最近聴いたエレクトロニック・ミュージック

■Another Night Together / t e l e p a t h


最近オレが相当気にいっている謎のユニットt e l e p a t hの2曲入りアンビエント・アルバム。国内販売はされていない筈だがなぜか「一緒に別の夜」という邦題が付いている。それぞれがきっかり44分44秒で統一され、そしてそこで聴けるのは延々とループする妖しくなまめかしくどこか切なげな涅槃の向こうにある音。深夜のサイバーワールドの電子的振動とそれに取り憑いた人間の声、溜息の残滓。美しくもあると同時にどこか微妙に歪んだ音の連なりには背徳の臭いすらする。それにしてもこの物寂しげで刹那的なアルバムジャケットの写真はなんなのだろう。ずっと聴き続けているとそのまま異世界に持って行かれそうなヤヴァさに溢れた作品だ。《試聴》

■Breathless / Immune


t e l e p a t hと同じDream CatalogueレーベルからリリースされたImmuneの2ndアルバム。電子楽器にフィールドレコーディングとサウンドコラージュの様々な要素を組み合わせ、それをシューゲイズ・エレクトロニクスとダブテクノのフォーマットで完成させた実験的な音。Immuneはこれらの音をラップトップを持ち歩きロンドンの公園やバー、コーヒーショップで作り上げたという。即ちこの音はImmuneが見た都市の光景なのだ。 《試聴》

■SOUND_TRACK ~ [MP3].Torrent / R23X


これもまたDream CatalogueレーベルからリリースされたR23Xの作品集。これが1分から3、4分程度のトラックが全23曲並ぶサウンド・スケッチの体裁を成しており、自由なイマジネーションに溢れた音の連なりが次から次に現れては消えてゆく。 《試聴》

■The Phoenix Suburb (And Other Stories) / The Woodleigh Research Facility

The Phoenix Suburb (And Other Stories)

The Phoenix Suburb (And Other Stories)

UK音楽シーンの重鎮、Andrew WeatherallがNina Walshとタッグを組んだ新プロジェクトThe Woodleigh Research Facilityの1st。Weatherallらしいミディアム・テンポのチープなドラムマシンがチャカチャカ鳴り響くサイケデリックな音は聴くほどに癖になってくる。これはオススメ。 《試聴》

■Diamondbacks Make Wonderful Pets / myr.

Diamondbacks Make Wonderful Pets

Diamondbacks Make Wonderful Pets

ケルンのPNN Recordsからリリースされた謎のアーチストmyr.のデビューアルバム。アルバム・アートワークそのままにもわもわとした美しい音が現れては消え、そこにまたダビーなリズムとサウンドがからむという得体の知れない心地よさがよろしい。 《試聴》

■Bromance Presents Homieland Vol.2 / V.A.

BROMANCE PRESENTS HOMIELAND vol.2 【国内盤】

BROMANCE PRESENTS HOMIELAND vol.2 【国内盤】

パリのDJ/プロデューサー、ブロディンスキーによるレーベルBromance Recordsの新作コンピ。ベース〜ヒップホップ寄りの音になっておりこれがまた結構ご機嫌な出来。日本からKOHHというラップの人も参加している。 《試聴》

Nina Kraviz / Nina Kraviz

Nina Kraviz

Nina Kraviz

ロシア生まれの美人DJ/プロデューサーNina Kravizが2012年にリリースしたデビュー・アルバム。シンプルな4つ打ち中心のディープ・ハウス/シカゴ・ハウスながら独特の妖艶さが漂う優れた作品。 《試聴》

■Dense & Pika - Update / Dense & Pika


Scubaが主宰するベース・ミュージック・レーベルHotflushからリリースされたDense & Pikaの新作。テクノとディープ・ハウスをテクスチャーしたソリッドかつタイトなフロア・ナンバーが目白押し。 《試聴》

History of the Future / The Orb

History of the Future

History of the Future

2013年に活動25周年を記念してリリースされたThe Orbのベスト・アルバム。2形態のリリースになっており、CD2枚組のものはシングル・コレクションとリミックス&レア・トラック、CD3枚+DVD1枚のものはそれにさらにライブCDと映像集が加わる。自分はCD2枚組のものを聴いたが、なにしろずっと「Little Fluffy Clouds」が頭でグルグル回っている。 《試聴》

History Of The Future Part 2 / The Orb

History of the Future Part 2

History of the Future Part 2

2015年にリリースされたThe Orbのベスト・アルバム第2弾。なにしろThe Orbはアルバムを20枚近く出しているのでこんな分量になるのだろう。こちらも3CD+DVDによるリリースで、過去にKompaktやCooking Vinylといったレーベルから発表した曲を集めたものになっている。自分は楽曲のみのD/Lで聴いたが(こちらのほうが安上がり)それでも全39曲、相当お腹いっぱいになれる。 《試聴》