V8ヒャッハー!ゲーム『マッドマックス』で爆走なんだッ!?


ゲーム版『マッドマックス』が発売されたので既にマッドがマックスな状態でプレイしている。ヒャッハーッ!
ところで映画『マッドマックス 怒りのデスロード』で膨大なファンを得たこのシリーズだが、今『マッドマックス』といえば「V8!V8!V8!」なのだろうか。オレのように『マッドマックス』といえば脊髄反射で「ヒャッハーッ!」と言ってしまうような人間は既に絶滅危惧種なのだろうか。そもそも「ヒャッハーッ!」は『マッドマックス』じゃなくて『北斗の拳』のほうじゃねーの?とか正論を突き付けられるのだろうか。まあ「ヒャッハー的世界観」ということで大目に見てはもらえないだろうか。
さてゲーム版『マッドマックス』は映画そのもののストーリーを踏襲しているのではなくいわばアナザー・ストーリーということで展開する。舞台となるのは「Planes of Silence」、主人公マックスはスカブロス・スクロタス率いるウォーボーイズに襲われ愛車を奪われるが、機械工チャムと出会い新たな車マグナスオプスを駆って復讐の戦いを開始するというものだ。一応スクロタスはイモータルジョーの息子という設定になっているのらしい。
ゲームは最近この手のゲームの主流となっているオープンワールドで構成され、広大な荒野のあちこちに点在する敵の拠点を叩き潰してゆくのがゲームの目的となる。プレイヤーは主人公マックスとなり自らの戦闘スキルと戦闘マシン・マグナスオプスとをスキルアップさせていきながらゲームを進めてゆく。このスキルアップの為のポイントとなるのはスクラップを集めることで、これがRPGでいう所の経験値代わりとなる。マシンを爆走させながらV8ヒャッハー!な壮大なアクションを展開させてくれるのかと思ったらチマチマと屑鉄集めをしなければ進行がままならないというマックスが不憫である。
買って早速プレイしてみたが、面白すぎて具合が悪くなるほどやってしまった。まあよくある「荒廃した未来世界が舞台のオープンワールドゲーム」なんだが一所懸命マッドマックスぽくしようと頑張ってて印象悪くない。この「荒廃した未来世界が舞台のオープンワールドゲーム」といえば例えば『Fallout3』なんかもそうだが、それよりも荒廃した未来世界で戦闘マシンを駆りながら繰り広げられるFPSゲーム『RAGE』(レビュー)に感触が近い。ポスト・アポカリプスのモラルもテクノロジーレベルも退行した世界が舞台となったこのゲームは、実際の所映画『マッドマックス』がイマジネーションの元となっているのだろうが、さんざん本歌取りされた後に真打登場となるとゲーム『マッドマックス』も分が悪い部分もあるかもしれない。
しかしゲーム『マッドマックス』の『マッドマックス』らしさというのは資源の徹底した枯渇、というゲーム設定に反映している。スクラップを拾いながら車両をバージョンアップさせるというのもそれらしいが、まず車の燃料を確保しなければならないし、体力(HP)回復の為に水源を探して水筒に詰めその水を飲む、というのも実にそれらしい。当然弾薬も希少で、戦闘の中心とはならず、ウォーボーイズらとの戦いは基本的に拳骨によるバトルとなる。このバトル・アクションはゲーム『バットマン』と同じシステムを踏襲している。
それとやはり『マッドマックス』といえばカーアクションだ。荒廃した大地をぶっとい排気音を鳴り響かせながら突っ走るのはやはり爽快感が強くマッドマックス気分が上がってくる。走行中にはウォーボーイズのミュータントカーが襲い掛かり、これを粉砕するためのカーバトルも繰り広げなければならない。映画同様ウォーボーイズが車に乗り込んでくるので、これを叩き落すのも醍醐味だ。また、時々『怒りのデスロード』みたいな嵐が襲ってくるところも芸が細かい。
こんな具合にオープンワールドゲームとしては標準的な完成度で、飛び抜けた所はないにしても、『マッドマックス』な雰囲気は存分に味わうことができるゲームだ。だから『マッドマックス』好きには好意的に受け入れられるんじゃないだろうか。オレなんかはこの間までやっていた(まだクリアもしていない)「MGSV」でステルスやらされ過ぎて溜まったフラストレーションをこの『マッドマックス』で解消している気がする。修理改修した自分の車を見たマックスが「V6だと?!V8じゃないとはどういうことだ!?」と怒り狂うシーンとかニマニマして見られますよ。

マッドマックス

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