたくなること請け合い!近いうちに19巻目も出るんですが楽しみでしかたありません!まだ読まれていない方、最高にお勧めの1作です!アニメ化もされてるよッ!