ニュー・オーダーのライブを観に行った

ニュー・オーダーのライブ行ってきた

この間の金曜日はニュー・オーダーの追加公演に行ってきた。最初の公演のチケットがソールドアウトだったので「まあ行かなくてもいいか」程度に思ってたんだが、追加公演と石野卓球のDJ参加があるということで「おおこりゃええのう」とチケットをとったのである。実はこの時、事前に知人と一緒に行く打ち合わせをしていたのだが、知人の買ったチケットが25日公演のものなのに、オレは何を勘違いしたのか27日のチケットをとってしまい、一人寂しく行くことになってしまった。
それにしても、会場の新木場STUDIO COASTってどこやねん、と思ってたのだが、あれってageHaのことだったのかよageHaはよく行ってたのに初めて知ったよ……。

■(その前に)オレとジョイ・ディビジョンとニュー・オーダー

ここでオレのニュー・オーダーに対する思い入れの程度を書いておく。ここから老人のくどい思い出話が始まるので嫌いな方はブラウザ閉じるなり鼻クソほじるなりして読んでほしい。
自慢げに書くがオレはニュー・オーダーをデビューした時以来のファンなのであった。当然それは前身となるバンド、ジョイ・ディビジョンのことを終焉の時に知り(要するにアノ人が死んじゃった、というニュースを読んで興味を持った)聴き込んでいたという経緯があった。当時高校卒業間近のオレは輸入レコード屋でジョイ・ディビジョンのレコードをアルバム・シングル併せて全て購入し(まだお年玉が貰えていた)「ジョイ・ディビジョンにハマるタイプの人がハマるように」かのグループに心酔していた。
最初に聴いたニュー・オーダーの音は12インチの『セレモニー』だったが、「綺麗になったジョイ・ディビジョン」って感じだったな。B面『イン・ア・ロンリー・プレイス』は相変わらずの暗黒路線だったけど。ニュー・オーダーが変なことを始めた、と思ったのはシングル『テンプテイション』だったな。延々ループしまくる躁的なビートに「ああこりゃきっと吹っ切りたいんだろなあ」という気が如実にした。
続く例の『ブルー・マンデー』のデジタル化された機械ビートは「もう感情とかスッカラカンになっちゃうほどヘコんでるから無機的な機械のリズム流しっぱなしにして無感覚になってしまいたい」って音なんだな、と思えた。ニュー・オーダーのその後のシングルは殆どそんな感じで、これは『ブルー・マンデー』の「僕はどう感じたらいい?」って歌詞はホントは「僕はもうなにも感じない・感じたくない」ってことだったんだな、とオレは思ってる。
オレ自身も20代30代の頃は「オレはもうなにも感じたくない」って感じの生活していたからニュー・オーダーのデジタル・ビートに先鋭化されたシングルはとてもよく聴いた。逆にモゴモゴと青臭いメロディを垂れ流すアルバムは購入はするけどどれも殆ど聴かなかった。そもそもこのぐらいの頃になると聴いている音楽がエレクトロニカに移行していたので、ロック・バンドのロックロックした音がまだるっこしかった、というのもある。

新木場STUDIO COAST石野卓球ニュー・オーダー

ライブは5時半開場の6時半開演ということになっていたが、5時40分ごろ会場に入った頃には石野卓球が既にDJを始めていた。結局卓球は90分ぐらいDJしていたようで、ニュー・オーダーのライブが始まったのは7時半すぎた頃だったかな。で、この卓球のDJ、結構楽しみにしてたのになぜか長く感じてさ。ニュー・オーダー早く観たい、というのと、スピーカーの位置の問題でDJブースを前にしてると卓球のDJがきちんと聴けないのと、この日はオレの苦手なエレクトロディスコ系中心の選曲だったからというのもあったな(DJミックス音源アーカイブこちらで聴ける)。
という訳でやっとニュー・オーダー登場。まあ、同窓会だったよ。だって高3からだから、35年にもなる付き合いで、おんなじ風に歳をとっててさ。みんな太ったし老けたなあ、まあオレも太ったし老けたからお互い様だよなあ、って感じでさ。新譜からの楽曲が3割ぐらいで、さらにあの曲この曲知ってる曲満載だったけど、「だよね、これだよね、こんな曲があったよね」と過ぎ去ったセーシュンの道筋を指で辿って確認するみたいでさ。でもライティングとか格好良くて、ライブ会場というのも久しぶりだったし(また行くことなんてあるのだろうか?)、汗かいてもみくちゃだったし、「そうだね、こんななんだよね、ライブとかクラブとかね」と思い返したりしてさ。
全体的に、最初期待してたダンサンブルな曲よりも、ギターの音がよく響く曲のほうがかっこいいなあ、やっぱりロック・バンドなんだよなあ、と思いながら聴いていたよ。

■当日のセットリスト

知人に教えて貰った当日のセットリスト。

1.Singularity
2.Ceremony
3.Academic
4.Crystal
5.5 8 6
6.Restless
7.The Game(live debut)
8.Your Silent Face
9.Tutti Frutti
10.Bizarre Love Triangle
11.Waiting for the Sirens' Call
12.Plastic
13.The Perfect Kiss
14.True Faith
15.Temptation
Encore:
16.Atmosphere(Joy Division cover)
17.Love Will Tear Us Apart(Joy Division cover)
18.Blue Monday
http://www.setlist.fm/setlist/new-order/2016/shinkiba-studio-coast-tokyo-japan-3bfef0bc.html

水曜と金曜ではセットリストが違っていたらしく、水曜にやって金曜にやらなかった曲はRegret、1963、People on the High Line、Superheated、金曜にやって水曜やらなかった曲はCeremony、586、The Game、Atmosphereということなのらしい。オレはRegretが聴きたかったんだがなあ。ライブ通して聴いて、オレの好きなニュー・オーダーの曲は「テンプテイション」だったんだなあ、と改めて思った。あとジョイ・ディビジョンの曲で一番好きなのは実は「トランスミッション」なんだよ。あれやって欲しかったなあ。

■反省と余談

あとこれは反省なんだけど、オレ、スタンディングのチケット取って、当日はそんなに前に行かないつもりだったけど、真ん中ぐらいでも激混みでね、なんかもう「空調が切れて轟音の鳴る満員電車に2時間閉じ込められている」みたいな凄まじいストレスだったんだよ。おまけにビールぶっかけられるわこずかれるわ変なおっさんにからまれるわでワヤでしたわ。あと目の前にコンデジスマホでそれぞれライブ撮影してるカップルがいて、二人ともずーっと頭上に機械上げて録画してるもんだから視界が完全にシャットアウトされてしまってなんかもうイヤ〜ンな感じでしたわ。
場所変えりゃあええやん、って話なんだけど、なんかもう身動き取れなくてさ。会場のワカモノたちはそんなの気にしないんだろうけど、老人にはキツかったわ。だいたいライブなんてそんなもんだし、そういうのがヤダっていうんなら隅っこで大人しくしてるべきだったんだよな。
それと後ろにいたお兄ちゃんが殆どの曲を一緒に歌っていて、よく覚えてんなあと最初は感心していたが、問題は物凄く音程が外れていたこととめっちゃだみ声で大声だったってことで、バーナードのボーカルよりもはっきり聴こえるぐらいだったよ。これじゃオレ、ニュー・オーダーを聴きにきたんじゃなくて、ニュー・オーダー好きのジャイアンのリサイタルに来てしまったみたいじゃん、とちょっと悲しくなってしまったライブでもあったよ……。