ファミリー向けSFコメディ〜映画『屋根裏のエイリアン』

■屋根裏のエイリアン<未> (監督:ジョシュ・シュルツ 2009年アメリカ映画)

バカンスでやってきた別荘の屋根裏に地球征服を企むちっこいエイリアン集団が襲来、これを打破する為に子供たちが立ち上がる!という日本未公開のSFコメディです。子供向けのお話ではありますが、それなりに予算を掛けているSFXやしっかり練られた物語構成で、大人の鑑賞にも十分堪えられる映画になっています。登場するキャラは人間たちもエイリアンたちもそれぞれ個性的に性格付けされており、そのキャラ同士の絡み合いが物語を楽しく盛り上げているんですね。地球侵略にやってきたエイリアン集団は凶悪ではありますがどこかヌケているところがユーモラスだし、子供たちはそれぞれの特技を生かしてエイリアンたちを撃退しようとします。そしてジュブナイルものの定番といいますか、大人たちはといえば全然つかいものにならないっていうのが可笑しいですね。エイリアンたちは人間を操る装置を持っているのですが、これが子供には通用せず、そのせいで子供たちだけでエイリアン退治に乗り出さねばならなくなっちゃうんですね。この装置により最初にゾンビ化したしたのは子供たちからもともと嫌われていた大学生なんですが、その後その装置を奪った子供たちが「あのいけすかない大学生をこの装置を使って操りまくっちゃおう!」とばかりに馬鹿なことばかりさせて遊ぶシーンがなんだか物凄くサディスティックで、大爆笑させられました。「昇龍拳を放つお婆ちゃん」とかマジ腹抱えたわ。後半はエイリアン集団がこの別荘にやってきた訳を知った子供たちとエイリアンたちとの戦いが激烈となり、思ったよりも派手なSFXを使ったクライマックスを迎えます。こじんまりとまとまってはいますが決して退屈することの無い作品だし、家族揃って観るのが楽しい映画だと思いますよ。