映画『ファンボーイズ』はスター・ウォーズ・オタクがしょーもない活躍をする映画だった!?

ファンボーイズ (監督:カイル・ニューマン 2008年アメリカ映画)


1978年に日本で公開され、後から「エピソード4」と呼ばれることとなるスター・ウォーズ・サーガの輝ける第1作目を劇場で観て以来、夜も昼も明けずテーマミュージックを口付さみ、意味も無くゴーパーゴーパー言い、あたりかまわず「フォースだ!フォースを使え!」などとわめきまわるという頭の悪いSW猿と化したオレは、旧3部作完結後に新たに3部作が作られると聞いて、当然のように狂喜乱舞した。

その新3部作第1作、『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が日本公開された1999年7月10日土曜日、オレは映画が上映される有楽町の日本劇場で初日第1回目を観るべく計画を立てた。しかし時間を調べたら、1回目はなんと早朝6時からだというではないか!さすがはスター・ウォーズ、やることが違う!受けて立ってやるぜ!とオレは始発電車に乗り込み意気揚々と有楽町へと向かった。当時は今のシネコンみたいな全席指定とか無かったから、混みそうな映画はできるだけ早く出かけて並ぶ必要があったのだ。

しかし始発で行ったはずの劇場には、既に長蛇の列が出来ていたのだ!お前ら一体どこから来たんだ(って車だろうけど)!真のスター・ウォーズ・ファンの恐ろしさを垣間見た出来事であった。ちゃんと座れたけどね。スター・ウォーズ・グッズも1万円分買って知人におみやげで配ったよ!わははは!そんな具合に『エピソード1』公開は他のどんなSW作品よりもファンの期待と熱望を持って迎えられたのだ(と思う)。

この映画『ファンボーイズ』は『エピソード1』公開を控える1998年が舞台だ。主人公の面々は重度のSWオタク。今日もパーティーにSWコスプレして出かけては周りから生暖かい目で見られて満足しているボンクラどもだ。そんな彼らに重大な事態が持ち上がる。なんと彼らのSWオタク仲間が末期ガンにかかっており、EP1公開まで命が持たないだろうと診断されたのだ…。そんな友人のためにボンクラどもは立ち上がった!ホワイトハウスよりもペンタゴンよりも警備が厳重なジョージ・ルーカスの本拠地《スカイウォーカーランチ》に忍び込み、EP1のフィルムを奪取するのだ!こうしてボンクラどもの命を掛けた(?)旅が始まった!?…という物語である。

もちろんあちこちにSWパロディがちりばめられ、おまけに宿敵スタートレック・ファンとの血みどろの抗争(?)も盛り込まれ、さらにさらに、レイア姫を演じたキャリー・フィッシャーダース・モール役のレイ・パーク、ランド・カルリジアン役のビリー・ディー・ウィリアムズ、そしてスタートレック陣営からはカーク船長ことウィリアム・シャトナーも本人役で出演だ!ヤンヤヤンヤ!これでついでにジョージ・ルーカスも出演してれば完璧なんだがな!

物語としては無理してシモネタやんなくてもよかったような気がするし、SWギャグもそれほど振るわなかったりはするんだけどね。一番笑えるのはむしろ悪意がこもっているとしか思えないトレッキーの皆様のあまりに痛いオタク描写で、ある意味SWオタクの皆さんが食われちまってるんじゃねーかと思っちまったな!《スカイウォーカーランチ》潜入後もどことなく寂しい演出だったが、この辺は予算の関係だったのかなあ。ただやはり、SWファンにとってはファン仲間の作ったホームムービーを観せられているような居心地の良さもあったのは確かで、こんな馬鹿騒ぎをずっと観ていたいっていうのもあったな!ちなみにファンの間でもイマイチな評判だったEP1だが、オレに言わせりゃあ最高に面白かったぜ!!!

ファンボーイズ 予告編


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