■936 / Peaking Lights
このPeaking Lights、ジャンルとしてはインディー・ロックになるのでしょうが、兎に角面白い。
サイケデリックでダブでポップ、そして音の感触はどこまでもローファイ、ふわふわぼわぼわと鳴り渡る音に人を食ったような声のボーカルが絡みます。チープにも聴こえるその音はドラッギーな夢の中にうっとりと浮かんでいるかのような奇妙な酩酊感・幸福感に満ちているんです。これ、80年代のニュー・ウェーブ・ムーブメントを席巻したラフ・トレード・レーベルでよくリリースされていたような音なんだよなあ。とても変な音なんですがなんだかとてもお気に入りです。
《試聴》
■With U-EP / Holy Other
新人アーチストHoly Otherの5曲入りデビューEPは深いリ
バーブの掛かったメランコリックで暗く美しいメロディが耳に残ります。なんかこう、音の響きが幽玄なんですよね。なんでもウィッチハウスとかTrip Step/Dub Hopとかいうジャンルらしいのですが、この耽美的な音像からはかつて
4ADで活躍していた
ニューウェーブ・アーチスト、
コクトー・ツインズあたりをちょっと思い出してしまいました。
《試聴》
「
Ecm」というのはドイツ/
ミュンヘンの老舗ジャズ・現代音楽レーベルなんだそうです。この「
Ecm」の設立40周年を記念して、レーベルの膨大な音源の中からその幾つかをリミックスしてリリースしたのが今作になります。そしてそのリミキサーとして抜擢されたのが
ミニマル・テクノで一世を風靡した
RICARDO VILLALOBOSとMAX LODERBAUER。すなわちこのアルバムは、ジャズ・現代音楽をテクノ的解釈で再構築したという面白い試みがなされた作品集なんです。このアルバムからはダンス・ミュージックとは別の、静謐さに満ちたテクノ・ミュージックを聴く事が出来ます。
《試聴》
■Gymnastic / DJ Qu
US
アンダーグラウンド・ハウス・プロデューサー、DJ Quの1stアルバム。音数の少ないシンプルかつ黒いグルーブ感、
サイケデリックな音の広がりと技巧的なリズムの配置など、これまでの
ハウス・ミュージックとは一味違うスタンスで作られた素晴らしいオリジナリティに溢れています。噛めば噛むほど味わい深いスルメ味ハウス!
《試聴》
■DJ-Kicks / Motor City Drum Ensemble
DJ-Kicks最新作はMotor City Drum EnsembleによるDJ-Mix。このDJ、ポスト・
デトロイト・ハウス系の実力派アーチストなのだそうです。セレクトされた曲はSun Ra、Rhythm & Sound、Mr. Fingers、
Robert Hood、
Aphex Twinとジャンルレスなもので、しかもかなり耳障りの良い実にスムーズなMixに仕上げられています。
《試聴》