最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他

■Music for the Uninvited / Leon Vynehall

Music for the Uninvited

Music for the Uninvited

UKポーツマス出身のディープハウサーLeon Vynehallによる1stアルバム。これが非常に繊細かつ技巧的に構築された音世界を表出させており、エレクトロニクス音の狭間にストリングスや鍵楽器、ヴォイスサンプルなどを効果的に配し、それぞれの曲があたかも絵画の様に美しい構図を切り取りながら、同時に物語の無い映像作品の様に感性豊かに構成されているのだ。それでいてソウルフルなディープハウスとして十分に機能している。2014年にリリースされた作品だが、これは実に完成度が高いアルバムだ。実の所最近こればかり聴いている。オススメ。 《試聴》

■MARCHROMT30a Edit 2b 96 / Aphex Twin

MARCHROMT30a Edit 2b 96

MARCHROMT30a Edit 2b 96

Aphex Twinのニューシングルは最新アルバム『Syro』の日本版限定トラック「MARCHROMT30a Edit 2b 96」とその別バージョン、同じく『Syro』収録「XMAS_EVET10[120]」の別バージョンの3曲を収録。しかし『Syro』って2015年グラミー賞のダンス/エレクトロニック部門受賞作だったんだね。 《試聴》

■Digital Solutions / Model500

Digital Solutions (feat. Mark Taylor, Juan Atkins, Mike Banks & DJ Skurge)

Digital Solutions (feat. Mark Taylor, Juan Atkins, Mike Banks & DJ Skurge)

デトロイト・テクノの重鎮Juan Atkinsによるユニット、Model500の16年ぶりになるというフル・アルバム。Juan Atkins自身も来年で活動35周年だとか。そもそもJuan Atkinsが参加したCybotronの「Clear」が1982年だ。オレも含めテクノ古参はどんどん歳取ってくなあ。さてアルバムのほうはModel500らしいエレクトロ・ファンクで、往時よりフュージョンぽくはなっているが根っこの部分は変わらずにパワフルなデトロイトのスピリッツを伝えている。Mark Taylor、Mike Banks、DJ Skurgeの参加もあるらしい。 《試聴》

■Claustrophobia / Scuba

Claustrophobia

Claustrophobia

Hotflush Recordingsの主宰、ベース・ミュージックの第一人者Paul RoseによるプロジェクトScuba、待望のニュー・アルバム。ポツポツとリイシュー盤やDJMIXが出ていたがオリジナル・アルバムとしては3年ぶりのようだ。音的には例によってミニマルかつダークなベース・ミュージックが展開されているが、以前より分厚くそして細かなトリートメントの施された音へと進化しており、Scubaの音が常に現在進行形であることがうかがわれる。Scubaのアルバムはとりあえず出たら買っちゃうな。 《試聴》

■Flame Rave / Clark

Flame Rave

Flame Rave

先ごろアルバム『Clark』をリリースしたClarkのニュー・シングル。アルバム収録曲2曲のリワークと新曲2曲が収録されているが、不穏な音像の蠢くClarkらしい充実した完成度だ。デビュー時より才能溢れるアーチストだったが、今現在テクノ・ミュージック界のなかで最も受け入れられやすく先端的な音を出しているアーチストなんじゃないかな。少なくともAfex Twinよりは分かり易いアプローチをしている上にロック的なフィールドにも近い。 《試聴》

■Folk / Nick Hoeppner


ベルリン・Panorama Barの長年に渡るレジデントであり、かつてレーベルOstgut Tonのマネージャーも務めていたNick Hoeppnerによる初のアルバム。パワフルなリズムと浮遊感溢れるメロディを備え、ジャーマン・テクノならではのサウンドを響かせる安定の良作。これはオススメ。 《試聴》

■Living Fields / Portico

Living Fields

Living Fields

ロンドンを拠点に活躍するバンド、Portico Quartetのメンバーによるエレクトロニカ・ユニットPortico。彼らのデビュー・アルバム『Living Fields』はJames Blakeを思わせるような静謐なエレクトロニック・サウンドにファルセット・ヴォイスが乗るソウルフルな作品だ。個人的にはJames Blakeよりも好きだな。 《試聴》

■EX Club Mixes / Plastikman

Ex Club Mixes (2x12i)(dixon/tale Of Us/recondite [12 inch Analog]

Ex Club Mixes (2x12i)(dixon/tale Of Us/recondite [12 inch Analog]

この『EX Club Mixes』はRichie HawtinによるPlastikman名義の2003年のアルバム『EX』をDixon、Recondite、Tale Of Us、Dubfireらによりリミックスしたもの。ニューヨークのグッゲンハイム美術館にて行われたRaf SimonsのファッションショーにおけるHawtinによるライブを録音したものらしい。大幅なリミックスはされていないが、Plastikmanらしいミニマル・テクノ音はやはりハマる。 《試聴》

■Dream A Garden / Jam City

Dream A Garden

Dream A Garden

ロンドンを拠点に活動するJack Lathamのユニット、Jam Cityのニュー・アルバム。カラフルなエレクトロニック・サウンドにJack Lathamのエモいヴォーカルがかぶさるいわゆる"歌モノ"で、インディー寄りのテクノといった音。 《試聴》

■Dark Energy / Jlin

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]

インディアナ州のゲーリーの女性プロデューサーJlinによる次世代シカゴ・ハウス。シカゴ・ゲットー・ミュージックの系譜を受け継ぎ、ジューク/フットワークを通過した、実に硬質で機械的なビートがグネグネと蠢く大胆なサウンド。 《試聴》

■Mix The Vibe: Deeep Detroit Heat / Terrence Parker

Mix the Vibe: Terrence Parker - Deeep Detroit Heat

Mix the Vibe: Terrence Parker - Deeep Detroit Heat

キャリア35年を誇るデトロイト・ハウスのオリジネイター、Terrence ParkerがKing Streetの人気シリーズ"MIX The Vibe"に参戦。ベテランならではの絶妙のテクニックで構成された心憎いMix。 《試聴》

■Next Stop Soweto 4: Zulu Rock, Afro-Disco & Mbaqanga 1975-1985 / Various Artists

Next Stop Soweto 4: Zulu Rock, Afro-Disco & Mbaqanga 1975-1985

Next Stop Soweto 4: Zulu Rock, Afro-Disco & Mbaqanga 1975-1985

このアルバムはエレクトロニック・ミュージックではなく、STRUTによる南アフリカ産レア音源コンピレーション・シリーズの第4弾となるものだ。1970年代から1980年代を中心に、アパルトヘイト政策下にあった黒人たちの熱い魂が炸裂するズールー・ロック、アフロ・ディスコ・コレクション。 《試聴》