美術展『ピカソ/ひらめきの原点』を観に行った

今日は新橋にあるパナソニック留美術館に『イスラエル博物館所蔵・ピカソ/ひらめきの原点』展を観に行きました。

【展覧会概要】世界有数の文化施設であるイスラエル博物館(エルサレム)は、800点あまりのグラフィック作品を軸とする豊かなピカソ・コレクションを有しています。本展は、同館所蔵のピカソの作品より、精選した版画作品を中心に紹介します。油彩画、水彩画、素描、写真も織り交ぜ、パリに出た1900年頃から亡くなる3年前の1970年までの作品を年代順に展示し、青の時代、バラ色の時代を経て、キュビスム新古典主義、さらにはシュルレアリスムへと向かう画風の変遷を追うとともに、版画における技術的実験の軌跡、そして生涯に繰り返し描いた主題とモチーフの変容をたどります。

誰もが知るようにピカソは20世紀最大の画家であり、人類史上に残る天才画家の一人とも言えるでしょう。あの『ゲルニカ』をはじめ『泣く女』『アヴィニョンの娘たち』『鏡の前の少女』など傑作有名作は枚挙に暇がありません。一方、とんでもない多作家としても知られており、Wikipediaによると「生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作」などということまで書かれています。つまりピカソには傑作有名作以外にも知られていない作品が膨大に存在し、それを全て把握するのは難しい画家だとも言えるんですよ。

ピカソって画家としてあまりにネームヴァリューが高くて、「ピカソが好きだ」ってちょっと言い難い部分があります。でもやはり、ピカソはそれがどんな作品でも、一見しただけで虜になってしまうような、有無を言わせない魅力があると思うんですよ。オレは以前とある美術館の常設展に一点だけあったピカソの絵を見たときに、「うっ」と呻いたまま絵の前で固まってしまったことがあります。特に知らない絵だったんですが、それでも、あまりにも素晴らしかったんですよ。その時、やはりピカソは別格だな、と思わされてしまいました。

そんなわけで今回の展覧会に行ったわけですが、なにしろ膨大な作品をものした画家ですから、特別な有名作がなくとも、やはり見る価値があると思ったんですよ。今回の展覧会は、エッチング、アクアチント、リトグラフなど、版画技法を使った作品を中心として展示されていましたが、ほとんどの作品が初めて知る作品ばかりではあったにせよ、そのどれもに感銘を受けました。なにしろ多作家なので、アイディアの覚書であったり試行錯誤途中であったりする作品もあるのでしょうが、それですら高い完成度を誇っているんです。

展示は例によってそれぞれの時代ごとに区切られていますが、なにより顕著だったのは、その時代その時代の「ミューズ」の存在ですね。ピカソは恋多き男で、2回の結婚の他にも何人もの愛人を作ったそうですが(しかも相当に年が離れていたりする)、それらの女性への「愛」が作品制作の大きな原動力となっていたようなんですよ。卑俗な表現をするなら、ピカソ作品の多くは、彼の強烈なリビドーに突き動かされて製作されたと言っても過言ではないかもしれません。「愛」の力って、やっぱり、いろいろと凄いもんですね。

というわけで展覧会にあった幾つかの作品をザックリ紹介します。

パブロ・ピカソ 《貧しい食事》

パブロ・ピカソ 《夜、少女に導かれる盲目のミノタウロス

パブロ・ピカソ 《肘掛けに座る女 IV》

パブロ・ピカソ 《花飾りの帽子》

パブロ・ピカソ 《横たわる裸婦と髭のある頭部 III》