2008年オレ的シネマベストテン!

と言うわけでどうやらこの2008年もつつがなく終わりやがるわけだが、恒例の【オレ的シネマベストテン!】をばここで披露してみようかと思う。今年[MOVIE]カテゴリで更新した記事の数はなんと109エントリ。意識していなかったが1年のほぼ3分の1は映画のことばっかり書いていたようである。この数は観た映画の数ではなくあくまでエントリ数であり、ロードショー公開作品以外にも旧作をDVD視聴したものや米TVシリーズの作品を1エントリに数作ぶち込んだりもしてたから、多分150本弱の映画を観ていた計算になるかもしれない。そしてその殆どが、多分バカ映画とホラー映画であると思う。バカ映画とホラー映画は映画の基本。そう信じて観続けて来た1年であったとも言える。…ホントかよ。
それぞれのタイトルはオレがレビューした日記にリンクしてありますのでよろしかったら覗いてみてください。

■《2008年オレ的シネマベストテン!》

1位:ゾンビ・ストリッパーズ(監督:ジェイ・リー 2008年アメリカ映画)


ゾンビでストリッパー、それが『ゾンビ・ストリッパーズ』!なーんやそのまんまやないかい!単なる思い付きだけで作られたあまりにもあまりな組み合わせ!しかし蓋を開けてみたらエロとグロが美しく合体した一大アホアホゲロゲロカルトゾンビホラーに仕上がっていた!?まさに有り得ない化学反応によって生み出されたコロンブスの卵的珍作!よくもまあこんな馬鹿馬鹿しい企画の映画を恥ずかしげもなく製作したもんだ!ってかきっと誰も何も考えていなかったに違いない!考えてたまるもんか!こんな映画を今年のナンバーワンにしないで誰がする!?いいやオレ以外誰もしない!ザマーみやがれ!ああDVD発売が待ち遠しい!

2位:クローバーフィールド -HAKAISHA-(監督:マット・リーヴス 2008年 アメリカ映画)

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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ぐへへへ!怪獣が出てきて街を瓦礫の山に変え人をいっぱい殺しちゃう惨たらしい映画だね!世界も文明も人命も得体の知れない強大な力の前には何一つ抵抗する術もなくあっけなく灰燼へと帰してしまうんだ!自分たちがいつも当たり前のように生きる寄る辺としているものなど実は折り紙のように薄っぺらなものでしかない。希望なんてないし誰一人生き残らない!未来なんかない、と言い切ってしまう透徹した絶望がかぐわしい名作だよ!

3位:崖の上のポニョ (監督:宮崎駿 2008年日本映画)


ぽーにょぽーにょぽにょさかなのこ!拙い唄がサブリミナルメッセージのように脳を汚染する恐怖のカルト・ムービー!絵と物語がぶわぶわととろけているさまはどこまでもサイケデリック!普通に見えて実はアバンギャルド!宮崎さんは絶対頭の中にいろんなものが沸いている状態でこの映画を作ったと思うね!それもかなり真っ当じゃないぐじゃぐじゃどろどろしたビジョンに満ちていたものだと思うよ!

4位:スピード・レーサー(監督アンディ・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー 2008年アメリカ映画)

スピード・レーサー 特別版 (2枚組) [DVD]

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きれいな色やきれいな光がぴかぴかきらきらちかちかしながらくるくるくるくるまわっているいかした映画だよ!観ていて頭の中もぐるぐるしてきてしまいにほわわ〜んと気持ち良くなっちゃうんだ!ストーリーが子供向けとか言ってるけどこれは紛れもなく大人向けのドラッグムービーだと思うね!あるのはただスピードと色彩の恍惚と法悦!さあどっぷりトリップしようぜ!

5位:ランボー 最後の戦場 (監督・脚本・出演:シルベスター・スタローン 2008年アメリカ映画)

こちらはひたすら人をなぶり殺しにする快感をどこまでも突き詰めた素敵な映画だね!大義名分さえあればどんなひとごろしだって崇高な使命に変わっちゃう!そしてひとごろしがとっても楽しいことをあからさまにしちゃったヤヴァイ映画でもあるね!映画全編大量の血と肉片が飛び散る様をただただ愉快に描いたスタローンの変態ぶりに脱帽だ!これを観ながらゲラゲラ笑ってたオレも変態だがな!下手なホラーなんかよりも数段残酷なスプラッターヒーロー映画だよ!

6位:コントロール(監督:アントン・コービン 2007年イギリス/アメリカ/オーストラリア/日本映画)

コントロール デラックス版 [DVD]

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この歳になって"まだ"ジョイ・ディヴィジョンを聴き続けることになるとは思ってもみなかった。ロック・スターの死というある意味ありきたりで下世話な題材だけれども、同じ時代に生きてきてしまったものとして、あの伝説をもう一度振り返るという行為は一つの踏み絵であり信仰告白のようなものなのだろう。そして彼らの歌は、いつまでも刻印のようにこの胸に刻まれ続けるのだろうか。

7位:俺たちダンクシューター(監督:ケント・オルターマン 2008年アメリカ映画)


今年は『ホット・ファズ』や『トロピック・サンダー』など良質のコメディが次々と公開されたとてもいい年だったね。でも何故話題作だった先の2作をランクインしないでこの作品を入れたかというと、やっぱりユルさと適当さと頭の悪さといった点ではこの『俺ダン』のほうが勝っていたからなんだよ。バカ映画の良作と珍作ではオレはやっぱり後者のほうを選んでしまうな。そしてラストのベタな感動オチがまたほんわかと和ませるんだよ。

8位:ミスト(監督:フランク・ダラポン 2007年アメリカ映画)

ミスト [DVD]

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いやー、これもまた「みんな死んじゃえばいんだああああああ(はあと)」というイケナイ妄想に満ちた映画だったな!今年はなんだかこんなのばっかりだったね!世の中どんどんきっつくなってる証拠なんですかねえ。「希望なんかないんだもん(はあと+弓矢)」って云い切っちゃうのって、「だって現実なんて大概そんなもんじゃね?」ということの表われなんかなあ。で、落ちるとこまで落ちたら今度は「それでもなけなしの希望を追うしかないんだ」っていう映画がこれから作られるようになるのかもしれないね。

9位:REC/レック(監督:ジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ 2007年スペイン映画)

REC/レック スペシャル・エディション [DVD]

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今年は「クローバーフィールド」でPOVの面白さや新鮮さが浸透した年だったけどこれもPOVで作られたホラー映画だよ。POVって次世代の3D映画だということもできるかもしれないね。よりバーチャルな視点と体験を与えるということにPOVは特化していて、ただ物語には必ずカメラ持った奴がいなけりゃならないという制約があるから、今後も作られ続けられるかどうか分らないが、「よりバーチャル」という部分で映画は変化してゆくのかもしれないね。

10位:ダークナイト(監督:クリストファー・ノーラン 2008年アメリカ映画)

ダークナイト 特別版 [DVD]

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まあ今年一番の話題作はこれでしょう。この映画に関してはオレは否定的な意見が相当あるし、だからあえて10位にしたんだけれど、長くてややこしいストーリーは抜きにしても、バットポッドが漆黒に包まれた街を疾走するチェイス・シーンの壮烈さだけでもこの映画は観る価値は十分にあるんじゃないかな。ある意味異様な熱気に満ちた映画だったし、今年はホントこういう異様な映画が流行ったね。

次点:GALACTICA/ギャラクティカ シーズン1〜2 DVDBOX

TVシリーズということでベストテン欄外にしましたが、とても面白いシリーズです!これはそのうち稿を改めて書くことにしましょう。