2004年に急逝したカメラマン、
ヘルムート・ニュートン最後の写真集。これは各国で投獄、監禁など不当に弾圧されているジャーナリストを救う為組織された
NGO「
国境なき記者団(RSF)」の支援活動の一環として編集されたものですが、作品的には1970年代のヴォーグ誌から始まる
ニュートンの代表作を網羅的に掲載した作品集となっており、決して政治的なものを意図した写真集ではありません。作品は撮影場所別に編集されており、
ロスアンジェルス、モスクワ、
プラハ、
イスラエルなど世界中のロケーションを飛び回り活躍した
ニュートンの足跡を知ることが出来ます。オレは
ヘルムート・ニュートンについて決して詳しい訳ではないのですが、入門篇としては値段もこなれていて良いかと思い手にしてみました。非常に挑発的で、ある意味マッチョな匂いすらする女達の写真は70年代以降の女性の社会参加がその背景にあり、女達の新たな価値観をその写真に持ち込んだのが
ニュートンの写真の現代性であるようです。個人的には
デビッド・リンチと
イザベラ・ロッセリーニを被写体とした
ポートレートがキました。
■LYNCH DAVID ET ISABELLA ROSSELLINI