映画『Gunday』はならず者同士の笑っちゃうほど熱血過ぎる友情ドラマだった!

■Gunday (監督:アリー・アッバース・ザファル 2014年インド映画)


熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜ!!ボリウッド・ムービー『Gunday』は死ぬほど熱い男の友情を描いた映画なんだぜ!!あんまり熱くてホントに死にかけてるぐらいだぜ!!舞台はちょっと昔のインドのカルカッタ!ここに燃えるように熱い友情で結ばれた二人の男がいたんだぜ!ちなみにカルカッタは今はコルカタと呼ばれているんだぜ!これ豆知識な!(…あれ、知らなかったのオレだけ!?)

熱い二人の男の名はビクラム(ランヴィール・シン)とバーラー(アルジュン・カプール)!やつらはカルカッタを牛耳るギャングのカシラ!ナンコツやガツじゃないんだぜ!?でもギャングだけれど弱きを助け強きをくじく男前!そんな二人が一人の女に惚れちゃったからさあ大変!彼女の名はナンディター(プリヤンカー・チョープラー)、キャバレーダンサーの超絶美人!ウキウキワクワクの二人だったがそこに大変な事件が起こり、バーラーは町を去らねばならなくなった!「俺が町に戻るまで、ナンディターのことはオアズケだからな!」「当たり前さ相棒!」カ、カテェ…まるで溶岩石のように凝り固まった二人の友情!!しかしお色気ムンムンのナンディターに、残されたビクラムは辛抱できるのか!?

えー、『Gunday』でございます。熱い友情のドラマだけに文章もちょっと熱くしてみましたが、段々暑苦しくなってきたのでこのぐらいにしておきます。そしてこの『Gunday』、友情だけが熱いドラマじゃないんです。これに彼らを追いまわす地元警察とのド派手なアクションがドッカンドッカン入り、さらに二人を演じるランヴィール・シンもアルジュン・カプールも顏濃いし髭濃いしムッキムキのマッチョ!その暑苦しさはもはやエンドレス、あたかもサウナ風呂に上映時間2時間半分入れられちゃうような、とんでもない熱気に溢れかえった映画なわけなんですよ。もう「観るダイエット、その名は『Gunday』!」なんてキャッチフレーズのひとつも付けたくなる程でありますな!

でもこの二人の固い友情には訳があって、それは幼い頃戦災孤児だった二人が、酷い仕打ちに耐えながら歯を食いしばり助け合って生き残ってきたから、という泣かせる理由があるんですな。だから二人は血よりも濃い信頼と友情で結ばれている、というわけなんですよ。そんな二人が一人の女性に恋をし、「友情と恋、どっちを取る!?」となるのが前半なんですが、そもそも髭モジャマッチョでしかもギャングのくせになに可愛らしいこと言ってんだよこいつら!?という純な部分が可笑しいんですよ。だいたい恋してる気持ちを表さんがために胸元いっぱいにでっかいハートマークがプリントされたシャツ着てキャッキャしてるんですよこの二人!いったいどこで売ってんだよそれ!

この二人は分かり易く性格分けされておりまして、バーラーは瞬間湯沸かし器と言ってもいいほどカッカしやすく喧嘩っ早い、自尊心が高くとても真っ直ぐで自分に正直、理屈より行動、どっちにしろ単純でガサツ。その点ビクラムはもう少し周囲が見えている、もう少し考えて行動する、機転が利く、バーラーよりはクレバーで物腰は柔らかい。こういった部分でビクラムはバーラーの尻拭いばかりしているようにも見えますが、実はバーラーの行動力に引っ張ってもらっている部分がある。だから二人は二人三脚で今まで生き残ってこれたんですね。どちらにしろ、大きい図体に熱すぎる魂と純すぎるハートを持っている、という部分で二人は共通しているんです。

こんな二人が、いざ戦いが始まると、戦車のごとくに次から次へと敵を倒してゆくんですね。そういった、「友情!愛!戦い!」みたいな部分に、なんだか往年の少年コミックを読んでいるような痛快な楽しさがあるんですよ。その分お話が力任せで若干大雑把な雰囲気が無きにしも非ずではありますが、男同士が手に手を取り合い血沸き肉躍る大活劇を見せつけてくれるこの物語、観ていて大いに盛り上がりますよ!