いまさらだけどブレードランナー的世界観が楽しいFPSゲーム『ハード リセット』


FPSがやりたい…」定期的にオレを襲うFPS病を治癒するべく今回投入されたFPSゲーム、それがこの『ハードリセット』である。このゲーム、ざっくり説明すると「ブレードランナー的未来世界を舞台に主人公戦士がロボット戦隊を撃滅する」というサイバーパンクFPSなのである。

私たちが知る世界は消滅した。人類は絶滅寸前まで追い込まれ、ベゾアールという最後の閉鎖都市に暮らしている。人類は、今では「不毛の地」と化した広大な地域を支配するマシーンに戦争を挑んでいる。マシーンは、「サンクチュアリ」と呼ばれる、何十億もの人間のデジタル化された精神を保管しているネットワークを、手中に収め吸収したがっている。主人公のフレッチャー少佐は、CLN というベゾアールを守るために設立された会社の戦闘部隊に所属する兵士である。マシーンたちは絶えずベゾアールの城壁を攻撃してくる。フレッチャーは、ベゾアールの防御バリアが破られると出動する事になる。
ハードリセット公式HP 

ブレードランナー的未来世界】。今更、という方もいらっしゃるかもしれないが、この【ブレードランナー的未来世界】ってぇヤツはなんだかんだ言って今でも心をくすぐる世界観だ。この『ハードリセット』では、その【ブレードランナー的未来世界】が臆面も無く展開する。科学が発達し、ハイテク化された光り輝くビル群がそそり立っていても、やはりその路地裏は暗く湿っていて、廃物と腐食がそこここに見え隠れする世界、都市自体が未来の廃墟のようにさえ見える世界、人と物と文化と情報が過飽和を起こし混沌となった世界。この『ハードリセット』でも、街にはホログラムの広告が踊り、日本語のアナウンスが延々とリピートされ、雨雲の垂れ込める空には機械化された鯨のような巨大な飛行体が広告をその腹に写しながらゆっくりとどこかへと飛び去ってゆく。いやもうこうこれはまさにブレードランナーではないか。ただこの『ハードリセット』では、その街並みに人間の姿は全くと言っていいほど登場しない。まあきっとゲーム本編には関係ないからだろう。このゲームにおける敵キャラは、人類を亡き者にしよう暗躍するロボット軍団である。言ってみれば「ブレードランナー」的世界観の中で「ターミネーター」の如き戦いが繰り広げられるのである。しかしこのゲームに登場するロボットはレトロフューチャーなズングリムックリな体形をしており、「ターミネーター」的というのはちょっと齟齬があるが。

ゲームシステムは至ってシンプル。シンプルさを徹底的に追い求めたのではないかと思わせるほどにオーソドクスなFPSとなっている。いや、独特なシステムを盛り込むほど芸達者な開発陣でもなかったともいえるかもしれないが、しかし、一人のFPS好きとして言わせてもらうならば、妙なシステムを盛り込むよりも、ただひたすら撃って撃って撃ちまくる、そんなFPSであってくれたほうが好みだったりするのである。このゲームがどれほどシンプルかというと、まず”しゃがみ”が無い。リロードが無い。”ダッシュ”も回避以外に使えないほど短時間。武器は2種類のみ。ただしこの武器はXPの概念があり、ゲームを進めていくにつれグレードアップできる。それとクイックセーブが無い。殆どが短いステージの終了後のオートセーブとなる。こういった、単に仕様を瑣末にすると開発が大変だから削ぎ取ったのかどうかわからないようなシンプルさが、逆に手軽に楽しめるプレイ感覚を醸し出している。

2種類だけの武器はアサルト・ライフルとプラズマ・ライフル。先にも述べたようにこれらはグレードアップして様々な攻撃方法を可能にしてゆくが、例えばアサルト・ライフルはショットガンやグレネードランチャーに変形が可能となる。プラズマ・ライフルはショック・ブラスター銃、レールガン、スマートガンといった形に変形可能だが、このプラズマ・ライフル、使用すると稲光のような電撃のエフェクトがバチバチと画面に踊って使うのが楽しい。そして、敵がロボットであるということから、この電撃攻撃が非常に効果的に敵を壊滅してゆくのを眺めるのがまた楽しい。さらに街並みにある様々な電子機器オブジェクトを破壊することによって電気パルスを放出させ、それが間接的に敵ロボットを倒してゆく、という仕様がユニークだ。

こういったように、ゲーム『ハードリセット』はオーソドクスでシンプルであるがゆえに特筆すべき点の無いゲームではあり、斬新さやリアルさを求めるFPSゲーマーには不満な点の多いゲームかもしれないが、オレのようにリアル志向やハードなアクション性よりもGPUの描写する異世界の圧倒的な情景にこそ燃えるゲーマーにはうってつけのゲームだということが出来る。いわば小品ではあるが、だからこそ肩の力を抜いて出来るFPSといえるのではないか。なおゲームはPC版のみのリリースのようで、SteamでもD/L出来るが、英語のみであり、それとは別に日本語ローカライズされたパッケージ版が株式会社ズーからリリースされている。D/L版のほうがお安いのだが、自分は少々値が張るがパッケージ版を購入した。これが意外と快適で、日本語化も侮れないな、と思えた。

ハード リセット 日本語版

ハード リセット 日本語版