裏切りのレースの幕が切って落とされた!〜映画『Race 2』

■Race 2 (監督:アッバース&ムスタン 2013年インド映画)


昨年インドでスマッシュ・ヒットした映画『レース2(Race 2)』であります。「おおレース2っていうぐらいだから『キャノンボール』みたいなレースの映画なのかなーでもポスター写真観ると悪そうな人がいっぱい写ってるから『ワイルド・スピード』みたいな映画なのかもしれないなーまあ間違っても『デス・レース』みたいなヒャッハー系じゃないだろうしどう見たって『カーズ』みたいなCGアニメでもないはずだよなー」とかなんとかあれこれ考えてたんですよね。
でもオレ車って全然興味ないからレース映画って言われてもあんまり観る気しないんだよな、とパスしようとおもいつつ配役を見るとあの!インド一の美女にしてオレの女神、ディーピカー・パードゥコーン様が出演されているではないですか!うおお好きだ好きだディーピカー様!オレが世界で一番愛しているのはもちろんオレの相方さんに決まっておりますが2番目はやっぱりディーピカー様ですよ!「こりゃ観なきゃだわ!」とばかりに盛り上がるオレ!「ちょっと待て…レースでディーピカー様…これはひょっとしてディーピカー様が危険なほどに露出度の過激なパッツンパッツンのレースクィーン衣装を身に付けてあの豊満なオチチやオケツを悩ましくクネクネさせながらインド映画的上映時間3時間をフルに使って画面を行ったり来たりするだけの極楽のような映画なのではないか…ッ!?」と妄想だけが勝手に膨らんでゆくんですね。
うおおおこれは玉砕覚悟じゃあ!トラトラトラじゃああ!ニイタカヤマノボレじゃあ!と止まらない鼻血を止めるために鼻の穴にティッシュ10枚ぐらい詰めながらインド映画DVD販売店のオンラインショップでマウスも壊れよとばかりに「購入」ボタンをクリクリクリクリしたわけですよ。あんまりクリクリし過ぎたばかりに購入枚数が30枚ぐらいになって慌てて1枚に訂正しましたが。まあそれぐらい興奮してたというわけですよ。というわけでDVD観始めたんですけど、『レース2』ってタイトルでしたが車のレースと関係無いお話で、じゃあなんのレースかというと「あたかもレースのように競って大金を騙し取り合う悪人ども」の映画だったんですね。
「2」というナンバリングが付けられているようにこの映画は『Race』の続編となるようなんですが、1作目のほうは観ていません。映画は主人公ランヴィール・シン(サイフ・アリー・カーン)の嫁が車ごと爆殺されるシーンから始まります。シンは嫁の復讐を誓い、真犯人に近づいてゆく…というのが粗筋です。ただしこのシンさん、どうももとから真っ当な人ではないようです。調べると前作で悪どいことして金を儲けていて、多分それで恨みを買ったか、あんまり目立ち過ぎていたんで制裁を加えられたかしたのでしょう。シンさんの真犯人に近づく方法もあれこれ悪どいやり方です。相手に現金財宝強奪の巨額の儲けをちらつかせて信用させ、最後に裏切る。これの繰り返しです。そして真犯人として実業家のアルマーン・カーン(ジョン・エイブラハム)が浮上しますが、こいつも一筋縄の男ではない。カーンもまた、シンさんを信用させ、そして騙そうと企みます。かくして騙し騙されの裏切りのレースが始まる、という訳です。
この物語で登場する現金財宝の強奪方法や騙しのテクニック、さらには危機脱出方法は、ちょっと荒唐無稽すぎです。いいとこTVアニメの『ルパン3世』並の無理矢理感といったほうがいいかもしれません。とはいえそのハッタリのかまし方がまた面白かったりもします。それよりもロケーションで使われているトルコの風光明媚な観光地ぶり、さらに悪党どもが根城にするホテルやカジノの成金趣味な豪華さは、観ていて楽しいです。そしてなにより、悪党を演じるシンさんの、ギラギラしたいい男っぷりが愉快ですね。オレは途中からシンさんが松方弘樹さんに見えてしょうがなかったです。似ているわけではないんですが、なんだかそういう男臭さなんですよ。ただし期待していたディーピカー様はあんまり活躍してちょっと残念だったかな!?
http://www.youtube.com/watch?v=9CwQ9PClSWk:movie:W620