2007年オレ的シネマベスト10

いよいよ今年も押し迫ってきたのである。言い方を変えるなら”押し迫りまくってきやがった”というふうにも言えよう。”迫る”だけでもただ事ではないというのに、それにさらに”押し”が入ってしまうのである。尋常なことではない。これを我と我が身に置き換えるなら、もとよりセマルのは得意なこのオレ様であるが、それによって目覚しい成果が上がったということを一つも聞いた事が無いというのもまた事実である。寂しさだけが肩に重くのしかかり、寒々とした冬の青空を見上げてふと涙ぐむ年の瀬の午後である。まあそんなしょうもない話しはどうでもいい。
今年も山のように映画を観た。ほぼ週1、時には週2本のペースだっただろう。さらにウィークデイはDVDもダラ観していた。これらの映画を何本観たのかいちいち数えてはいないが、5、60本は観ている勘定だろう。今日はそんな中から、今年観た映画のベスト10を選んでみる事にしよう。それぞれのタイトルはオレが日記でレビューしたページにリンクしています。
という訳で《2007年オレ的シネマベスト10》!行ってみよう!

■《2007年オレ的シネマベスト10》
1位:バイオハザードIII(監督:ラッセル・マルケイ 2007年アメリカ映画)

バカがむせび泣く!堂々の一位は予想通り『バイオハザードIII』!バカ!ホラー!アクション!そして美女!中学生の妄想だってまだましなレベルであろうご都合主義で作られた箸にも棒にもかからない王道商業主義映画!この見終わったあとに見事に心に何も残らないダメさ、下らなさ、しょーもなさが逆にオレ様のハートを鷲掴み!映画なんざこの程度のバカバカしさが丁度いいんだよ!ムツカシイことばっかり言ってるバカはバカのオレがバカにしてやる!

2位:デス・プルーフinグラインドハウス(監督:クエンティン・タランティーノ 2007年アメリカ映画)

バカが踊りだす!いやー、最初観た時は『プラネット・テラー』のほうが上かな、と思ったんですけどね。しかし後からじわじわ来ましたね。メリハリとか緩急なんて言葉がありますが、この映画の緊張と弛緩のコントラストの強さは異常ですね。狂っているし、一般的な映画の話法を意識的にぶっ壊そうとしているようにも見える。そしてあのずっこけて背骨を折りそうなラストに呆然、爆笑、拍手喝采!

3位:プラネット・テラーinグラインドハウス(監督:ロバート・ロドリゲス 2007年アメリカ映画)

バカ魂全開!これもバカホラーアクション!しかし嫌らしい位狙いまくって作ってありますよねー。ロドリゲスの「好きだぁ!好きなんだぁ!俺はバカ映画が大好きなんだぁ〜〜ッ!」という雄叫びさえ聞こえてきそうです。もう何が何でも頭の悪いほう頭の悪いほうへと描きたがるロド兄さんのバカへのこだわりに全オレが泣いた!

4位:スキャナー・ダークリー(監督:リチャード・リンクレイター 2006年アメリカ映画)

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これは真面目に紹介。実際は2006年暮れの公開なので、今年のベストに入れるのもなんなんですが、オレが観たのが今年だったので許してつかあさい。フィリップ・K・ディックの映画化作品で最も原作に忠実に作られた映画なんではないでしょうか。だからこそ最もディック小説の持つ痛みが伝わってくる作品に仕上がっていると思います。

5位:ヒルズ・ハブ・アイズ(監督:アレクサンドル・アジャ 2006年アメリカ映画)

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凶悪バカ!核実験場が舞台!荒野に取り残された家族!ホーシャノーで奇形になったアブナイ人たちが人肉を喰らう、というヤヴァすぎる内容!レッドゾーン限界までキリキリと神経を締め付ける異様なテンション!正統派スラッシャームービーとしては今年一番の出来だったな。

6位:ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習(監督・ラリー・チャールズ 2006年アメリカ映画)

もうバカしか見えない!カザフスタンからやって来たバカ全開のおとぼけリポーターがアメリカ全土を下品のズンドコに叩き落す!下品バンザイ!下品サイコー!Iバックがケツに食い込むMANKINI水着で今日も突撃だ!

7位プレスリーvsミイラ男(監督:ドン・コスカレリ 2002年アメリカ映画)

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バカの哀愁!プレスリーは生きていた!?それはいいとしてなんでミイラと戦わなくちゃならんのじゃい!しかしキワモノ映画だと思って観ていたら面白うてやがて悲しき…。ホラーの体裁を借りながら人生について考えさせる仕上がりになっていました。

8位:ダーウィン・アワード (監督:フィン・タイラー 2006年アメリカ映画)

バカは死ななきゃ治らない!バカで死ぬバカそれを調べるバカ!バカ遺伝子を持つバカのバカさをバカバカしく描いたバカ映画!バカ溜めに鶴のウィノナ・ライダーの好演も光っておりました。

9位インランド・エンパイア(監督:デイヴィッド・リンチ 2006年アメリカ映画)

バカだからよく分かんない!?奇作怪作を撮り続けるデイヴィッド・リンチの新作は例によってさっぱり意味の分からない珍作に仕上がっていた!?いやだからこういう映画をゲージュツとかシュールとか言ってないで「お前アホやろ?」と突っ込んであげたほうが面白く観られるのではないかと。兎のかぶりものはあれは笑う所だ!

10位:俺たちフィギュアスケーター(監督:ウィル・スペック/ジョシュ・ゴードン 2007年アメリカ映画)

よろしくバカ!今年のベスト10に入る映画であるかというよりも、ベスト10に入れることに意義を感じるバカ映画でありました。こういうすっきり爽快なバカアホマヌケ映画がいつでも観られる日本でいて欲しい!

■次点
今回「バカしばり」にしたので落としちゃった作品などを。でもこうして見ると「ま、普通かな」って感じであるのは確か。誰でも推すような大作をベストにしても詰まんないかなあと思いこんなふうにしました。
ヘアスプレー (監督:アダム・シャンクマン 2007年アメリカ映画)
ブラックブック (監督:ポール・ヴァーホーヴェン 2006年オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー映画)
300《スリーハンドレッド》 (監督:ザック・スナイダー 2007年アメリカ映画)
ダイハード4.0 (監督:レン・ワイズマン 2007年アメリカ映画)
アドレナリン (監督:マーク・ネヴェルダイン 、 ブライアン・テイラー  2006年アメリカ・イギリス映画)
トランスフォーマー(監督:マイケル・ベイ 2007年アメリカ映画)
レミーのおいしいレストラン (監督:リチャード・ラグラヴェネーズ 2007年アメリカ映画)
エヴァンゲリヲン新劇場版:序 (監督:庵野秀明 2007年日本映画)
中国の植物学者の娘たち (監督:ダイ・シージエ 2005年カナダ/フランス映画)

■まとめ
という訳でバカとホラーに明け暮れた1年でありました!来年もこの調子でバカ&ホラーで突き進みたいと思います!
VIVA!バカ&ホラー!!