19世紀ロンドンを舞台にしたスピンオフ作品〜映画『SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁』

SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁 (監督:ダグラス・マッキノン 2015年イギリス映画)


BBCの人気TVドラマシリーズ『SHERLOCK シャーロック』のスピンオフ作品が劇場公開されることになり、『SHERLOCK シャーロック』好きの自分も早速観に行く事にしました。
「スピンオフの劇場公開」とは言ってももともとは英国で2016年の元旦にTV放送されたものらしいんですが、そもそも『SHERLOCK シャーロック』のドラマって1作90分前後の映画作品みたいな放送時間と映画作品並みのしっかりした内容を兼ね備えていますから、これが映画館で公開!となってもまるで違和感ないんですよね。この劇場版はTV版にさらに20分ほどの特典映像が併映されたものになっていますが、これは世界各国で映画上映されたときのスタイルに準じているようです。
さて今回の『SHERLOCK シャーロック』、どんな風にスピンオフなのかというと、TV版『SHERLOCK シャーロック』がシャーロック・ホームズの舞台を現代に移して描かれているところを、もともとの舞台である19世紀末ロンドンを舞台にしての物語となっているところなんですよね。あのベネディクト・カンバーバッチマーティン・フリーマンが19世紀末ロンドンの正統的シャーロック・ホームズをどう演じるかが見所でありお楽しみでもあります。
でまあいつものように自分のブログでその感想文でも書こうかと思ったんですが、今回の『忌まわしき花嫁』、もう何を書いてもネタバレになりそうで、内容にほとんど触れることができないんですよ!『SHERLOCK シャーロック』好きの方はベネディクト・カンバーバッチら出演者が好きな方と同時に昔っからシャーロック・ホームズの好きだった方も多いようで、こういった方たちにはちょっと遠まわしに書いたって内容を推理されそうだ!そもそも「何を書いてもネタバレになりそう」って書き方自体がネタバレになっているともいえる!ああどうしたらいいんだ!だからネタバレはしませんが推理力洞察力の強い方は以下は読まないほうがいい!
ええと、なにしろ一つだけ言えるのは、今回の『忌まわしき花嫁』、TVドラマシリーズ『SHERLOCK シャーロック』をきちんと全部観ている人じゃないとチンプンカンプンになる部分がある、ということですね。これはもう「スターウォーズの旧作を全く観ていない人に『フォースの覚醒』は楽しめるかどうか?答えは観ていた方が楽しめるが観ていなくても全く問題はない」みたいな話じゃなく、観ていないとなんのことだか全く分からない展開だということなんです。いやもうこれだけでもネタバレくさいよなあ…。だから「TVドラマは全然観てないけどカンバーバッチとフリーマンが出ている映画なら面白そうだから観てみよう」と思っている方、今からでも遅くないので徹夜して『SHERLOCK シャーロック』全作観てから劇場に足を運んでください!
そういった部分では「非常に秀逸に作られたファン向けムービー」ということも出来、ファンの方が観たならあんなシーンこんなシーンでニマニマしっぱなし、そしてファンだからこそあっとびっくりするシーンも盛り込まれているということなんですよ(ああ…これすらもネタバレくさい…)。一応原作ファンの方向けに書くと、今回のタイトル「忌まわしき花嫁」(The Abominable Bride)は、「マスグレーヴ家の儀式」の冒頭に登場する語られざる事件"Ricoletti of the club foot and his abominable wife."(内半足のリコレッティと忌まわしい妻)に由来しているのだそうです。
感想すらもネタバレしそうで書くのをはばかられますが、まず内容自体はこれまでの『SHERLOCK シャーロック』の物語同様非常に密度が濃くて楽しめたということ、相変わらずカンバーバッチ演じるシャーロックは鬼畜野郎でうっとりさせられたこと、例によってフリーマン演じるワトソンは困った顔しながらシャーロックの相手をしていること、そして今作は「スピンオフの1作」ということで従来の『SHERLOCK シャーロック』ストーリーよりもかなりハッチャケた方向に行ってるということでしょうか。
とまあ何の内容もない記事になってしまいましたが、何の内容もないことをグダグダ書き散らかせたらオレってホント右に出るものがいないなあ、としみじみ実感できました…。