『俺たちサボテン・アミーゴ』はどうにも締まらないゆるゆるコメディだった!

■俺たちサボテン・アミーゴ (監督:マット・ピードモント 2012年アメリカ映画)


ウィル・フェレル主演のメキシカン・ゆるゆる・コメディ映画です。単にゆるゆるなのであってゆるふわとかでは決してありません。まあウィル・フェレルのおバカ映画にゆるふわを期待する人間がこの宇宙にどれだけ存在するのか分からないですが。
ウィル・フェレル演じるのはメキシコの荘園のボンクラ次男坊なんですが、そこにビジネスマンとして成功した長男が美人の婚約者を連れて帰ってくるわけです。しかしその長男坊は実は麻薬売買に手を染めており、地元の麻薬王と抗争の火ぶたが切られ、ウィル・フェレルはボンクラなりにあたふたするのですがボンクラなばかりに頓珍漢な事ばかりしでかし、でまあラストは銃撃戦で「お兄ちゃ〜ん!」とかやるわけです。
ウィル・フェレル主演映画は「俺たち」シリーズでなんとか日本でも認知度が上がっていてオレなんかも結構好きな俳優なんですが、日本未公開DVDスルー映画なんかを観ると流石に相当ゆるゆるで、こりゃあ日本では受けねえだろうなあ、オレもファンだからなんとか我慢して観られるレベルだしなあ、と思えてしまうんですよねえ。
今回の『俺たちサボテン・アミーゴ』もスティーヴ・マーティン主演の快作コメディ『サボテン・ブラザーズ』とウィル・フェレルの『俺たちフィギュアスケーター』あたりを彷彿させるタイトルで若干期待したんですが、いやもうこれが箸にも棒にもかからないユルさ具合の少しも笑えない映画で、逆に「いかにユルいのか?」「どうのようにユルいのか?」といったユルさの極地、ユルさの極北をしみじみと堪能したければこれはこれでいいのかもしれません。だいたいあのどう見たってぬいぐるみの白い虎が出てきて、ウィル・フェレルに神秘の啓示を与えたりとか、ウィル・フェレルサイケデリックな深層心理世界に行っちゃったりとか、これ笑うところなの?とか思っちゃいましたが、しかし文字で起こしてみると面白そうなんだけどなあ…やっぱりテンポなのかなあ…。
まあオレもウィル・フェレルのアホ顔をじっくり観る事が出来たのでそんなに落胆したわけでもないんですが。


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