『バーフバリ』のアヌシュカ・シェッティ主演による幽霊屋敷ホラー映画『バーガマティ』!

バーガマティ(Bhaagamathie) (監督:G・アショック 2018年インド映画)

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幽霊屋敷に閉じ込められた女性があんな怖い目やこんな怖い目に遭っちゃう!?というインド/テルグ語のホラー映画です。この映画の最も注目すべき点は今全宇宙で話題沸騰中の映画、『バーフバリ』でデーヴァセーナを演じたアヌシュカ・シェッティが主演しているという事でしょう!バーフバリ!バーフバリ!(違う)

物語の主人公となる女性の名はチャンチャラ(アヌシュカ・シェッティ)。恋人殺しの容疑で服役中の彼女はある事情により古びた屋敷に幽閉されます。かつて彼女は大臣秘書をしていましたが、捜査局がこの大臣を失脚させる情報を彼女から引き出す為、秘密裏に人里離れた場所の古屋敷に閉じ込めたのです。しかしこの屋敷は亡霊が徘徊すると噂されている屋敷でもありました。

とまあそんな訳で、朽ちかけた屋敷の中で主人公チャンチャラや警官たちが夜毎恐ろしい怪異と遭遇し続けます。どうやらこの怪異の元凶となるのは、かつてこの屋敷に暮らしていた王妃バーガマティの呪いだった……というのが今作。

なにしろ「幽霊屋敷」モノですから、蜘蛛の巣だらけで埃だらけで多分黴臭くてどこもかしこも薄暗くて、古い時代を感じさせる内装や調度がひたすら重苦しく威圧的で、かつてここに暮らしていたと思われる人間たちの不気味な肖像画があちこちに飾ってあって、なにしろ古屋敷だから扉も廊下もギーギーギーギーと神経逆なでする音を立てて、そんな場所に夜ともなると多分生暖かいと思われる風が吹き込み屋敷全体をさらに軋ませる、という、文章書いているだけでも鬱陶しくなってくる古屋敷に、さらに得体の知れない黒い影が蠢き主人公らを脅かすという訳なんですよ!

その怖がらせ方はというと「チラ見しかさせない謎の存在!」「耳障りな効果音と鳴り響きまくるコワイ音楽!」そして「突然出現して"ワッ!"と吃驚させる何か!」というまあひたすら単純というか古典的というかある意味芸の無い怖がらせ方であるのも確かで、遊園地のお化け屋敷ならまだしもホラー映画を山ほど観ているようなホラー映画通を満足させるような作品では残念ながらないのも確かなんですね。逆に残虐シーンや肉体破壊は殆ど無いし血の量も控え目なのでホラー映画が苦手な人なら安心して観られるという事もできます。

ちょっと思ったのはこの作品、ラジニカーント主演による『チャンドラムキ〜踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター』(2005)とよく似ているなあ、ということでしょうかね。『チャンドラムキ』はヴィディヤー・バーラン、アクシャイ・クマール主演のヒンディー映画『Bhool Bhulaiyaa』(2007)でリメイクされており、実の所『チャンドラムキ』自体もマラヤラム映画のリメイク作なんですが、幽霊屋敷が舞台で、この屋敷にいわくのある女の亡霊が出て、さらにその女の亡霊が取り付いちゃう、そして精神分析医が出てきて「いやこれは精神病ですよ!」と言い放っちゃう所も一緒だったなあ。

お話自体も尋問の為にわざわざ古屋敷に幽閉するっていうのがどうも不自然に感じて、英語字幕をきちんと追えて無かったこともあって最初は「一体全体何やってるの?」と思えてしまいました。それと、『チャンドラムキ』ややはり同工の幽霊屋敷モノであるタミル語ホラー映画『Pizza』(2012)が、怪異の続く物語に合理的な理由付けをしていたように、この作品でもやはり合理的な理由付けをしていて、この辺のホラーに対するスタンスって意外とインド映画ならではかなあ、とちょっと思いましたね。欧米ホラーってスーパーナチュラルはあくまでスーパーナチュラルで描きますからね。その辺がちょっと面白かったですね。


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