Montreux Jazz Festival / David Bowie
このアルバムは2002年7月18日に公演されたモントルー・ジャズ・フェスティバルでのボウイのライヴアクトを2枚組CDとしてリリースしたアンオフィシャル・アルバムである。ソースは同ライヴのFM放送(YouTubeにも同音源あり。下の動画参照のこと)。ボウイのライヴと言えばオフィシャルでも結構な数が出ているし、少々食傷気味ではあるのだが、アンオフィシャル盤であるこの『Montreux Jazz Festival』はちょっと構成が面白くて購入してみることにした。
公演は2002年にリリースされたアルバム『ヒ―ザン』のツアーの一環となるが、その構成が『ヒ―ザン』とボウイのヒット曲と併せ、CD2ではアルバム『ロウ』のほぼ全曲が演奏されるのだ。これはボウイが『ヒ―ザン』と『ロウ』に類縁性を認めていたからとされるが、なにしろボウイの最高傑作のひとつである『ロウ』をここまでフィーチャーしたライヴという部分がコンセプト的に面白かった。
録音も良く演奏も充実しており、もちろんボウイのヴォーカルも脂が乗りきっている。アルバム詳細はこちらで紹介されているのでご参考に。同内容のBlu-rayも販売されているので興味のある方は探してみるといい。
Substance 1987 (2023 Reissue) / New Order
ニュー・オーダーが1987年にリリースしたベスト盤的な2枚組シングル集『Substance』のリマスター・アルバム。なにしろオリジナルが1987年製作のものなので、この年までのシングル曲のみの作品となるので注意。1987年版『Substance』ではDisc1にシングル曲A面、Disc2にシングル曲B面の収録といった構成になっていたが、今回リリースされたリマスター・リイシュー盤では2CD盤とは別に4CD盤が発売されており、こちらはDisc3に「ALTERNATIVES & B-SIDES」、Diac4に「LIVE FROM IRVINE MEADOWS AMPHITHEATRE, CALIFORNIA 1987」と銘打たれたライヴ音源が収録されている。
ニュー・オーダーの『Substance』といえばリリース当時最も聴き狂ったアルバムで、オレはそもそもニュー・オーダーはオリジナル・アルバムよりもシングル曲のほうが好きだったこともあり、この時点でのニュー・オーダー最高傑作だった。とはいえそのリマスター・リイシューというのも少々今更感はあったのだが、こうして改めて聴いてみると、やはりリマスターされた音の素晴らしさに打ち震えてしまい、またしてもニュー・オーダーの凄みに感銘を受けている(なにしろ聴き狂っていたアルバムなので音の良さ・違いはすぐに分かった)。この調子で『Substance』以降のシングル盤ベストアルバムのリマスター盤も出るのだろうと思うので楽しみに待ちたい。
Up All Nite with Prince: The One Nite Alone Collection / Prince
2002年にリリースされたプリンスの『Up All Nite With Prince: The One Nite Alone Collection』のリイシュー。内容はピアノ・ソロ・アルバム『One Nite Alone...』、2枚組ライヴアルバム『One Nite Alone...Live!』、アフターショウ・ライヴ『One Nite Alone... The Aftershow: It Ain't Over! 』、そしてライヴ映像収録DVDの4CD+DVDで構成されたボックスセットである。音源自体はmp3で持っていたのだが(アルバムそれぞれの感想は以前ここでザックリと書いた)、これまで廃盤だったCDが再発されたのでフィジカルで再購入したという訳だ。
そしてこれが実にいいのだ。やはりCDの方が断然音質がいい。特にピアノ弾き語りの『One Nite Alone...』は、mp3音源では地味目に感じていたのに、こうしてCDで聴くと、ピアノの生音が生き生きと耳に飛び込んできて、mp3とは全然別の感触を覚えるのだ。だから今回のボックスセットでは『One Nite Alone...』を一番繰り返し聴いているぐらいだ。もちろんそれ以外のアルバムのよさも同様で、これまで何度も聴いていた筈なのに、とても新鮮に聴こえる。やはりいい音楽はいい音質で聴くのが大事だとしみじみ思わされた。