みんな大好き終末戦争後の荒廃した世界を描いたFPSゲームだよ!舞台は2033年のモスクワ、核戦争で地上は放射能に汚染され、僅かに生き残った人々は地下鉄トンネル内に身を隠し細々と生き残っていたんだ!しかしそこもミュータントと化したクリーチャーどもから度重なる襲撃を受け、さらに”ダークワン”なる新たなクリーチャーが人々を脅かし始めてた!主人公アルチョムはこの危機を乗り越えるため地上に出ようとするが、それは危険と死に満ちた旅だった…というお話なんだね。
なにしろ暗い!気が滅入る!ゲームの殆どは灯りの殆ど無い地下鉄の坑道や駅周辺を歩き回り、表に出たら出たでどんより曇った空と焼け焦げた廃墟廃墟廃墟…。そこここには血塗れの死体が転がり、気を抜くとハダカネズミが巨大化したようなバケモノとかヒャッハー!な盗賊やファシストの皆さんと戦闘状態になり、やっと人の住むコミューンに入っても、ひたすら薄暗くて不潔でやつれまくった人たちばかりで…。ああああ気が滅入る!暗いよう!狭いよう!怖いよう!そんな徹底的に鬱展開のゲーム、それが「メトロ2033」なんだね!
このゲーム、開発が4A Gamesというウクライナのデベロッパが担当していて、製作チームにはあの『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの開発メンバーも多数参加しているらしい。『S.T.A.L.K.E.R.』みたいにオープンワールド・ゲームじゃないし、ゲーム・システムはより単純化されているけれど、あの寒々しい空や荒廃した街並みや不潔極まりない住居や小汚い登場人物なんかは『S.T.A.L.K.E.R.』そのものですなあ。それと”アノマリー”なる光の玉がふわふわ飛び交う怪現象がおこったりして、この辺なんかも『S.T.A.L.K.E.R.』っぽいんですよね。ある意味この『メトロ2033』は『S.T.A.L.K.E.R.』の閉所恐怖症バージョンと言えるかもしれませんな。
ゲーム・システムで面白いのは防毒マスクの存在かな。これ、地上に出るときなんかに必要になるんですが、有効時間があってある程度の時間になったらフィルターを取り替えなければならない。フィルター切れると死にます。さらに戦闘中に衝撃が加わりすぎるとマスクのガラスにヒビが入ってきて段々画面が見にくくなってくる!どっかに落ちてるマスク拾えばいいんですがなかなか落ちてなくて、実はずっとヒビの入りまくった画面で戦闘してるよ!あとライトのバッテリーが自家発電式で時々シュコシュコやらなきゃならない!おまけに出てくる武器は手作り感覚溢れるカスタム品だ!変に難易度を上げていると言えば言えるのだが、この全体的にビンボ臭い雰囲気が実はたまらんかったりするゲームですな!
こんな具合にあれこれイイ雰囲気を持っている『メトロ2033』、最近出ているFPSのなかでもひときわ異彩を放っている良ゲーといえますが、ゲームの完成度とは関係なしに、Xbox360専用だと、日本じゃあ1万本も売れないんだろうなあ…。こういうユニークなゲームってもっと売れて欲しいんだがなあ…。ちなみにこのゲーム、実はちゃんと原作があるらしく、この程日本でも翻訳が出るらしいですな。
- 出版社/メーカー: スパイク
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