『悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』は『悪魔のいけにえ』の新たなる続編だった

悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲 (監督:ジョン・ラッセンホップ 2013年アメリカ映画)


歳をとるのも困ったもので、なかなかモノの名前やらタイトルやらを覚えられなかったりするのである。「えーっと「チェーンソーを振りまわすキチガイの出てくる映画」ってタイトルなんってったっけ…死霊のなんちゃら、だったっけ、悪魔のなんちゃら、だったっけ…」としばらく考え込んでしまうのである。いや、原題がテキサスチェーンソ−マサカーっていうのは覚えているのだ。だが公開当時ホラーならなんでも死霊だの悪魔だの地獄だのと適当に付けられた似たような邦題が、オレの頭の中でごっちゃになっているのである。この「悪魔のいけにえ」だって時々「死霊のえじき」とごっちゃになってしまい、「いや、「死霊のえじき」はロメロじゃなかったっけ…ってことは「死霊のはらわた」だっけ?」とさらに奥深い迷宮へと入り込んでしまうのである。歳はとりたくないものである。
というわけで『悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』です。映画が始まっていきなり、1974年に製作されたオリジナル1作目のラストからお話が続くもんだから正直びっくりしました。そもそもオレ、観始めるまでこの映画が、今まで散々続編だのリメイクだのをされた『悪魔のいけにえ』ワールドのどの辺に位置するものなのか全く知らずにいたんですよ。『悪魔のいけにえ』は続編として『悪魔のいけにえ2』と『悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲』が製作されていたけど(調べるまで知らなかったがさらに4作目として『悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス』って映画もあるらしいんですね。なーんか観たような観てないような…)、この2〜4作とは別の、いわゆるパラレル・ワールドとしての『悪魔のいけにえ』続編だったんですね。へー。ってことはスチールの頭をカリカリやるにーちゃんや2丁電ノコのデニス・ホッパーは存在しないことになっちゃうんだーそれはちょっと寂しい気も。
さて、この『レザーフェイス一家の逆襲』ではまず最初に、事件を知って怒り狂った町民の皆さんがレザーフェイス一家の家に焼き討ちを仕掛け、皆殺しにしちゃうところから始まっちゃうんですね。相手はキチガイだから嬲り殺していいんだ!というキチガイな理屈がとても香ばしい出だしです。しかーし皆殺しと思っていたらさにあらず、一家の小さな娘が生き残っていて、これがこっそり育てられ、成人を迎えていた…というところから本題に入るわけです。おお、レザーフェイスの血を受け継いだこの娘が電ノコ殺戮繰り広げるのか!?レディー・レザーフェイスってヤツなのか!?と期待していたらそうでもなくて、普通の娘さんに育っております。で、この娘さんがある日遺産相続で受け継いだのが怪しげな館。そこに友達と一緒に出掛けて行ったら、なんと!実はあの皮かぶり野郎が生きていた!というわけなんです。いや、皮かぶり野郎って言ってもホーケー君のことではなくあのレザーフェイスさんです。当然レザーフェイスさんが現れた以上主人公の友人たちは一人また一人とぬっ殺されていくのはお約束というものでありましょう。
しかし映画が始まって半分ぐらいで友人の皆さんはだいたいぬっ殺されていなくなります。え?ぬっ殺す奴がいなくなっちゃったらいったいこの後どう展開するの?と思ってたら、ここでこの映画ならではの新展開が持ち込まれるんですね。ほうほうなるほどそうきた訳ですね、となんとなく感心させられます。あの有名すぎる『悪魔のいけにえ』ですから、続編を作るにしてもハードルが高かっただろうし、リメイク作の『テキサス・チェーンソー』だって、嫌いじゃありませんが要するに金掛けて粉飾したゴージャス版以上でも以下でもなかったことを考えると、とりあえず今度こそきっちりした続編を作りたいという意気込みは伝わってきました。ただやはり原点があの『悪魔のいけにえ』だとどうしても荷が勝ちすぎるのは致し方ないこと、「これこそが正統な続編!」と諸手を挙げて言うのは難しいんですけどね。頑張ってはいるんですが、1作目が偉大、というか異常すぎて、これと並び比す作品を作るっていうのはやっぱり無理、しょうがないことかもしれませんねえ。
ところで以前、『悪魔のいけにえ』がらみでこんな記事を書いたことがあるのでよろしければドウゾ。ATARIで『悪魔のいけにえ』ゲームが出ていた、という記事です。
『悪魔のいけにえ』のゲームが存在した!?〜洋ゲー通信 Airport 51 / メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
https://www.youtube.com/watch?v=PdXY5uNHTPw:MOVIE

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