コンビニで。

店員はじじいだった。
そして、客も、じじいだった。
客のじじいは、サンドイッチとカップ焼きそばをレジに差し出した。
店員のじじいは、機械でバーコードを読むと、こう言った。
「449円です。」
客のじじいは、聞き返した。
「1149円?」
店員のじじいは答えた。
「449円です。」
客のじじいは、聞き返した。
「1149円?」
よんひゃくよんじゅうきゅうえん。
せんひゃくよんじゅうきゅうえん。
なるほど、一文字違いなんだな、グヘヘ、と暑さで脳の膿みきったオレは一人ほくそえんだ。
「1149円?」
「449円です。」
じじい同士の押し問答は最後の審判まで続くような気がした。
今日の気温、39.5度。